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4 件の小説君と幸せになりたかった
“君と幸せになりたかった” 別れ話の終盤、君はそんな言葉を口にした。 “君と幸せになりたかった、君じゃなきゃダメなんだ” 私との約束を破って行った、女の子が沢山いる飲み会。 私に秘密にして女の子に送った「かわいいね」のメッセージ。 いつのまにか変わっていたスマホのパスワード。 前はLINEにロックすらかかってなかったのにね。 私とのツーショットのロック画面はしばらく見てない。 君と幸せに“なりたい” じゃなくて 君と幸せに“なりたかった” なのも、君らしくて涙が出てくる。 私が付き合ってる時に“君と幸せになりたい”なんていったら 君はお腹を抱えて笑ったでしょ。 私の気持ちなんて知らずに。 君のために選んだ服も、君のために行かなくなった男友達との飲みも、君のために聴くようになったラップも、君のために作れるようになったハンバーグも、形だけ残った。 私の気持ちなんて知らずに。 私は、君と幸せに“なれなかった”
最後。
今日で終わる。 やっとこの日を待ちわびていた。 君のことを見かけることも、最後。 君の声を聴くことも、最後。 君の優しさに触れるのも、最後。 君のわがままに振り回されることも、最後。 もう君と交わることも、もう二度とない。 やっとだ。 私はこの日をずっと待ちわびていた。 心の底から嬉しくて涙が出てくる。 余程、君と離れることが嬉しいのか、 私の涙は止まることを知らない。 1人で舞い上がることももうない。 私の愛と同じ大きさで愛を返してくれない人なんて、もう顔なんて見たくない。 朝7時38分。 これで最後にしようと思い、彼と同じ車両に乗った。 6分間、電車に揺られて片目には君がいる。 彼は何があっても私の方は見ない。 もう、終わったのだから。 朝7時44分。 電車から降りる人に押されながら、私も降りる。 私がこうやって彼を想って行動するのも、最後。 私は、堂々と胸を張って、改札口に向かって歩いた。 心の中でかすかな期待を抱くのも、最後。 強がって弱くないふりをするのも、最後。 私なら、大丈夫。 もう私は君を思い出すことは、ない。 私の気持ちが戻ることも、ない。 私は最後に、最後のありがとうを心の中で呟いた。 運がいいことに、天気は晴天で私の味方を唯一してくれているようだった。
最高で最低な人。
私の元彼は、最高な人だった。 彼の全てが大好きだった。 性格も、笑い方も、声も、身長も、顔も、歩き方も、言葉も。 彼を見かけるだけで嬉しくて、会話出来たらもっと嬉しくて、 笑ってくれたらもっともっと嬉しかった。 私の人生の中で1番大好きな人だった。 私の元彼は、最低な人だった。 沢山傷つけて、沢山傷つけられた。 私の想いを蔑ろにした。 私の気持ちを弄んだ。 私の愛を嘘だと思った。 私の心をもう戻れなくした。 私の人生で1番憎んだ人だった。 あんなに最低だったけど、大好きだった。 私の中では最高だったから。 最高だから、最低でも愛してた。 あんなに傷ついて、泣いて、苦しんだのに、私の心にはまだあいつがいる。 1番大好きだった。 世界で1番愛してた。 まだ、この想いは消えないっぽい。 この想いが消えても、この想いを忘れないだろう。 私の元彼は最高で、最低な人だった。
精一杯の強がり。
3年間片想いしてた、めっちゃ大好きな男の子がいた。 でも彼には彼女がいた。 2人はそれぞれ女バスと男バスの部長で人気があって、信頼も強く、いわゆる“学校の人気者”。 私なんて入る隙なかった。 高3で同じクラスになった。 1年間で、1番話した。沢山話した。 授業中うるさくて先生に怒られた。 怒られても、それさえも面白かった。 「彼女と上手くいってないんだよね。」 「え、そうなんだ、、、」 「彼女のこと大好きなんでしょ? ちゃんと気持ち伝えなさいよね」 「はいはい笑」 「応援してるよ。」 応援なんか出来なかった。 私は、嘘をついた。 私にすればいいじゃん 私はそんなに不安にさせない 私の方が愛せる自信ある でも、そんなことは思うだけ。 胸が締め付けられて、きゅうってなる。 胃を超えて喉も超えて もう口から出ちゃうくらいまで言いそうになった。 楽しそうにバスケのことを話す君が好きだった。 居眠りしてるところも好きだった。 じゃんけんが弱いところが好きだった。 教室を通る風になびく長いまつ毛が好きだった。 変な所にあるホクロも好きだった。 全部が大好きだった。 卒業後は別の進路に進むことになった。 卒業式の日、彼は既に彼女と別れてた。 最後に2人で写真を撮った。 私は想いを伝えなかった。 いや、伝えられなかった。 彼を目の前にすると、胸が締め付けられて、きゅうってなる。 いつもの癖。 最後の最後は、笑顔でさよならするって決めていた。 「卒業して私がいなくて寂しくても泣くなよ!!!」 精一杯の強がりだった。 必死に自分に言い聞かせた。 最後にハイタッチして、ばいばいした。 彼の手は、私よりも大きかった。