柳 恵子

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柳 恵子

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罪とは罰とは

雑居ビルも点在しつつ民家も建っている狭い地区に密集してる様な 場所で育った5人は何時も此処で遊んでいた。 自己紹介を少ししたい。(あだ名) 相田 翔(ショー) 目鼻立ちが、ハッキリしている顔だ。 牧 和樹(ワッちん) クルクル天然パーマで、髪の毛に特徴がある。 伊藤 雄人(ユウト) 一重瞼で、嫌味な程に鼻筋が通っていて、唇は薄くも無く厚くも無い。 持田 浩子(ヒーコ) 可愛い系な顔立ちで、大きな目に小さな鼻、上唇と下唇がプックリとした質感がある。 櫻井 由美(ユーミン) 鼻筋が通って口と調和した輪郭が美しい。 (平成編) この5人が再開するのは、創立80周年学年合同同窓会でだった。 そろそろ、二次会へと今までいた会場から人が出始める。道路を隔てた会場の目の前はそう広くない公園があり、そこのベンチに早めに出て来たであろう相田 翔が深々と背を 持たれかかせていた。 頭を上に向けると、そこにはまん丸なデカイ朱色の何とも言いようの無い月が出ていて 気持ち良い涼しい風が頬を撫でてきた。 すると、道路側の方から男女の大きな声が 「ショー!ショーじゃないかー?」目を向けた先に、高校生の頃と変わらない顔が笑い ながら自分の方へ走りよって来る。 それは伊藤 雄人、何時もの呼び名がユウトに、櫻井 由美ユーミンであるがネーミングは、カラオケで仲間の皆んなの前でユーミンの曲を歌い、点数が高得点だったからだけで その名になった。ただそれだけだ。 「久しぶりー」と、ユーミンが肩にポンと 手を置いた。 「早目に会場を出たんだねえ。」 ショーが「アァ、そうなんだ。」 「ショー、元気だったかぁ。」ユウトが笑い ながら言う。「そういえば、会場にワッちんとヒーコが一緒にいたぞ、あの2人大学が同じだからなぁー」 (俺は2日前に会っているんだがなぁ)まあ そんな事は言わなくてもいい事だと思った。 ユーミンが、「あの2人に此処へ合流するように電話してみるわぁ。」 携帯を鞄から取り出すと6回鳴らすと ヒーコの声が漏れ聞こえる。 「もしもし、あーヒーコ、え!同窓会に来ていたんだねぇ。うん、わかった。今すぐ そっちへいくから。」 「ワッちんと一緒に、こっちに来るってさぁ。」 それから、携帯の時間を見ながら、たわいもない近況報告をして10分程度経った時、 あの、2人が手を振りながら歩いて近ずいてきた。 後2メートル程で俺達の所まで、辿り着くかと思った時、足の下の地面から 「ゴゴゴゴゴーゴーーー!」地響きだろうか 揺れ動く自分の体がわかる。それと同時に 眩暈が「おい!地震か?」 ユウトはユーミンに被さるように、その 場屁しゃがみ込みワッちんとヒーコは2メートル先の所から、匍匐前進(ほふくぜんしん)で、こちらへ、まるで芋虫の様に見えた。 その時「ズ・ズッ・ズドドドーーン」耳を 劈く(つんざく)。何か爆発したのかと、思う程の大きな音と強い爆風、強烈な眩暈が俺を 襲う。・・その時、気が遠退く感じがして・・・ お・ち・て・い・く・・・どこ・まで・・? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (明治編) 「うっ!うーん、うぅ。」(翔)俺、寝てたのか?それにしても、机の上で?わからない周りを見渡すと「え!何だよ此処は!」絶句した。頭があまりの驚きで、ハッキリしたのだ そこは、西日があたり3畳ぐらいだろうか狭い部屋に古臭い匂いのする木で出来た、傷 だらけの机と何冊か列べられた学問書が そこにあった。その机の前に窓があり、すぐ そこまで手を伸ばせば、木の幹が触れそうだ。 だが俺は、いったい何処にいるんだぁ? さらに、自分の手首に気が付くいた袂 (たもと)だ、それも短めのグレーの色の着物だ。胸元も見たが、やっぱり着物だ。 椅子から立ち上がって下半身を見るとびっくり、袴なのだ。 俺はいったい、何なんだぁ?慌てて引き戸を開け、長い廊下を走りながら玄関らしき? 土間らしき?とにかく外へ出たかった。 やっと外の景色が目の前に現れたのも 束の間、席切って顔を上げた目の前に口に 手を当てて、びっくりしたはかまの女が 通せん坊している。顔をよく見るとヒーコ だ!髪型は違うけど、やっぱり、どう見ても 持田 浩子がそこに立っているのだ。 「おい!いったいどうなってるんだ!」と 怒鳴った。 「まったく!怒鳴らないでよぅ。」 「大体、ショーがあんな所へ暇そうに座っているから、いけないんじゃない!」 「嫌、そうじゃなくて、なんでこんな格好なんだぁ?」まったく、なんで俺のせいになる?とジェスチャーした。 話しの内容はと言うと朝、目が覚めた場所だが、そこは明治時代の旧家で名前は前田家 最初は俺みたいに相当パニックったらしいが そこには、ユウトがいて大体の出来事を聞く事が出来たという、その内容が此処はパラレルワールドでユウトは前川家の長男でヒーコとは双子の妹、今までいた時代の記憶もあるし、前にいた人達も大勢見かけたるが、 かなり構成や事情も違うらしい。・・・ ショーが「そりゃあ〜、そうだろうよ。双子ってありえねぇだろ〜う。」 「パラレルワールド?あいつ科学雑誌オタクだから、そんな事言ってるのか?」 それで、前田家に俺とユウトがならんで写ている写真をみつけて、ヒーコが様子を見に来た次第だそうだ。 ショー「あーぁ?だって、朝わかった事がどうしてこんなに遅くなるんだぁー?」 苛立ってきた自分を抑えながら、ヒーコの顔を見たら涙ぐんだまま立ち尽くしていた。 (俺はどうしたらいいんだ?) 数秒経った、その時自分の置かれてた情報だけが把握されてない事に気ずき、後ろを 振り向くと玄関先に表札が掛かっている名前を読むと「宮沢 汰一郎?」俺は宮沢家か? すると、頭の側頭葉に洪水のように押し寄せてくる、此処での今までの記憶が・・・・・ (あーぁ、溺れ死にそうだぜぇ。) 赤ん坊の時から始まりそれは、つたい歩きをした横に母の笑顔があった、そして不安な気持ちも湧いた。やっぱりアイツはこの時代 でも酒に溺れ鬼畜に豹変し母を殴り俺をも守る。かわらない映像が映し出されていた。 そうだ、あの日の事も同じに映し出されている。 毎晩の暴力、母は相変わらず優しいが、あの晩も何時もの様に酔っ払って帰って来て 母に手を挙げようと、ふらついた足元に 14歳になった体格が怒りに任せ体当たりした。その後に三面鏡の鏡台があり、それに 思いっきりぶつかり、鏡が割れそこへ倒れ込んだ。1度起きようと、頭をあげたが力尽き たのか目を瞑ったままそこには、血溜まりが 溢れ流れ出し大きい波紋となった。 夜になってから蔵へ運び、何事も無かったように生活をして行こうと母に言い、誓った。「母さん、これからは僕が母さんを守るから、心配しないで。」 それからは母と2人、貴族の血筋とやらを 少し受け継いぎ遺産が入って遊び呆けていたアイツの金で、何とか生活していた。 ユウトとヒーコと俺達の出来事も、細々 思い出され。また、不安や猜疑心や後悔の 日々が永遠に傍から離れる事がないと確信 したのだ。 「おい、ヒーコ、ユウトの所へ連れて行ってくれ。」とヒーコの腕を掴み急がした。 少し暗くなり、薄暗い木戸の前まで来て 今度はヒーコに手首を掴まれ歩いていたのにきずく。 前川家の門構えは、まるで城に入る時の 威厳がある。ちょっと、躊躇するが何時も ヒーコに引っ張られ門を潜っている。少し 歩くと家の創りが暗い闇に浮かぶが、そのまま中に入ってユウトの部屋に案内されると、 そこに横向きに寝そべっていた。 顔だけを、こちらにクルッとかえす。 「おぉ来たか、まーあ座れよ。」と、言った その知り尽くした笑顔、絶対に余裕こいているよコイツ、自分勝手な科学的根拠って奴になあ。 ユウトは「此処での記憶は思い出したか?」 「抜け落ちて要る部分は人に遭えば、思い出すさあ。」疲れ果てて、無言で頷くしかなかい。考えるのも辛くなる程、疲れたがまだ 聞きたい事がやまほどある。 「俺とユウトとヒーコ3人が、なぜ此処へ…」 話している途中に割り込むように ユウトは「3人じゃないよ、5人だよ。」と言う。 「家の下男がワッちんで叔父さんの長女で結婚をしている。ユーミンがいるんだ。」 「ショーもワッちんかユーミンに遭ったら 記憶が戻るさあ。」 「そうなのか?あの公園にいた5人が、あの時代の記憶もあり、此処でのきおくもあって?どういう事か、さっぱりわからないぞ 何でこんな事が起こるんだぁ?」と、俺は 怒鳴りそうになるのを耐えた。 「まぁあ、今の事態を推測だけでしか言えないけど。」それでもいいから、言ってくれ! と心の中で思った。 「何らかの、磁場の歪みで出来た時間の間に落ちた?というか?入り込んだ?というか?定かでない。はっきり言えないんけど、ただあの場所が関係しているんだ。戻れるか戻れないかは、その場所を探して5人で行ってみなければ。」と、ユウトは言ってみたが、 それが解決策になろのか、どうかわからない、共通点は?あるのか?あの場所に5人 一緒にいた事以外に? 「とにかく、もう暗くなっているしショー は、飛び出して来たんだろう?お母さんも 心配しているはずだよ。」ユウトは不安げな 顔をし俺の方を見た。 「話しはまた、明日ヒーコにお前を呼び出して貰うから帰って寝たほうがいいよ。」 「じゃあなぁ。」と手をあげた。 ヒーコに玄関まて案内され、無言のまま その場を立ち去った。 暗い道を、どうやって帰って来たんだろうか?家の前まで帰って来た。 朝なのだろうか?鳥の囀りが聞こえるが まだ目を開けられないんだ。嫌、開けたく ないんだ。 元の場所でありますようにと、祈りまた眠りに落ちた。 身体がゆらされるので、どうしようも無く 怠い身体を起こしすと、昨日と変わらない 髪型と袴姿だ。 「ショーおはよう。」と、ヒーコは慌てた様子も無いまま笑っていた。 「おい、黙って入って来たのか?」 ヒーコは、クスッと笑うと「叔母様に御挨拶したら、入らせてくれたわぁ。」と言う。 「お前なあー、この時代に来たとたん、言葉まで変わっちゃうんだあ。」頭を掻きながら言うと「早くー、顔洗って御兄様が呼んでるわあ。」 道すがら歩いている人の何人かは、此処へ 来る前に見覚えの有る顔が歩いている。 また威圧感のある、門の所で記憶は何時も 入りにくいという感覚が蘇って足早になる。 純、日本庭園ていうのか、手入れされた植木 が並んでいる庭に通され乱雑に置かれているのか、意図的に置かれているかわからないでかい石の所へ腰掛けて居たのはユウトだった。「よー、来たか。」と手を頭の上てコイコイと振る。 その、待ち時間の間ユウトは、今までの出来事を整理していた。時空間の何処かに 飛ばされたとしても、その時代の記憶と 飛ばさる前の記憶も一緒に在るって パラレルワールドにしても可笑しいよ。 それだけじゃない要因も加わっているのか? さっぱりだ、絡み合った解けない糸は、 ほっとけないたちだけど・・・。 「ショー、ワッちんとユーミンに会いに行こうよ。」ユウトは言う。 「ああ、行こう。」俺も無茶苦茶 会いたく堪らないだ、愛しているんだ。あいつを・・・。 早く、あの天鵞絨(ビロード)の肌に触れたい 長い睫毛にも逢いたい。 ユウトを急がせヒーコを尻目に早足で、 その場所から立った。だか金魚の糞みたいに ピッタリ着いてくる。 白く塗られた鉄のフェンスの先、高い鉄の門が聳える。さすが財閥の門構えだけある。 そこの、表札は櫻井と印されている。 憎くって堪らない名だ。どんなにもがいても権力、財力に勝てない力がそこに在る。 悔しい気持ちが、力拳に込められる。 ユウトが「お前達の仲は知っているさあ、良いから此処にいて。」手で遮った。 「ギィーゴーゴゴー」手で押した。呼び鈴があるのに無視してスタスタ歩いて中へ進んで行ってしまったのだ。 ヒーコは俺の真後ろで鼻歌を歌い始めるし俺はオレで苛苛し始めるのを、抑え続けているうえに耳障りな曲だ。 思わずヒーコを黙らす為に力一杯、抱きしめていた。鼻歌は止まったが、俺はヒーコの顔を見れなかった。ヒーコは、どんな顔をして俺の腕の中にいるんだろうか?見れない、絶対に・・・ これは、事故みたいなもんだ。自分に言い聞かせヒーコの身体を顔は見ず引き離す。 その場を離れようと身体を反転させた時、 門の中からユウトとユーミンと、その後ろ からワッちんが出て来た。 「遅いぞ、早く他の場所へ行くぞ。」と、焦る 自分を隠しながら言い放つ。 「5人で、ゾロゾロ歩くのは目立って不自然 だから先にユウトと永大神社へ行ってるぞ。」 「いいなあ。」 若い女2人と下男だったら、可笑しくないだろうさ。 そう、下男はユーミンの所で色々な雑用、 雑務を任されているワッちんだった。 ユーミンはヒーコと会話もしないままに 歩き続ける。何故、自分のした過ちを夫に 知られて無いのか考えている。 此処に来る前、大学に通う間に知り合った知り合った友達の中の1人が今の夫になった。前も今も金持ちに変わりは無かった。 打算な考え方で付き合い初めていたのは確かだし、愛がなかったのも確かだ。その愛を突き詰めた相手がショーだし、女のどうしょうもない性(さが)を満たしてくれたのが光夫だったが、あの大学のポプラ並木の1番大きな樹で待ち合わせた後、電車へ〇び込んだと後でわかった事だった。 あの時の会話は、今でも1字1句忘れはしない。「光夫の事が好きとか愛してるとかの感情は一切無いし、それを求めるなら此処で別れるよ。」 光夫は「愛があるからセッ〇スがあるんじゃないか!」と、 「そういう男は、愛がなくても抱けるんだよ私は利用したらいけないの?」 光夫は「こんなに愛しているのに、わかってくれないんだあ。」項垂れた光夫の、傍から逃げるように帰った。 それからの事は、人伝に聞いたが動揺や罪悪感なんて微塵もなかった。 また人肌の温もりが欲しくなれば、声をかけて引き入ればいいと思った。 こっちらの状況も同じ感じの〇に方で、どうであれ〇殺にかわりないが、夫がいるということも、お金への欲望、執着、ただそれだけだ。 夫は、そんな事は知らないはずだ、知っては困る。気ままに、お金が使えなくなるのは絶対、嫌。 「ヒーコ先に行ってて、ちょっと用を思い出したの。」「すぐ、済むから。」 ヒーコが「うん、わかった。」と言う。 ヒーコの後ろ姿を、見ながら後ろにいた ワッちんに手招きした。 ユーミンは「あの自〇した奴との、関係が主人にバレて無いわよねえ。」 ワッちんが「知ってらっしゃいます。」即答で返ってきた。「全部、貴方の事は旦那様は知っていらっしゃいます。」ワッちんは、俯いたままそう言うと悲しそうな顔を上げ言うのだ。「私は、今まで旦那様の陰の部分での仕事や雑務を任されてきました。」 「そのなかでも、貴方の行動の監視役も仕事でしたし、旦那様の不利益な事態が起こりそうな時も、動いていました。」「ですから、あの男は目障りなので、金で動く連中に自〇したように見せかけ〇殺したように見せ掛け殺 〇したよう見せ掛け〇させたんです。」 「私が直接、手を下しても構わなかったんですが・・・」 歩きを早め、やっと神社の鳥居が見え石段を登ると広い石畳の空間が広がり、その真ん中でショーとヒーコとユウトが、こちらを向く。 「遅いじゃない。」と、口を尖らせてる ヒーコが駆け寄ってきた。 ユーミンが「ちょっと、用事を済まして来たの。」と、 ヒーコが「何処で話すの?」 「裏手に、納屋がある。そこで話そう。」と ショーが先頭になって案内をした。 5人が納屋の中に入ると埃だらけの茶箱の上を、ワッちんが首に掛けてた手ぬぐいで払った。 最初に口を開いたのがショーだった。 「俺達これから、どうなるんだろうなぁ。」 「此処へ、来る前の記憶を持ちながらずっと暮らせてぇかあ?」 「嫌、前いたあの場所が原因だとしたら、この時代の、あの場所を探し出して後、条件が揃えばもどれるかもよ。」とユウトが頭を掻きながら「ただし、5人が不可欠だと思うだよね。」と言う。 ワッちんは、黙ったまま額に皺寄せ苦悩の表情で考え込んでいた。このまま此処で〇んでしまったら、どんなにか楽なのだろうか? 戻りたいとは思わない。なんで生きる為に 努力をしなきゃなんないんだよ。そりゃあ、ユーミンの傍にずっといられたら、いいんだけどなあ。こき使われても文句1つ言わないようにしてるよ。 ショーが、「おい、どうした!」叫んだ。 ユウトは慌てて、後を追おうとして何かに 躓き、その場で転ぶ、ヒーコは、ユウトに 駆け寄り「平気?大丈夫?」と、腕を掴む。 ユーミンは、「早く!追っかけて頂戴!」と 叫ぶ。ショーが1番に走り出した。その後 からユウトも続いて走り出した。 ヒーコとユーミンがは、そこへ取り残された。 ショーは「ハアハア。」息があがって上手く 喋れない。「ちょっと待てよ、待ってくれ。」 追い付いた所は神社の裏手、奥に鬱蒼とした森を抜けると後ろにある崖で、下を覗くと かなり深い。落ちてでもしたら絶対、〇ぬであろう高さの本当にに崖っぷちの際に ワッちんは後ろ向きに立っていた。 ショーは「あのなぁ、俺さぁ、実は人を〇したんだ。親父をさあ、思いっきり体当たりして・・・、事故だったんだ、嫌・事故と自分に言い聞かせているんだが、本当は殺〇があったんだ。」 「おい!聞いているんか?」 ワッちんが振り向くと今にも泣きそうな顔をして、「何で、そんな話しするの?もう、自分の事で手一杯なんだ。」項垂れて言う。 「おい、お前だって自分がどうしょうも無く嫌で堪らないんだろ。」ショックは前のめりのまま両膝の上に手を置いて、喋り続ける。「嫌だけど10の内1楽しいとか、嬉しい、可笑しい、気持ちいい、後残りの9は辛い、上手く思い通りにいかない、我慢や苛立や毎日、何か良い事はないかと、ボヤいている自分がいた。」 ワッちんが「僕は何回も〇のうとした、どんな方法で今度は〇のうか、ある意味これで 静寂で無になるタナトスに魅入られた僕だから、此処から飛び〇りるよ。」「自分の事は、嫌いか好きかもわからないよ。」 「おまえ、タナトス見えるんと違うんか?」と、掠れた声でユウトがショーの後ろに、いつの間にか立って喋っていた。 「見えるさあ、見えるから何だって言うんだ。」ワッちんは、怒った口調でユウトに向かって言う。 「凄いじゃないか、〇神は傍らにいるんだろ?」ワッちんの視線が自分自身の横に移すと「ここさぁ。」と言う。 ユウトは興奮を押さ込み「タナトスは、 どんな風に見えるんだろう。」口調だけは 普通に話す様にいたって平坦に、ちょっと間の抜け感じに聞こえて、妙に可笑しさが込み上げてショーが「アハハハハ。」笑い出し ユウトも笑い、ワッちんも2人の笑い声に 気が抜けたのか、足を1歩後ろに下げ座り込んだ。 飛び〇りようとしてたが、ワッちんは仲間の、その笑顔をいつまでも、ずっと見ていたい気分になりショーとユウトへ、ゆっくり 歩み寄り「ユウト、変なんだもんエヘッヘエ。」と、照れたように笑った。 「そんなもん、見たくっても見られるもんじゃないさ。」と、ユウトはワッちんの肩に手を置いた。 「それと、俺のカミングアウトを聞いた以上は俺が、どんな〇にざまぁかを2人とも見届けてくれよなあ。絶対に約束だぞぉ。」と、 ショーが真面目な顔で2人へ言い放つ。 そして、2人は何も言わず軽く頷いた。 「僕だって、今まで誰にも言わ無かったけど中学生の時、何人かでつるんでいた仲間内で、どうも鈍臭くっていつも小汚い ワイシャツを着てて、皆んなから下僕同然に 扱われてた子がいたんだけど、妙に僕に懐いていて、くっいてくるんだけど。嫌じゃ無かった。本当に・・・子犬みたいでさあ。」 「でも、あの時は他の皆んなから外されたく無くって無視してしまったんだ。」 「何時もより難題を言って虐めていたんだ。窓から傘を広げ飛んでみろーって。」 「あいつ、窓枠に片足掛けて僕を見たんだ。だけど、辞めろって言えなかった・・・」 「バランスを崩した様なかたちで落ちたんだ。」「傘は拡がったまま地面にあったんだ・・・」と、ユウトは泣きながら両手を握り締めながら嗚咽する。 ショーがユウトを立たせ帰ろうと促し 黙ったまま、ゆっくりと歩いて納屋の方へ向かった。 納屋ではパニックに落ちてる、ヒーコとユーミンがいた。 「ギャー!なに!なんなのよ!」叫ぶユーミン。 「こ・コレって骨?」ヒーコが床のめくれた板を両手で、思いっきり持ち上げた。 「ベリ、ベリ、バキッ!」埃がまい、そこには白〇化した人間の膝から下の部分が露になった。 「これって、やっぱり骨だよねえ?」と、 ヒーコは声を震わせていう。 ユーミンは、そこから逃げる体制になりながら「嫌だー!此処から早く出ようよ、ねーえ。」 「ザァシャ!」石が弾かれる音に2人が驚いた。ヒーコとユーミンは、驚いた顔のまま目を合わせ。その場へ、へたり混んだ。 「後で詳しく話すから落ち着いてくれよ。」と、ユウトが2人に言う。 納屋に全員が揃うと待ち構えた2人が、 生唾を飲み込むとユウトがショー、ワッちん 自分の準番で話し始めた。 静かになにも聞かずユウトの話しが終わると、とたんにユーミンが、 「じゃあ、ショーは人を〇した罪、ワッちんは命を粗末にしてる罪、ユウトは友情を裏切った罪?」 「ショーは、この時代でもお父様を〇めた、 ワッちんも、此処でも〇のうとしていた。 それじゃあユウトも同じ過ちをしてたの?」 「うーん、入〇自〇だったけど、〇殺にかわり無いよね。」項垂れてユウトが言う。 「じゃあ、私も暴露しなきゃいけないじゃない。」困り顔でユーミンが、喋り始めようとした時、割り込むようにヒーコが先に喋り始めた。 「私の家は、お金を貸す高利貸しという家業なの。」 「返してくれなければ、どんな事もしてたわあ。追い込んで〇殺した人は何人もいた。」 「前も今も、お金だけは困らなかっわあ。」 「でも、こんな事が起こると神様に大変な過ちをしているのだから此処へ来させられているんだと、言われているようね。」 「今更だけど、怖くってたまらないよ。」 ユウトが遠慮しがちに、「なんでそこまで、お金に固執するの?」 ヒーコは「父に気づいて欲しかった。」 「汚い商売と同等の事を娘もしているって、母が浮かばれるんじゃないかと思ったの。」 「母は父の容赦ない取り立てで破滅させらた人に〇されてしまった。」 「ああぁ、いつの間にか私も父と同じ、 汚く愚かな人間になってしまったわあ。」 「ここにいるという事は自〇してしまった人がほんとに、いるという事実を裏付けてると思ったのよ。」同じ穴の狢(むじな)になっても父親はお金だけしか見えないようだ。 「簡単に言うと結婚詐欺に思われそうな事をしていまかなあー?」 「自分は普通にデートをしていたつもりでも、相手はそれ以上な事を期待するのよ。」 「付き合うかわりに、それなりの代価を貰ったまでなんだけどねえ。」 ショーが「それが、結婚詐欺って言うんだろうがぁ。」とボソリと言う。 ユウトは「それじゃあ、何人も振った奴の何人かは・・・」と、口を濁した。 「うん、そうかもねえ。」と首をすぼめてユーミンが言う。 サワサワと、木々の葉を鎭める風が5人の 間にも吹く。その時間を休息のように経った 静けさの中、ショーがため息を吐いた。 「そろそろ帰らないとなあ。」 「行くぞ、俺はまた父親を隠さないと。」 ショーが歩こうとすると、後ろの4人も動き を同じくした。 後ろに、付くように歩き出し始めてすぐ、 納屋のある場所に戻った。 ショーは日が暮れた空に顔を向けると、 驚いた。「あの、月だ!おい!見ろよ。あの時と同じ色の月が出ているぞぉ!」 そこに、朱い月が浮かんでいるのを1人1人が見ようと顔をあげた瞬間、突風が吹き上げ埃や木の葉を巻き上げ自分達の身体を叩いた。 すると、激しい目眩と身体が揺れ動き下へ と引っ張られ落ちていく。 そんな、状況でも元いた場所へ戻れるという期待だった。ショーは確信し強く心で 「帰る、帰るんだ!」と叫ぶ。 平成編 静けさが訪れ、耳元で微かに車の走る騒音が聞こえ始め、そっと重たい瞼を開けると 自分がいる場所がわかったのだ。 ショーの自宅の裏庭の納屋を前にして立っている。後ろに向き変わると駆け足で玄関の所まで来ると戸を勢いよく開け放し、そのまま駆け上がる。 居間のテーブルに置いてある新聞の日付けを凝視すると、そこには平成2009年・・・ 3月?・・・10日金曜日・・・ 飛ばされた日から3ヶ月前?ショーが首を傾げ、ズボンのポケットから当然のように 携帯電話を取り出しヒーコの番号にかける。 呼び出し音が10回以上だろうか、長い間鳴らし続け待っていた。 突拍子もない、ヒーコの第1声が 「け・けい・携帯電話あったんじゃない!」 かなり大きな声で、こっちがビックリしたのだ。 「今、ホテルの部屋だと思うんだけど・・・ ベッドにいたのよ、急に洋服のポケットから 着信音が鳴って、ショー何がどうなっているの?」 「出るのが遅いから、何かあったんじゃないかって俺の方が、どうなっているのか心配したよ。」 「ショー、皆はどうなったの?」 「これから、掛けてみるよ。」とショー。 「帰って来た日は、3ヶ月前に戻ってるんだが、ワッちんやユーミン、ユウトが戻っているか心配だ、切るよ。」携帯電話の便利さに只々感謝の気持ちに笑いが込み上げた。 ワッちんに掛けてみる。呼び出し音が鳴らないかで「はい!大丈夫だよ。今、自分の部屋にあるパソコンの前に座ってたよ。」 ショー「日付け見たか?」 ワッちん「うん、3ヶ月前に戻ったねえ。皆に連絡とれた?」 「いや、まだユーミンとユウトに掛けないと、無事かどうかわからないんだ。また、電話するから1度切るぞ。」 ショー、大丈夫そうだなぁ、次はユーミンに掛ける。 ユーミンが「ショー?今、喫茶店の椅子に何故か座っているんだけど、どうしょう?こんな所にいる自分でもわからないよぉー。」 ショーが「いいから聞けよ。」 「皆、戻って来た場所は色々違う所だったりするけど、日付は3ヶ月前に戻ってきているんだ。」 「また、すぐかけ直すから落ち着くんだぞいいなあ?じゃあな。」 ユーミンは、皆の事を聞こう思ったが切られてしまった。 呼び出しの音が鳴る。「あ!ヤバいよ、ちょっと外に出る。」ユウトだ。 「ショーか?大学の講義受けているかのように此処に座って、いるんだぜ。」 「クク、なんか不思議でさぁ。」笑っている。 「おい、面白がっている場合か?心配したんだぞぉ。」「今日の日付は、飛ばされてからの3ヶ月前だ、メールするから待ってろよ。切るぞ。」ショーが、皆の安否確認をして集合をかける為すぐ、メールをした。 メール「すぐ、合同同窓会のあった会場〇〇ホテルのロビーに集まれ。今すぐ、そこを離れて来てくれ。」 ショーは携帯電話の充電量を確かめ、 タクシーに乗り込む。 ヒーコも、慌てて服を着て、情事の相手に何も言わず振り向きもせず、ドアからでていった。 ユーミンの目の前にいた男は自分でも、どんな事情で会っていたのか、大抵の察しはついているので一瞥もせず、その場を離れた。 ワッちんはパソコンの電源を切り、ため息を吐くと携帯電話だけ握りしめ、立った。 ユウトは大学の校舎から廊下を走り抜け 外へ出ていった。 5人それぞれが集まるまで、あの飛ばされた日の3ヶ月前まで、話しと時間は遡る。 その計画は、静かに水面下で動いていた。 ユーミンの夫は、一昔前の財閥で世界の大企業、櫻井グループを率いる代表なのだ。 この所の夫の悩み事は妻(ユーミン)の遊び事に胸を痛め眠れない夜を過ごしていた。 金を使う買い物なら、腹は起たないが愛人との金の出費には、どうにも我慢がならない。 ユーミンの夫は、この怒りの収まらない気持ちを、どうしたらいいのかと考え計画を練っていたところだった。 そして、この胸の愛を振るったまま他の男に抱かれている彼女に代価を払わせてやるにはと考えた。 (傍にいる者、全てに払ってもらおう。) そう、心に誓ったのだ。 (まず、彼女と関わっている人物を調べあげなくては・・・) 「この世では、より多くの情報をいち早く掴み、動く事が生きる道だ。」と、先代の祖父の遺した言葉を思い出しす。 確かに、この家の祖父の永い縁なのか影で働く者、昔は忍びと呼び、そして今は何と呼ぶのか、わからない程多様化した仕事内容に何でも屋と化している事を、請け負いながら生き延びている者達。 その者達に情報収集を依頼した結果報告が今、届き自分の手の内に有る。 この手で、動かされるキャストを選び出し ストーリーをも、考え実行しなければ気が収まらない。 (後は、傍観するだけだ。)薄暗い椅子に座ったまま呟く。 数週間考えた結果。こういうストーリーに決めたのだ。 妻の幼なじみの、伊藤雄人(ユウト)、相田翔(ショー)、牧和樹(ワッちん)、持田浩子(ヒーコ)達は勿論の事、弱味を握った者を ターゲットにする。 伊藤の中学生時代の親友に、爆弾作りに異常に興味があり、その筋のオタク範囲を逸脱した者に絶対に入手できない材料を送り付けてみた。 そして本当に作るかのかを、あの者に見張らせ、やる気を確認する為にある手紙を送った。 それは、「君の望む物は完成したのかなあ?確かめたければ本物の物を作ってみたまえ、そうすれば何時でも、君の望む材料を差しあげよう。」 (話に乗るか乗らないかは、どうでも良い事だ。立役者はいくらでも探せるんだからなあ。)と、後は持田浩子(ヒーコ)が騙した男に、金と引き替えに時限〇弾を、あの場所に置かせれば最後の瞬間をこの手で終わらせる事が出来る。 この計画の準備に3ヶ月が過ぎた。 ショーや、ワッちん、ユウト、ヒーコ、 ユーミン達が帰還した後、良かったと喜びあい肩を抱き合い別れた3ヶ月後でもある。 (あの者に報告を受け、この日が来た。)ユーミンの夫 上手く電磁波〇弾を作らせ金に困った男達は、それを運び、ユウトの友人には金を見せ会場の段取りを指示しショーの母には匿名で夫の居場所は、何処だと揺さ振りをかけたので、そのうちに結果が出る筈だ。 合同同窓会会場になった場所に戻る。 ショーが公園のベンチに座った。近くのゴミ箱に、それがあったのだ。 反対側に高いビルの屋上から確認出来たがあの5人達が近ずくまで、この手にあるスイッチは押せない。 「よし、いいぞ来い。」夫がスイッチを押した。 それは、地響きと爆風となり業火で、 辺り1面を包み込んだ。 その、一部始終を見ても顔色を帰ること無く、その場所を離れた後ろ姿が映し出された。 その、爆風の熱い熱風に焼かれながら5人 の思考回路がスパークしながらスピードが 加速に乗り思い出という過去が流れて行く。 砂場でトンネルを作って遊んでいる5人。 (ショー) 雑居ビルの廊下で鬼ごっこをしながら、走り回っていた。 小学校の校庭で日が暮れるまで、缶蹴りをしていた。 高校の合格発表で5人で喜びあっていた。 大学に通うユーミンの大人びた感じに、目を 奪われた。 初めて、あんなに暖かい体を抱き締めたのはユーミンだった。 血の匂いが、どれ程生臭いとのなのか実感した。 朝食の母との何気ない食事風景。 空から漂い上から見ると、母が背中を丸めた 姿で、ゆっくり警察署の自動ドアを開けようとしていた。 「何故だぁ?」 「これが、俺への罰か。」 「これが・・・・」 (ユーミン) 小学生のショーが一生懸命に無くなった靴を、色々な場所で探してくれている後ろ姿に 感動する。 高校の入学式に5人が顔を合わせクラスの確認をして、クラブは何処に入るだのとワイワイ、言い合って騒いでいる。 ショーの電話を待つ、寒く長い夜が寂しい。 盛大な結婚式に最初から最後まで、ビックリ した。 体の変調に気が付き、夫の子供がお腹にいるのだと、間違い無く夫の子だと・・・ 女の本能で、着床した相手が誰だか解るんだから不思議だ。 (ヒーコ) なんか、いつも幼なじみ馴染みのショーやワッちんや、ユウトと男の子に囲まれた。 心地良さに浸っていたい、気持ちが大人になっても癖になってしまったかなあ。 周りには、何人も色々な男達がいた。 騙した訳では無い差し出された物を、ただ貰っただけ・・ それがお金だろうと物だろうと体だろうと、 頂いたまでだ。 「結婚しょう。なんて言った男がいたっけ・・・」 ハガキが見える。 これは?あの同窓会案内?沢山のハガキの束を手に持った、顔覗くと結婚を言い出した男 (名前が思い出せそうも無い。)がいた。 独り言のように心の声が聞こえ始めた。 「持田の為に使った借金が、これでチャラになる。」「愛の代価を払わせてやる。」 「この日が5人集まる日だって、しらべたんだからなあ。ただ必ずこさせる小細工は、彼奴らの友達に誘いかけるようにしたんだ。」 その言葉を聞いたとたんに、すべてがわかったのだ。何故こんな所で浮いているのかが・・・ (ワッちん) 明治時代に来た時に、わかった事があった。 タナトスが自分だけでなくショーやユウト、ヒーコにユーミンまでに横に立っていたのを何度なく見ていた。 もう既に〇んでいるのかと思い、あの崖を飛んで確かめようか迷ったが あの笑顔で、何かが吹っ切れて辞めた。 ちやんと戻ってこれた3ヶ月前、自分の部屋のパソコンに遺書として、飛んだ明治時代の見ていた事を打ち込んだ。 「多分5人が、これから遭遇する〇は全員が一緒に体験する事になると思う。」 「これが、僕の償なわなければならない罰なのだろう。」 「命の尊さを軽んじる自分、皆に〇ぬんだなんて言えない自分。」 「皆の笑顔が大事だった。好きだったよ。」 「・・・・・」 あの爆〇はテロの仕業と新聞に出た日から、 幾つもの歳月が流れ あの5人が遊んでいた公園 砂場で女の子2人と男の子3人の後ろ姿が 映し出され ほら、髪の毛がテンパーの子が?・・・・ ~完~

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