彩水 未來
8 件の小説恋
親友がいます。1年前に出会って、 今はクラスが違うけれどとても仲の良い女の子。 私、少し前にクラスでかなり影響力のある子に目をつけられてしまって嫌がらせを受けたんです。耐えられなくて、しんどくて、そんなときに私を抱きしめてくれたのはその子でした。“何かあったら絶対に言ってね”と。 どれほど心強かったことかきっとあの子は知りません。 親友がいます。とっても素敵な女の子。 親友のまま続けたいと思っています。 なのにどうしてあの子の“大好き”の一言がつらいんでしょう。 あの子に、あの子に彼氏がいなければ こんなにつらくなかったんですか。
言の葉
どうでもいい奴から投げつけられた言の葉 そんなもので指を切り、血を流すよりも 大好きな人から貰ったあったかい言の葉を 大切に宝箱にしまっておく方が ずっと素敵で優しい人になれるでしょう。 ︎✿ あとがき こんにちは、彩水未來です。 最近は夜が長くて冬を感じますね。 さて、今日に文についてですが、最近友人が人間関係に悩んでいるようで、そんな友人達に贈りたい言葉を綴ってみました。 気に入っていただけたら嬉しいです。 彩水 未來
朝日が降る
雨が降って 朝が私を迎えに来る それは、とても幸せなことでしょう。 私にとっての幸せは 苦しみや悲しみのない道を選ぶこと 勝手にそう思い込んでいた。 けれど、実際は全く違う。 むしろ、“幸せの理想”が私の首を締めていた。 深い深い海の底に自ら蹲り続けていたんだ。 今なら分かる。 朝日が綺麗でご飯が美味しくて、月が綺麗。 それ程幸せなことはないのだと。 そして、気付いて初めて私は、 海の底からでは見えないような素晴らしい青空に触れた。 「嗚呼、幸せだ」 ︎✿ あとがき 皆さんこんにちは。未來です。 前作が、いつもよりたくさんの方の目に入ったようで嬉しいです。 知り合いに教えず1から始めたこの垢でも、 見てくれる人がいることが何よりも幸せです。 これを読む貴方が幸せでありますように。 彩水 未來
暁 月 夜
ぽろり、ぽろり ゆっくりと、確かに崩れていく 夢の中にいると、時間がはやい。 気がつくと いつも 暁月夜。 私はいつもひとりでいる。 心がぽろぽろ崩れ出す 涙がぽろぽろ溢れ出す ああ、幸せは星のもと。 ︎✿ あとがき 最近は集団生活に異常な程疲れを感じています。皆さんはどうでしょうか。毎日毎日変わらないことをして、そのうち荷物が多いだけで家から出たくなくなってしまう。 少しだけ 心が崩れていくような気がしました。幸せって言葉は簡単に綴れるけど、幸せは星のように遠いところにあるみたいですね。 彩水 未來
わたしがみらい
わたしの生まれた世界はボロボロだ 醜くて、壊れかけで道もない 辺りを見渡しても色が薄くなった立ち入り禁止の看板ばかりでつまらない世界だ。そんな中、わたしと共にこの世界に生まれた彼はこう言った。 「こんな世界じゃどこにも行けない」 確かに過去に誰かが歩いた道は もうボロボロで…道とは呼べそうにない。 こんな世界は絶望しかない…? 「だけど…そんなこと関係ある?」 わたしが行く先はわたしが決める。 道があろうと、なかろうと、 私が歩けばそれが道よ! だから…だからわたしは君とどこへでも行ってやる。 今はボロボロな景色ばかりでも、 綺麗な虹が見えるところまで2人で歩き続けてやる。 私が道を作るんだ。 私が歩けばそれが未来よ! ✿ あとがき 今回はボカロ曲である「わたしがみらい」の歌詞を軽い解釈を入れて文字に起こしてみました。 私はこの曲を作っている“傘村トータ”さんが大好きです。この曲はとても前向きな歌詞でお気に入りです。 この子が歩いたらそこはどこであろうと道! 彩水 未來
応援歌に花束を
私が恐れていたことが 私の目の前に突然壁を作ることがある それはとても高い壁だろう。 初めはゲームのヒントを解放するような、 少しずるい逃げをすることばかり考えた。 でもそうして、次の壁がもっと高かったら? 私はきっと目を瞑ってしまうだろう だから、覚悟を決めたのだ。 私の人生のこの瞬間はヒントを解放しないと。 もうすぐ私はまた大きな壁に立ち向かう。 それでも私はこのままだ 首を絞めてでも進もうじゃないか。 あの日の私がしたように。 綺麗な私であれるように。 ✿ あとがき お久しぶりです、未來です。 このお話も私の想いからできています。 入学して初の歌のテスト。クラスメイトが後ろで歌う中、私は全員の視線を浴びながら前で歌いました。結果は微妙。でも自分の勇気くらいは褒めてもいいかなと思っています。どうか君も諦めないで欲しい、そう願っています。 彩水 未來
最 終 列 車
“別れ” わかれること,離れること 彼はたんぽぽのような人でした。 いつも笑いかけてくれる。 私は出会った時から彼が好きだった。 それでも、花は永遠に咲き続けたりはしない。 わたげになれば飛んで散っていく。 なんて美しいものだろう。 それでもその美しさは私に涙を与える。 感情という名の雨はいつも私を濡らした。 今となってはどこで咲いているかも分からない。 それでも彼は私と生きている。 −−−−ああ、君に逢いたい。 小学生の頃、転校して会えなくなった大好きな男の子が居ました。その子は私に引っ越したくないんだと言って泣いて話してきたことがあります。そんな時私は一緒にいるから大丈夫だとしか言えなかった。それでも最終日に握ったその子の手の体温は今でも覚えています。 別れって辛くて、寂しいですよね。 でもそれがまた自分を強くするならば、数歩譲っていい事だと言ってみてもいいのではないでしょうか。 彩水 未來
貴方が明日を生きるため
私達は生きられない。 生きる方法を、手段を知らない。 「四ヶ月かと…。」 泣き崩れる母親。泣きたいのはこっちだ。 私が四ヶ月後生きていないなんて信じられるわけが無かった。 二年前に膵臓がんと診断されて入院が決まり私の人生は一気に崩れ落ちた。もちろん生存率が低いことは知っていたけれど、四ヶ月なんて、そんなの。 もういっそ何もかも辞めてしまいたかった。 結局この二年、私には何も与えられなかった。 青春も友達も恋人も。悔しい程に手に入らなかった。 四ヶ月で何が出来ると言うのだろう。 今まで手に入らなかったものが急に手に入るなんてそんなに甘い世界なら余命宣告なんてされなかったはずだ。 「…消えちゃいたいなあ。」 ふと口から溢れた言葉は夜の星空に溶けていく。 それが酷く虚しかった。 それから少しして、何もやる気の起きなかった私はとあるものに出会った。それは一冊の小説だった。 自殺をしてしまった少女が期限付きで人生をやり直すという物語。一度読むと面白くて、数日で読み終えた。何となく、好きだった。 それから私の中には小説という楽しみが出来て、それなりに残りの人生を楽しんでいた。 もちろん、身体は徐々に動かなくなったり苦しくはなってきていたけれど、元々だし気にはならなかった。 そうして私は、見事三ヶ月で九冊の本を読み終えた。 暇さえあれば読んでいたと思う。 −−−そんな時、ふと思った。 「…もしも学校へ通っていたなら、私は三ヶ月で九冊なんて読めなかったし勉強ばかりしていたんだろうな。」 私は自分の人生に価値なんて感じていなかったし、学校へ通っている人達をとても憎んでいた。 でも、今ならひとつ分かる。 この三ヶ月で小説に出会ったこと それが私の人生の一番の自慢だ。 ✿ あとがき 初めまして。突然ですが、私は今年の春から新しい環境での生活を始めたところです。 そんな中で私の心の支えになっているのはやはりこの小説の少女と同じように、小説です。そしてこの場所は物語が大好きな人が沢山いらっしゃると思います。 そんな方々にこの作品が届いてくれたら嬉しいです。まだまだ初心者作家ですが…どうぞよろしくお願いします! 彩水 未來