〓Mr.鷹党〓
944 件の小説ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ 第1話
主要登場人物一覧 嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託) 耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士 冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官 今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官 藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士 関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士 幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士 菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官 泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官 鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監 正随緋斗(24)…警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊所属 隊士長 貴内伸介(35)…警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊 小隊管理官 1等隊尉 伊村零也(41)…警衛庁 警務隊 刑事課 第1小隊長 1等士官 西岳慶寿(58)…警衛庁 警務隊長 隊将 磯末克斗(43)…警衛庁 警務隊 総務管理官 1等将士 新城彪駕(28)…警衛庁 警務隊 上級幹部付き庶務担当管理官 2等隊尉 澤田新太(33)…警衛庁 東部地区警務中隊 第1機動班 主任 3等士官 青村聡士(28)…警衛庁 東部地区警務中隊 第1機動班 隊士長 堀峰幸治(50)…関東信越厚生局 麻薬取締部横浜分室 広域機動取締課 課長 新薪晃平(43)…関東信越厚生局 麻薬取締部横浜分室所属 広域機動取締課 係長 鳴濱航輔(23)…元警衛官 近添祐臣(23)…元警衛官 樋田淳太(24)…元警衛官 階級 隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監 ……………………………………………………………… 雪もチラホラと降ってきた12月、嶹津は余っている貯金で簡単な防寒着を購入するとそれを羽織りながら次の住居を歩いて探していた。 もう2時間は歩いている計算になるだろうか、 そんな事を思いながら歩いていると目の前から制服を着た2人の警官が歩いてきた。 「あ、お兄さんちょっといいですか?」 警官に声をかけられ嶹津は軽く頷いた。 「なんだよ、」 「近くで強盗事件があってその捜査を今してるんだけど、ちょっとお話聞けたりしますか?」 「ちょっとだけなら、」 「ありがとうございます」 そう言い警官が軽く目を逸らした時だった、警官達を押しのけるようにして2人組の大柄な男たちが声を荒らげながらやってきた。 「お前、嶹津だろ?な?」 「なんすか?あなた達は?」 「警務隊だよ。なんで来られたかわかるはずだ。だよな?」 隊員の1人が声をかけると警官の1人がその隊員を押しのけるようにして前に出た。 「神奈川県警の者です。あなた方は?」 「あ?だから話聞いてなかったんかよって。警衛官だよ。俺ら警務隊でこいつに用があんだよ。今すぐ引き渡せ。さもねーと防衛省を通じてあんたらに抗議入れんぞ?めんどくせー話にしてやんぞ?なー」 隊員が怒鳴ると警官達は互いに顔を見合わせるとそのままそそくさと足早に去っていった。 「あの野郎、大したことねーな。今どきのポリって全部あんなんか?」 そう言いながら隊員は嶹津を睨みつけた。 「話すことは何も無い。」 嶹津が言うと隊員はニヤニヤ笑いながら嶹津の胸ぐらを掴んだ。 「んな馬鹿な事言って俺たちを騙せると思ったんか?お前を見つけるために俺たちは神奈川県全域に担当派遣なってんだ。こちとら仕事残っとんのによ、とりまこのまま近くの駐屯地まで来いや。話はそれからだ。な?」 そう言い隊員が嶹津の腕を引っ張った次の瞬間、嶹津はその隊員の手を捻りあげるとそのまま走り出した。 「だ、大丈夫すか?」 「うるせーって。早く追えや」 「あ、は、はい」 1人の青年隊員は嶹津を追いかけるためそこから走り出した。 「くそが、そこら中にいるじゃねーかよ」 嶹津はそう呟くと近くの駅の改札に飛び込んだ。 「探し出せ。早く」 「こっちだ」 いつの間にか増員されていた警務隊員らは嶹津を探すべく付近をしらみ潰しに探していた。 「あいつら、まじでゴキブリみたいにうじゃうじゃいるな。」 そう呟きながら軽く息を整えていると、目の前からパーカーを着た1人の男がやってきた。 男はかけてたサングラスを軽く外し嶹津を軽く凝視するとそのまま笑顔で駆け寄ってきた。 「づーしまじゃんかよ。お久。何してんだよ。こんなところで」 「づーしま?」 新隊員教育隊の頃に呼ばれていたあだ名を言われ嶹津は男を見上げた。 「おいおい笑 忘れたとか言わせーぜ?」 「鳴濱か?」 そこにいたのは、新隊員教育隊時代の同期だった鳴濱だった。 「そーだよ。一瞬忘れとったろ?」 鳴濱に言われ嶹津は軽く笑いながら受け流した。 「お前こそ何してんだよ」 嶹津に聞かれ鳴濱は駅前に停めてある1台の車に目をやった。 「まぁ、んな事はいいからよ。とりま車乗れよ。今仕事中じゃねーだろ?」 「クビになりそーな立場なんだわ。今」 「クビに?お前何やらかしたんだよ笑 警衛隊なんて、なんもしねー限りクビになんねーだろ?上官殴っても、半年間の謹慎で済むようなところなんだからよ笑」 「そうか。お前部隊配属されてすぐに殴って辞めたんだっけ?」 「向こうから手出てきやがったからな。俺の場合は。んでボコボコにしたら向こう、気絶しやがって、依願退職。依願だけでも偉いと思うだろ?国家公務員の地位を自ら捨てたんだぜ?」 「馬鹿な選択すぎんだろ笑」 嶹津が言うと鳴濱は笑いながら嶹津を立たせた。 「懐かしい仲間に会わせてやるよ」 そう言うと鳴濱は嶹津を車に乗せた。 その後、何分か走っていると雑居ビルの地下駐車場へと入っていった。 「着いたぞ。」 そう言いながら鳴濱は駐車場の入り口に車を停めた。 「入り口かよ笑」 嶹津が呟くと2人の男が駐車場にやってきた。 「覚えてるか?あいつら」 「近添に樋田、」 嶹津が呟くと鳴濱は軽く頷きながら車から降りた。 「あれれ、嶹津じゃんかよ」 近添は嶹津を指さすなり軽く声を上げた。 「とりま、嶹津連れて上がろうか。話はそれからだ。」 鳴濱に言われ近添と樋田はそのまま上に上がって行った。 「飯と風呂と、用意してやっから。な?早く来いや」 鳴濱が言うと嶹津は軽く頷き歩き出した。 部屋に入ると、鳴濱は近くのソファーに向かってダイブした。 「鍵締めろよ」 樋田に言われ近添は面倒くさそうにドアの鍵を閉めた。 次の瞬間、樋田は嶹津の胸ぐらを掴んだ。 「お前、警衛官やってんだろ?まだ。それに前に公安ってほざいて無かったか?この野郎」 樋田が怒鳴ると近添が口を開けた。 「あー。なんか聞いた事あるような。ってお前、新隊員教育中に辞めてるだろ?」 「てめぇから聞いたんだよ。」 樋田に怒鳴られ近添は軽く笑いながら嶹津の肩を叩いた。 「そうだった笑 お喋りだったの忘れてたわー」 近添が言うと鳴濱はスマホを触りながら口を開けた。 「とりあえずさ、樋田、胸ぐらから手離したれや。輩みたいな事すんなって」 鳴濱に言われ樋田は口を鳴らしながら嶹津の胸ぐらから手を離した。 「簡単に説明してやる。俺らは今、キャバクラ、ガールズバーなどの店を5店舗任されてる。それで月の売上は5000万を超える。それを元手に新しいビジネスを今考えててなその仲間を探してるところなんだ。どうだ?一緒にやらないか?」 鳴濱が言うと樋田は再びその場に立ち上がった。 「こいつ公安なんだろ?十条で立てこもりあってから教団とは音信不通だしよ。公安が教団に潜入を目論んでいるのは既に知ってる。俺らところに潜入に来たって俺が睨んでも無理はねーよな?」 そう言いながら樋田は嶹津を睨みつけた。 「教団?お前ら明徳の?」 嶹津が聞くと樋田は声を荒らげた。 「今更、知らねーフリか?てめぇら公安が知らねーフリとか似合わねーぞ。俺らは教団の傘下だ。教団が運営してる店舗を何店舗が任されてんだよ。そんぐらい知ってんだろ?どうせ。それで近づいてきたんだろ?」 「待てよ。まじで初耳なんだけど」 「あ?嘘も下手になったな。」 「俺がそう見えるか?潜入なんてそんなこすいことやんねーよ。それに俺は今追われてる立場だ。」 嶹津が言うと鳴濱が腕を組みながら聞いてきた。 「さっきからその気になってんだけど、追われてるというのは?」 「どうせ、それも嘘なんだろ。」 樋田が言うと近添が口を開けた。 「いつまで、お前引き摺ってんだよ。」 「あ?うるせーよ」 樋田が言うと近添は机に腰かけながら口を開けた。 「いや、お前。まだ新教(新隊員教育隊)の頃引きずってんだろ?」 「なんかあったっけか?」 鳴濱が聞くと近添は軽く笑いながら頷いた。 「ほら、夢丸?と耀阪か。それと嶹津の3人がよくやらかして、毎回、樋田の野郎、班長にブチ切られてたろ?笑 」 「あー。あったな。日後の行いがどうとかって俺も流石にあいつはどうかと思ったけどな」 「それを引き摺ってんだよ。こいつ。現にそのせいで成績も下がってたしな。職種希望通ってなかったもんな。成績だけで見たら、1位狙える位置にいたもんな。」 「決めつけて自分の非は認めない組織なんだよ。警衛隊ってのは。そんな汚ねー組織にいる時点でそいつも汚染されてる。だから俺はそいつらを軽蔑する。それだけだ。」 そう言いながら樋田は嶹津のそばまでやってきた。 「鳴濱、今ここで決めろよ。嶹津をどうするか」 「嶹津をどうするか?」 鳴濱が聞くと樋田は答えた。 「こいつが公安からの刺客じゃねーって証拠は無い。でもこいつは公安所属の人間だ。こいつをこのまま俺たちのもとで働かせるか。それか追い出すか。いや、アジトがバレてるんだ。生きて帰す訳には行かねーよな」 そう怒鳴ると樋田は拳銃を構えた。 「おい、」 近添が言うと樋田は嶹津を近くのソファーに押し倒した。 「な?鳴濱さっさと決めろよ。こいつをどうすっか。」 「俺はもう決まってるよ。こいつは警衛隊には帰さない。このまま働かせるって」 鳴濱が言うと樋田は鳴濱を睨みつけた。 「あ?決まってる?だと?」 「うん。彼は同期であり仲間だ。苦楽を共にしてきた。特に近添と俺は元々、樋田は職種配置後、配置転換を希望して、みんな守衛で一緒になったろ?俺と近添と嶹津と夢丸と耀阪、そして樋田だ。だから仲間を見捨てるとか殺すとか俺にはそんなのできねーし。俺はこのまま嶹津をここに残す。」 「そうか。なら好きにしろよ。」 そう言うと樋田は軽くネクタイを緩めた。 「これから女の子迎えに行ってくるから、俺出るし。また夜な」 そう言い残し樋田は、足早に部屋から出て行った。 「あいつ、店の娘の送迎、自分からやりたがるよな。変わった野郎だろ?笑」 近添が言うと嶹津は軽く笑った。 「よし、ならこれから説明するとするか。ここからはビジネスについてだ」 そう言うと鳴濱は嶹津をソファーに座らせた。
警衛隊 解説
正式名称 日本国領警戒衛務部隊 前身の部隊 国家保安庁 陸 海 空自衛隊 幕僚総監…警衛隊における最高指揮官 特例で外部招聘も存在する 初代幕僚総監 滝藤誠弥 2代目幕僚総監 中堂純一 3代目幕僚総監 保瀬将司 4代目幕僚総監 尾竹滉平 5代目幕僚総監 都築崇人 6代目幕僚総監 柳原辰信 7代目幕僚総監 桝井俊史 (外部招聘) 8代目幕僚総監 佐村崇人 9代目幕僚総監 會澤桂司 10代目幕僚総監 笹本親宜 11代目幕僚総監 熊谷紀陽 12代目幕僚総監 大岸智晴 13代目幕僚総監 木戸敦也 14代目幕僚総監 鳥島信孝 副幕僚長…警衛隊トップ2の役職 幕僚官房長…警衛隊トップ3の役職 総科司令…警衛隊トップ4の役職 陸上 海上 航空科部隊の総指揮権を有する 陸上 海上 航空科長…トップ5の役職 警衛庁職員…民間で採用された警衛庁所属の職員のこと 定員200人 警衛庁隊員(警衛隊員)…警衛隊員採用試験で採用された者。身分は国家公務員にあたる 定員298000人 階級 隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監 (7代目幕僚総監 桝井俊史 時に改変) 陸上科…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙、要人の警護など、社会の安全を維持するため、任務の遂行が主な任務 (陸上警衛隊と略される) 化学科…武器、爆弾、兵器、車両などの製造を行う。これまでは特殊科が担当していた。 公安科…国家の中枢防衛が主な任務。国家機密が多く存在するエリート部隊 衛生科…患者の治療や医療施設への後送、隊員の健康管理、防疫及び衛生資材等の補給整備等を行うのが任務 財務科…警衛隊内での予算等を決定する 警務隊…警衛隊職員、警衛隊員の犯罪捜査や、取り締まりが主な任務。警衛隊の中の警察 守衛科…警衛庁、全方面隊の建物警備が主な任務 運用科…警衛隊での部隊運用に関する任務を行う 広報科…新規隊員の確保や警衛隊の宣伝などが主な任務 通信科…通信機器を用いて業務連絡などを行う。警衛隊の事案出動等のサポート全般を行う 法務科…犯罪等を起こした警衛官を収容する施設(法務院)の管理を担当する 航空科…災害時の救助活動から上空での日本領土警備に当たる (航空警衛隊と略される) 海上科…災害時の救助活動から海上での日本領土警備に当たる。 (海上警衛隊と略される) 宇宙科…宇宙での日本防衛から宇宙領域の動向を把握する宇宙領域把握(SDA:Space Domain Awareness)の任務を行う 特殊科…特殊部隊などが属している 自衛科…全国各都道府県に密着しその都道府県内で起きたテロ等の対処や毎年、防衛省主催で行われる全国自衛科保安中隊衛力選手権大会に向けた訓練等を行っている。 法衛庁…前身の組織 内閣府附属統合特選群総監局 日本国内で起きたテロ等の事案対処を専門とする部隊。警衛隊と警察による合同での日本初合同特殊部隊機関である 警衛庁……………………… 警衛庁…警衛隊の最高指揮本部 幕僚官房室…幕僚総監の秘書任務、警護から幕僚総監からの通達を各部隊へ送るなど幕僚総監直近の部署。また警衛隊における最終決定力を持っている部署でもある。 幕僚護衛隊…幕僚総監の身辺警護が主な任務。 この部隊の入隊試験の受験資格は2等幹士以上の40歳未満の隊員のみである。 機動急襲作戦群…陸海空統合による部隊ということから所属は幕僚総監直轄の幕僚官房室所属となっている。 情報保全隊…警衛隊の情報漏洩防止のため、警衛官のSNSアカウントの監視、及び国家機密の情報保全が主な任務 幕僚総監直轄の部隊であり、構成員は警務隊、公安科からの選抜を潜り抜けた隊員で構成されてる。(拠点 十条駐屯地) 警務隊(警務大隊) 首席監察部…警衛庁管轄全ての部隊、方面隊の取り締まりなどを行う。 規律統制委員会…警衛官の不祥事削減のために設置された。刑事訴訟法ではなく、警衛隊法に基づいた規律違反事案を主に調査する部署である 特殊内部制圧部隊…警衛隊内部で起きた犯罪の捜査や警衛庁職員、警衛隊員が起こした立てこもり事件等の制圧を行う 警護課…警衛隊幹部(幕僚官以上の階級を有する者、又は、幕僚官以上の幹部が命じた警護対象警衛官)の警護を行う幕僚護衛隊の任務遂行補助を主な任務とする 刑事課…警衛隊員が起こした刑事事件の捜査等を行う 法務科…全国10ヶ所にある法務院の管理や法務院にいる法務部警衛官の指導、管理が仕事 参謀部…警衛庁での組織統制にあたる。 財務科…警衛隊内での予算等を決定する 自衛科 自衛科統括本部…全国の自衛科保安中隊の統括を主な任務とする 方面隊統括本部…全国方面隊の統括を主な任務とする 通信科 通信指令部…警察などからの出動要請を受けた場合にその出動要請事案について警察から来た情報を各部隊に無線等を通じて連絡をする 運用科 教養指導室…定期的に隊員への指導を行い部隊の練度向上を目標としている 部隊運用室…部隊運用に関する最高決定権を有する 陸上科(陸上警衛隊) 陸上中央司令総隊…陸上科部隊全ての指揮権を有する 陸衛中央連隊…陸上科所属部隊への支援物資や指揮が任務 第1指令本隊…全ての陸上科所属部隊への指揮が任務 第2指令本隊…全ての陸上科所属部隊への指揮が任務 第3指令本隊…全ての陸上科所属部隊への指揮が任務 第4指令本隊…全ての陸上科所属部隊への指揮が任務 第5指令本隊…全ての陸上科所属部隊への指揮が任務 特殊科 支援機動部隊…国内で起きたテロなどに対処する部隊などの支援を行う 陸上特警隊…他国からの侵攻などの際に日本領土の陸海空を守る 国際治安維持部隊…日本国外の各国から出動要請を受けた際に出動して治安維持等の活動に当たる 特例組織機動急襲捜査部隊…日本政府が指定した犯罪組織等の調査、監視や国家転覆を狙う者の制圧など国家防衛の最前線を担う部隊 特殊空衛団…日本上空で起きたハイジャックなどの事件などを担当する。また、自衛隊時代の第一空挺団を参考に再編を繰り返された部隊で、日本の空を守る最後の砦とも言われている。日本防衛戦線では上空での戦闘で大活躍した 外事機動特別諜報部隊…世界各国へ秘密諜報部隊いわゆるスパイとして派遣される 国家危機管理対策部隊…日本国家の治安維持や国家が危機に瀕する事案が発生した際の処理などを行う 国際軍事調査部隊…世界各国の軍事における動向のチェックを行う。日本防衛力が世界レベルで衰えるのを防ぐのが主な任務。 公安科 国家危機管理対策部隊…日本国家の治安維持や国家が危機に瀕する事案が発生した際の処理などを行う 国家危機管理対策部隊 別働隊…公安科 統括官が指揮権を有する。 おもに、非公開だが政府公認の部隊で任務内容は明かせないとされている。 国際軍事調査部隊…世界各国の軍事における動向のチェックを行う。日本防衛力が世界レベルで衰えるのを防ぐのが主な任務。 外事機動連隊…日本を脅かす他国が現れた際に、武力を行使し他国の制圧を行う。また、世界各国の諜報活動を行ってるのもこの部隊である。日本政府非公認の部隊 衛生科 衛生中央部隊…全ての衛生科所属部隊への指揮が任務 特殊衛生部隊…ドクターヘリを保有しており、緊急時における医療処置などが主な任務。構成されるメンバーは全てが医師免許を保有 看護中央部隊…看護師免許を持ったメンバーで構成される看護専門の部隊 広域緊急対処部隊…(部隊改変された)警衛一般隊員、医師免許を持った医務警衛隊員、看護警衛隊員らにより構成されており日本国内で地震などの災害が起きた場合、内閣総理大臣からの要請、緊急時は、幕僚総監からの許可を受けて出動し、人命救助や行方不明者捜索などを行う。 (改変前部隊名称 広域災害派遣専門出動部隊) 化学科 司令本隊…有事の際における化学科部隊の動きを一括して指揮することが出来る。 汚染処理部隊…バイオテロ等発生時における汚染物質の処理を担当する。 防疫防護部隊…感染症等が発生した時に防疫活動を担当する。 守衛警備科 特殊守衛班…本部庁舎へ侵入してきた不審者等の対応が主な任務 第1警戒部隊…庁舎の警備が主な任務 第2警戒部隊…庁舎の警備が主な任務 第3警戒部隊…庁舎の警備が主な任務 航空科(航空警衛隊) 航空中央司令総隊…航空科部隊全ての指揮権を有する 航空機動隊…日本領土上空のトラブル等に対処する 航空警戒部隊…ヘリ、戦闘機等を使っての上空警備にあたる。ここに属するメンバーは全員、パイロットである 航空開発実験集団…航空開発実験集団は、日々進歩する航空機・装備品の開発・航空医学・人間工学の開発実験機能を持ち、幅広い研究を行う組織 航空救難群…民間、警衛隊航空機による事故調査から雪山での遭難等、航空救難が指示された場合に置いて上空からの降下等で救助、救出を実施する 海上科(海上警衛隊) 海上中央司令総隊…海上科部隊全ての指揮権を有する 海上警ら隊…日本海域に現れた身元不明の船等の処理を担当する 海上輸送班…海上での警衛隊備品の輸送が主な任務。 海上機動連絡班…海上における警備、巡回などを行う。海上防衛の最前線部隊 機動特殊潜水隊…有事の際に潜水を実施し任務遂行を行う 機動掃海隊…有事の際の機雷戦を主任務とし、第二次世界大戦時に設置された機雷の処分も行う。 宇宙科 宇宙警戒作戦群 …衛星通信、衛星放送や位置情報サービスなどで利用される人工衛星の安全を確保するため、 宇宙領域の動向を把握する宇宙領域把握(SDA:Space Domain Awareness)の任務を行う 広報科 警衛庁採用センター…警衛庁職員、警衛隊員の採用が主な任務。採用試験などを担当 所属機関 首都自衛科保安大隊(東京地区自衛科保安中隊 練馬駐屯地) 東北方面隊…東北地方の防衛にあたる (本部 真駒内駐屯地 東千歳駐屯地 ) 陸上科 第1区域機動第1作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第1区域機動第2作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第1区域機動第3作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第1区域機動第4作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第1区域機動第5作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 …災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 衛生科 東北救急部隊…東北地方での隊員が負傷した際の救命救急を行う 警務隊 東北地区警務中隊…東北方面隊の監察業務にあたる 航空科 航空操縦隊…緊急時などにおけるヘリ等の操縦を担当する 所属機関(各県庁所在地に駐屯地) 北海道地区自衛科保安中隊 青森地区自衛科保安中隊 秋田地区自衛科保安中隊 岩手地区自衛科保安中隊 宮城地区自衛科保安中隊 山形地区自衛科保安中隊 福島地区自衛科保安中隊 東部方面隊…関東地方の防衛にあたる (本部 市ヶ谷駐屯地) 陸上科 第2区域機動第1作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第2区域機動第2作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第2区域機動第3作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第2区域機動第4作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第2区域機動第5作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 …災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 衛生科 東部救急部隊…東部地方での隊員が負傷した際の救命救急を行う 警務隊 東部地区警務中隊…東部方面隊の監察業務にあたる 航空科 航空操縦隊…緊急時などにおけるヘリ等の操縦を担当する 所属機関(各県庁所在地に駐屯地) 茨木地区自衛科保安中隊 栃木地区自衛科保安中隊 群馬地区自衛科保安中隊 埼玉地区自衛科保安中隊 千葉地区自衛科保安中隊 神奈川地区自衛科保安中隊 中部方面隊…中部地方の防衛にあたる (本部 名古屋駐屯地) 陸上科 第3区域機動第1作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第3区域機動第2作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第3区域機動第3作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第3区域機動第4作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第3区域機動第5作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 …災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 衛生科 中部救急部隊…中部地方での隊員が負傷した際の救命救急を行う 警務隊 中部地区警務中隊…中部方面隊の監察業務にあたる 航空科 航空操縦隊…緊急時などにおけるヘリ等の操縦を担当する 所属機関(各県庁所在地に駐屯地) 愛知地区自衛科保安中隊 岐阜地区自衛科保安中隊 静岡地区自衛科保安中隊 石川地区自衛科保安中隊 富山地区自衛科保安中隊 山梨地区自衛科保安中隊 長野地区自衛科保安中隊 福井地区自衛科保安中隊 新潟地区自衛科保安中隊 三重地区自衛科保安中隊 近畿方面隊…近畿地方の防衛にあたる (本部 伊丹駐屯地) 陸上科 第4区域機動第1作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第4区域機動第2作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第4区域機動第3作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第4区域機動第4作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第4区域機動第5作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 …災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 衛生科 近畿救急部隊…近畿地方での隊員が負傷した際の救命救急を行う 警務隊 近畿地区警務中隊…近畿方面隊の監察業務にあたる 航空科 航空操縦隊…緊急時などにおけるヘリ等の操縦を担当する 所属機関(各県庁所在地に駐屯地) 滋賀地区自衛科保安中隊 京都地区自衛科保安中隊 西日本区域自衛科保安大隊(大阪地区自衛科保安中隊) 兵庫地区自衛科保安中隊 奈良地区自衛科保安中隊 和歌山地区自衛科保安中隊 西部方面隊…中国、四国、九州の防衛にあたる (本部 海田市駐屯地 博多駐屯地) 陸上科 第5区域機動第1作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第5区域機動第2作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第5区域機動第3作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第5区域機動第4作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 第5区域機動第5作戦班…災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 …災害時の救助活動から、祭礼・イベント等における雑踏警備、空港や港湾施設などの重要施設の警戒・警備、テロ・ゲリラ行為の防圧・検挙が主な任務 衛生科 西部救急部隊…西部地方での隊員が負傷した際の救命救急を行う 警務隊 西部地区警務中隊…西部方面隊の監察業務にあたる 航空科 航空操縦隊…緊急時などにおけるヘリ等の操縦を担当する 所属機関(各県庁所在地に駐屯地) 岡山地区自衛科保安中隊 広島地区自衛科保安中隊 鳥取地区自衛科保安中隊 島根地区自衛科保安中隊 山口地区自衛科保安中隊 香川地区自衛科保安中隊 徳島地区自衛科保安中隊 愛媛地区自衛科保安中隊 高知地区自衛科保安中隊 福岡地区自衛科保安中隊 佐賀地区自衛科保安中隊 長崎地区自衛科保安中隊 熊本地区自衛科保安中隊 大分地区自衛科保安中隊 宮崎地区自衛科保安中隊 鹿児島地区自衛科保安中隊 国領離島自衛科保安連隊(沖縄地区自衛科保安中隊・離島特殊科保安部隊が合併) 附属機関(重要機関のみ記載) 高等教育隊…東京に校舎があり日本唯一の警衛庁が運営する国防専門学校である。学生の間は防衛省職員の扱いで卒業時には、警衛隊への無試験入隊が許されてる他、高校卒業資格もとることができる。 中高一貫式教育隊…大阪、名古屋、福岡に校舎を構える警衛隊が将来の人材育成のために発足させた教育隊。中高一貫式のため、中学受験での入隊が原則で、13歳から入隊ができる。いずれも全寮制である。15歳から警衛隊員という身分になり給与が支給される。月収10万円 幹部候補生教育大隊…キャリア警衛隊員を育成する教育機関。東京、大阪に存在する。期間は3年間(ただし準幹部候補生教育専攻者は1年で卒業可能) 西部教育隊…西日本全域を対象とし採用された新人隊員の教育を行う 中部教育隊…関東全域を対象として採用された新人隊員の教育を行う 東部教育隊…関東を除く東日本全域を対象として採用された新人隊員の教育を行う 海上科教育隊…教育隊卒業後、入隊試験合格を経て海上科部隊(海上警衛隊)への配属を希望する者が入る。期間は1年間。京都府 舞鶴市に存在する 航空科教育隊…教育隊卒業後、入隊試験合格を経て航空科部隊(航空警衛隊)への配属を希望する者が入る。期間は1年間。北海道 札幌市に存在する 航空学生群…航空科教育隊の傘下組織。操縦士いわゆるパイロットを目指す者が入る。幹部候補生教育大隊(3年制)を卒業後、航空学生準備過程を半年間受け入群。期間は4年間。北海道 北広島市に存在する 警衛庁附属化学研究所…武器、爆弾、兵器、車両などの製造を行う。属する職員は民間で採用された警衛庁職員と警衛官採用試験で採用された警衛隊員の2つで構成されている。 防衛省附属警衛隊病院…防衛省直轄で警衛隊ガ運営する病院。医者、看護師は全て警衛官で、警衛官なら治療、入院費など全額無償である。 警衛庁附属法務院…犯罪等を起こした警衛官が入る刑務所のようなところ。全国10ヶ所ある 防衛省附属警衛隊法務会議館…警衛隊versionの裁判所。犯罪等を起こした警衛官の最終処分が下される場所。ここの法務員は全て幕僚官房室所属の隊員で構成されている
ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ 第22話
主要登場人物一覧 嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託) 耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士 冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官 今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官 藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士 関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士 幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士 菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官 泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官 鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監 階級 隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監 ……………………………………………………………… 朝日が登ろうとしている頃、十条駐屯地に赤色灯をつけた車両が数台ゆっくりと入ってきた。 「おい、あれって、」 佐塚が呟くと松石は藤浦の肩を軽く叩いた。 それに気づいた松石はすかさず車両の方に目をやった。 「警務だな」 藤浦が呟くと今西は面倒くさそうに振り返った。 「陸衛が退いた次は警務か。うっとおしいな」 そう言いながら今西は軽く口を鳴らした。 「警務隊です。指揮官は?」 そう叫びながら車両から降りるなり正随は耀阪に目をやった。 「またお前かよ」 耀阪が呟くと正随は軽く笑いながら耀阪の前に駆け寄った。 「久しぶりだな。俺は、嶹津を殺しに来た。先に言っておいてやるよ。あいつを生かしておくメリットはこの組織にもこの世にもない。」 「俺は嶹津を生け捕りする。あいつの命は絶対に守る」 「見物だな笑 で、何も動きないのか?」 「何も無いですね」 耀阪の横にいた佐塚が答えた。 「そうか。もう夜が明けてきたしな、こういうのはさっさと片付けたいものだよな?」 そう言いながら正随は軽く目をつぶった。 「正随、ここで俺の出番なんじゃねーのか?な?」 そう言ったのは、眼鏡をつけたインテリ風の1人の隊員だった。 「やれるか?」 「任せろよ。」 そう言うと男は関口に目をやった。 「情報保全隊の方?」 「あ、ま、そうだけど」 関口が答えると男は軽く頷きながら笑った。 「警務隊 刑事課 第1小隊 サイバー班の小池と言います。階級は隊士長です。見る感じあなたとは同じ階級のようなので、ここからはタメで。それで食堂の中の状況は?まだ何も?掴めてないのか?笑」 「監視カメラの映像もやられてる。これといった穴も無い。小型カメラを入れるのも限界がある。状況なんてわかる訳ありません」 河木が言うと小池はその場でパソコンを置いた。 「俺の手にかかればこんなの、朝飯前だぜ笑」 「馬鹿言うなや。こっちはなお前らの何倍も上なんだ。そっち系に関しては。警務のサイバー班なんて、ただのパソコンちょっと触れる連中の集まりだろ?お前らになんかに何が出来るって言うんだ?あ?」 関口が怒鳴ると小池は眼鏡を軽くかけ直しながら言った。 「やれるんだよ笑 それが、まー見とけよ笑」 そう言うと小池は横にいたサイバー班員にシルバーのジュラルミンケースを渡した。 「わかるよな?」 「当たり前だろ笑」 「じゃあ頼むわ」 「うぃー」 小池に言われ班員らは、食堂へと向かった。 「あいつら、何する気なんだ?」 藤浦が呟いた。 班員らは食堂の前でジュラルミンケースを開けると針のようなものを取り出した。 「行くぞ」 「おう」 班員らは息を止めるとそのままドアの鍵穴に針を刺し始めた。 すると、小池の前にあったパソコンの画面に食堂内の映像が出てきた。 「は、は?なんで」 関口が言うと小池は軽く鼻で笑った。 「保全隊と違って、こっちは頭が固くない人らが上にいるからな笑 こんなの簡単なんだよ笑」 そう言いながら小池はパソコンを操作し始めた。 それを見て正随はすかさず小池のもとに駆け寄った。 「どうだ?なにか見えるか?」 「まぁ待てよ。そんな慌てんなって。ほら、」 そう言うと小池はパソコンを正随に渡した。 「ナイス。」 そう言うと正随は小池の肩を軽く叩きテントから出た。 「総員、これより食堂への突入を開始する。嶹津、菅原、野島の3人はいずれも無傷、まだ食堂内にて確認済みだ。速やかに突入。菅原を救出し残りの2名を確保。これを速やかに実行せよ。よいな」 正随の指示に隊員達は大声で返事をした。 「お、おい俺らも作戦にうつるぞ、公安科の存続のためにも、絶対に嶹津が向こうに渡るのを阻止しなければならない。わかってるか?」 今西が言うと隊員らは返事した。 「突入たって、正規ではできないのわかって言ってるんすよね?」 冴浪が言った。 「確かにな、警務隊が突入するルートを全部確保されてるしこっちがどーこーってできねーよな。今更。」 高梨が言った。 「公安らしくコソコソ利用して行こーぜ笑 そこは。な?」 今西が言うと藤浦は隊員らをより近くに集め円陣を組ませた。 「こっちには一つだけ武器がある。それは警務隊を利用するんだ。今さっき見た感じ、嶹津らはここにいると思われる」 そう言うと今西は食堂内の地図を広げ指を指した。 「つまり、それを頭に叩き込み突っ込む。」 「は?え、それただの暴論すぎねーか?笑」 高梨が言うと冴浪も軽く笑った。 「思った笑」 「大丈夫だ。つかこれしかねーしな。警務隊が突入を始めたと同時に俺達も突入する。そんで、嶹津を救出。これだけだ。それ以外何も考えるな。強硬策に見えるのは分かる。俺もそう思う。だが今はこれしか無いんだ」 今西が言うと来島が口を開けた。 「そういうと思って、装備品は全部持ってきた。本隊から。今西の頭はいつだって単純だからな」 来島が言うと今西は軽く鼻で笑った。 それを見て来島も軽く笑った。 「さぁ、いざやる時よ。やれっか?」 「おー」 「声ちーせーよなー。やれっかって?な?」 「しゃぁー」 「よし、ならやるか」 そう言うと今西は来島に目をやった。 「なんだよ」 「お前がここから部隊仕切ってくれや。」 「は?俺が?」 「経験はお前の方があるだろ。今までこんな感じの強硬策経験あんだろ?」 「ふざけんなや笑」 「任せれるか?」 「それは俺を認めたって訳だよな?」 「好きに思っとけや笑」 今西が言うと来島は防弾チョッキをつけ始めた。 「お前ら何ボーッとしてんだよ。さっさとやるぞ。」 そう言うと来島は静かに食堂を見つめた。
ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ 第21話
主要登場人物一覧 嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託) 耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士 冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官 今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官 藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士 関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士 幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士 菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官 泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官 鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監 階級 隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監 ……………………………………………………………… 「お呼びでしょうか?」 伊村に呼び出され、正随緋斗 隊士長は警務隊 刑事課 第1小隊長室にいた。 「君がたまたま、当直て残ってくれていて安心したよ」 そう言うと伊村は正随の肩を軽く叩いた。 「嶹津の件ですか?」 「ほぉー?というのは?」 「十条で今、彼が立てこもっていると。陸衛中央連隊が撤退したと先程、情報を掴みまして、」 「その通りだ。流石。じゃあ私が言いたいのは分かるよな?」 「嶹津の確保。十条駐屯地への派遣ですね?」 「その通りだ。我が小隊が担当することになった。」 「小隊だけで務まりますかね?」 正随が聞くと伊村は正随の耳に顔を近づけた。 「務まりますか?じゃなくて務めんだよ。な?わかるよな?」 「はい。」 「小隊の指揮官に君を指名したいと思う」 「はい?」 「小隊の指揮官だ。現場指揮官だよ。私は本隊で指示を出すが、ま、これは建前だ。1度、君一人だで何か事案を対処して欲しいなと考えている。」 「なるほど」 「目標はたった一つ、嶹津の確保だ。どうだ?やれそうだろ?」 「確保した後、どうされるおつもりですか?」 「その答え、重要か?今」 「気になります。」 「もっと素直になろうぜ。なー。とにかく捕まえてくれたらそこからだから。な?わかったか?」 「わかりました」 そう言うと正随は軽く一礼した。 「正随」 「はい」 「必ず成功させてくれ。」 「お任せ下さい」 そう言うと正随はそのまま部屋を後にした。 午前5時 正随によって集められた小隊員30名を目の前に正随は言葉を発した。 「階級は関係ない。この俺が今回この小隊の指揮をとることになった。元警衛官が現役 警衛官を人質に駐屯地に立て篭る。前代未聞なのは言わなくても分かると思う。これまでの歴史。自衛隊時代を含めても稀に見る不食事だ。この事案の首謀者は嶹津 舜。公安科所属の元警衛官だ。最大目標は嶹津の確保。伊村 小隊長からの伝言だ。以上何か質問あるものは?」 「何も無さそうだな」 横にいた小隊管理官 貴内伸介 1等隊尉に言われ正随は軽く頷いた。 「なら、このままいきますか」 正随が言うと貴内はその場に立ち上がった。 「この中には、なぜ隊士長の分際で指揮官なんだとか、そういうのを思ってる者もいると思う。だがそんな事は今どうでもいい。指揮官からの命令に従う。それまでだ」 貴内が言うと正随は軽く鼻で笑った。 「私の実力ですよ。それに尽きるでしょ」 「おい、正随。やめろ」 貴内が小声で言うと、前の席に座っていた1人の隊員が机を叩きながらその場に立ち上がった。 それを見て貴内はすかさず、その隊員に座るよう促した。 だがその隊員はそれを無視すると正随を睨みつけた。 「俺はな、48で1等士官だ。この小隊で班長をやってる。お前がこの小隊に来た時、俺の班員だったの覚えてるか?」 「遠い昔の話。今聞く必要ありますかね?」 正随が言うと隊員はその場で机を蹴り飛ばした。 「おい、正随もお前も落ち着かんか、な?」 貴内が言うと正随はゆっくりとその隊員のもとに向かった。 「ここで俺を殺せば指揮官はあんたか、貴内 1尉か。どっちかになるだろうな?年齢から見ても階級、歴の長さから見ても妥当だろ。そんなに指揮官したいんならこの場で俺を殺したらどうです?」 「お、おい」 貴内の言葉を横耳に正随は軽く鼻で笑った。 それを見て隊員は握りこぶしを作りながら自分の席に戻った。 「貴内さん。お騒がせしました。どうやら、終わったみたいです」 「もっとこう、平和にお前は出来んのか?なー」 「すいません笑」 そう言いながら正随は腕時計に目を落とした。 「0600から作戦を決行する。作戦内容は既に渡してある資料を参考にしてもらいたい。作戦について質問がある者は作戦決行時刻までに申告してくるように」 そう言うと正随は貴内に軽く一礼しそのまま部屋を後にした。 「以上で解散だ」 そう言うと貴内はそそくさと部屋から出て行った。 「正随」 貴内に呼び止められ正随はその場で足を止めた。 「なんです?」 「お前、もっとさあのー、言い方とかそういうのわかんねーのか?現場に溝を作ってどうする?そういうところだぞ?そういう所、直さねーと指揮官なんかなれねーよ」 そう言いながら貴内は近くの自動販売機で缶コーヒーを買った。 「私は指揮官なんて興味ないんですよ。別に」 「は?」 「私は、ただ警務隊に興味があっただけ。いや、この組織を浄化する事に興味があっただけなんです」 「浄化することに興味、だと?」 貴内が言うと正随は軽く咳払いをした。 「10年前、民家に警衛隊機が墜落した事件あったの覚えてますか?」 「あったな、そういや。マスコミ対応に追われてたよ。俺は。」 「マスコミ対応、ですか?」 「あの時、俺は、幕僚官房室で報道官補佐官をしていた。」 「あの墜落した民家、俺の家だったんです。」 「そ、そうだったのか、」 「今でも覚えてますよ。帰ってきたら家が炎上してるんだから。早上がりでパート先から帰ってきた母親が犠牲になった。親父はまだ帰ってきてなかったら助かったけど。あの時、警衛隊は墜落した機体を搭乗し殉職した操縦役の航空科隊員2名、乗務員役隊員4名の実名を発表した。その操縦役隊員の1人に俺の兄貴がいたんです。」 「操縦役隊員にか、」 「警衛隊は前夜の飲酒が原因での飲酒操縦で墜落したと、でも本当は違ったんです。」 「違ったというのは?」 「いつでも俺が持ってる物です。これ」 そう言うと正随はポケットから1枚の紙を取り出した。 「これは、」 紙を受け取りながら貴内は軽く呟いた。 「手紙です。死ぬ数日前に、兄貴から送られた手紙です。極秘での訓練が水面下で行われていたそうです。その訓練に兄貴は選ばれたって。」 「極秘訓練?」 「やっぱり知らされてないんすね。システム異常が検知された時を想定しての操縦練習だそうで、俺の家の近くに航空科の無回転翼機の練習場があったんですけど、そこに着陸するのが最終目標だったぽいです。普通に考えて、飲酒で片付けるのは話が違うでしょ。これの報道のせいでネットで叩かれるに叩かれまくって、俺の父親は失踪したんです。1家バラバラっすよ笑」 そう言いながら正随は軽く笑いだした。 「秘密とか、そういうのまじで卑怯だなって。それってただの隠蔽でしょ?この隠蔽体質のあるこの組織を俺は変えるために入隊したんですよ。だから指揮官なんて興味無いんすよ。それに公安科はまさにその隠蔽体質を身にまとった悪魔の部隊だ。それを潰すのが今の俺の使命だと考えてます」 「そ、そうだったのか、」 貴内が言うと正随はゆっくりと歩き出した。
ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ 第20話
主要登場人物一覧 嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託) 耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士 冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官 今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官 藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士 関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士 幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士 菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官 泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官 鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監 階級 隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監 ……………………………………………………………… 「戻ったぞー」 陸上科 部隊統括事務室に着くなり、森は大声を出した。 「お疲れ様です。それでどんな話だったんですか?」 近くにいた陸上科 部隊統括 幹部補佐の清水 1等幹士に聞かれ、森は軽く頷いた。 「奥木がさ、なんか、妙なこと言っててよくわかんねーけど、とりあえず現隊(現場にいる部隊)に入電(連絡)して、野島の動向を把握しろってなって」 「野島さんをですか?」 「そうそうそう。奥木がなんか訳分かんねーこと言ってたからさ。ま、一応な?多分そんなのねーと思うけど」 そう言いながら森は軽く欠伸をした。 「わかりました」 そう言うと清水は受話器を取った。 「あ、誰か出たら変わってくれ」 森に言われ清水は軽く返事した。 数秒後、1人の隊員が出た。 「はい。」 「部隊統括の森だ。野島は今何してる?なんなら変わって欲しくてな。」 「野島さんですか?」 「そうだ。」 「いや、野島さんなら既に食堂に単身で突入されまして、あとから、野島さん本人から無線で、部隊はそのまま待機との指示が」 「単身で突入?指揮官でもない野郎が勝手に何してんだ。すぐに指揮官に言って呼び戻せ。指揮官は誰だっけ?」 そう言いながら森はiPadを起動させた。 「菅原さんですね」 清水が言うと森は軽く頷きながら声を出した。 「菅原か。すぐに言ってこい」 「え?いや、その、菅原さんは人質になって、それを本部に連絡したら、俺が現場指揮官になったって、野島さんが」 「あ?何言ってんだ?」 森が言うと清水は森に目をやった。 それを見て森はスピーカーにし受話器をその場に置いた。 「菅原が人質?野島が指揮官?何も情報来てねーぞ?本部に。現場が何勝手に動いてんだ?なー」 森が怒鳴ると清水は軽く森を落ち着かせそのまま声を出した。 「多分だけど、野島の独断で今、物事が進んでる。一旦、連隊の指揮権はこちらが握らせてもらう。わかったか?」 「わ、わかりました」 「部隊はそのまま待機だ。電話も繋いだままで」 そう言いながら清水はその場に立ち上がった。 「野島、暴走してますね」 清水に言われ森は軽く机を叩いた。 「あの、クソ野郎が。何してくれてんだよ。」 「どうしますか?このままもし、何かあれば、」 清水が言うと森は軽く頷いた。 「俺の管理責任が問われるな。」 「そ、そこですか?」 「他に何がある?」 「いや、なんて言うか、その死傷者が出ればっていうか、」 「んなのどうでもいいんだ。」 「どうでもいいって笑」 「とにかく、陸衛はこのまま撤退させる。連隊長には事後報告を入れといてくれ」 「わかりました。」 「それと、お前。直接、あいつらを連れ戻してこい。多分、何人か反抗するだろ。馬鹿みたいな正義感で動く連中がいるからな。」 「わかりました」 「そういう奴らが輪を乱すんだ」 「じゃあ、向かいますね」 清水が言うと森は無線機を手に取った。 「01こちら00.本作戦による部隊展開を中止。繰り返す。本作戦による部隊展開を中止。よって、部隊は帰隊報告を実施せよ。なお、撤退報告は本隊から連隊長に事後で入れる。」 森から無線を受け、隊員たちは軽く目を合わせた。 「今なんて言った?」 「え、撤収でしょ?」 「ここでか?俺たちが撤退すればどうなるんだよ。」 「特殊科でも出すんじゃないんですか?」 「まぁ無理も無いか、菅原さんは人質になっていないし、小鹿島さんもまだ病院だっけか?それに、あの人の事もあるからな」 そう言うと1人の隊員は食堂に目をやった。 「野島、さんですか」 「こりゃあ、撤退した方がいいのかもしれんな」 隊員らが話している中、別働隊は、食堂のすぐ真横に設置されていた作戦本部で待機していた。 「なぁー」 「はい?」 冴浪に声をかけられ夢丸は後ろを振り返った。 「嶹津を生け捕りで連れ戻すってのが最大目標だろ?」 「そうですね。はい」 「無理ってわかんねーのかな?上は」 「無理?というのは、」 「は?いや、お前わかるだろ?洗脳されちまったあいつを連れ戻すなんて無理難題すぎんだろ。あいつ、頭いかれちまってんの。頭が」 冴浪が怒鳴ると横にいた高梨が軽く止めに入った。 「落ち着けって」 「わりー、」 「ま、でも冴浪がキレたい気持ちもわかるよ。俺たちが追ってきた獲物、あいつに横取りされたようなもんだからな。もう明徳教の情報が俺たちに降りてくることは無い。」 高梨が言うと夢丸は高梨に目をやった。 「つまり、嶹津はどうなるんですか?」 「どうなるって、そりゃあ」 高梨が言うと今西が口を開けた。 「殺す他ねーよな。あいつを止めるには息の根を止めるしかないんだから。」 「え?ちょっとそれは行き過ぎでしょ。さすがに。息の根を止めるって」 夢丸が言うと冴浪は近くの机を蹴飛ばし夢丸の胸ぐらを掴んだ。 「仲良い同期たちで仲良しごっこか?あ?迷惑なんだよ。そういうの。こっちがどれだけ迷惑されてんのか、わかって言ってんのか?な?おい」 「だから落ち着けって。」 高梨は冴浪を羽交い締めにしながら叫んだ。 「うるせーな。グダグダ。」 そう言いながら1人の男がテントの中に入ってきた。 「来島、」 今西が呟くと冴浪は夢丸の胸ぐらから手を離した。 「あいつを潜入させたのは俺だ。責任を問われるなら俺が問われる。あいつを無理やり潜入させたのは俺だ。」 来島は近くの椅子に腰かけると軽くため息を吐いた。 「こうなるとは思ってなかったよな。俺の出世もここまでって訳だ。あの野郎、最後までクソ野郎で終わるんだな。」 来島が言うと冴浪は軽く深呼吸をしながらその場に腰かけた。 「千景に言われてここに来た。ケジメつけて来いって。あの野郎、言葉だけはかっこいいよな笑」 「お前、わかってんだろうな?」 今西に言われ来島はその場に立ち上がった。 「お前の指揮下ってのはわかってるよ。好きに使ってくれや」 そう言うと来島は軽く笑った。
ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ 第19話
主要登場人物一覧 嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託) 耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士 冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官 今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官 藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士 関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士 幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士 菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官 泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官 鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監 階級 隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監 ……………………………………………………………… 「野島を?誰が判断を下したんだ?」 「いや、そこまでは分からないですね」 十条駐屯地に野島を派遣したことについて、隊員から情報を聞きつけるなり奥木は軽く唾を飲み込んだ。 「あ、あの、何かあるんですか?その野島 2等将士」 「これを見ろ」 そう言うと奥木は1枚の紙を机の上に置いた。 「警務隊からの動向調査、ですか」 「そうだ。詳しい理由はわからんが、あいつには今、警務隊からの動向調査が入ってる。動向調査が入ってるやつが部隊の指揮をしてるとなると大問題になる。行政人事院が動く可能性もある。」 「行政人事院、ですか」 「あいつらが動けば何人か首が飛ぶだろうな。お前も例外じゃねーぞ?」 「え?俺もすか?」 「当たり前だろ。少なくとも幕僚官房室に監査が入る。んで何人かクビだ。それが嫌なら、すぐに止めてこい。」 そう言うと奥木はその場に立ち上がった。 「まだ間に合うんですかね」 「突入、発砲などの命令が出てない限り、間に合う。何か部隊が行動を起こす前に動くんだ。」 「わ、わかりました」 そう言うと隊員は一目散に部屋から出て行った。 それを見て奥木はスマホを片耳に近づけた。 連絡を入れたのは、警務隊にいる幹部候補生時代の同期だった。 「あ、まだ起きてたか?」 奥木が言うと電話の向こう先で欠伸が聞こえてきた。 「なんだよ、何時だと思ってんだよ。」 「こっちは起きてんだよ。まだ」 「あー、そうか。十条の、だっけか?」 「そうそう。」 「何の用だよ。こっちは、朝早いんだよ。」 「悪いな。起こして。野島知ってるか?野島秀二 2等将士だ」 「知ってるも何も、今、動向調査中だぜ?あいつは。首席監察部の仕切りだから俺、刑事課だし、詳しい情報は知らねーけど」 「あー詳細知らねーのか」 「なんだよ?なんかあったのか?そいつが」 「いや、ちょっと気になって。なんで動向調査受けてんのかなって」 「あー、野島の動向調査、元々、刑事課と首席監察部の合同だったんだ」 「合同?」 「おん。きっかけはある電話でな。陸衛中央連隊の物資の一部を横流ししてるって、匿名の電話がかかってきたんだよ。警務隊本部宛に」 「横流し?」 「おん。そんで調べてたら何個か横流しを受けている組織がわかったんだけど、そこで何故か、首席監察部の野郎がしゃしゃり出てきて、俺らそこでおさらばだよ。まじふざけとるよな?あいつら」 「その組織って、」 「ん?」 「明徳教とか入ってたんか?」 「あー。候補には入ってたな。ま、確実じゃねーけどな。」 「入ってたんか、」 「あーそれとあいつもいたわ。陸衛なら。動向調査中の奴な?〇〇もな」 男から出た名前に奥木は軽く目を見開いた。 「〇〇はなんで動向調査対象に?」 「そいつの親族が明徳教を逃亡中の教団幹部でな。もしものために、動向調査対象に入ってる。」 「そ、そうなのか」 「で?話ってそれだけか?」 「助かったよ。じゃあな。ゆっくり寝ろよ」 そう言い電話を切ると奥木は上着を羽織りながらその場に立ち上がった。 数分後 奥木に呼び出され、幹部候補生時代の同期で今は、陸上科の部隊統括幹部を務める 森 2等将士を部屋に呼びつけた。 「どうした?いきなり話があるって。」 そう言いながら森はソファーに腰かけた。 「悪いな。いきなり呼び付けて。」 「何言ってんだよ笑 慣れたもんだよ笑 陸上科なんて呼び出しばっかだからな。休日返上当たり前。労基聞かねーってこんなに辛いんだな。身に染みてるよ、今 笑」 「そうか笑」 「で?話ってのは?」 「今、十条に陸衛中央連隊がいるだろ?」 「あー。そうだな。それの本部指揮官で今俺、当直入ってんだよ。」 「そうなんか。まぁそれで、今、部隊の指揮って誰がとってるのかわかってるか?」 「野島だろ?」 「んだよ。お前知ってんのか?」 「何だよ。急に」 「あいつが今、動向調査受けてるのわかってて、指揮官させてんのか?」 「あいつ、指揮官じゃねーぜ?動向調査受けてるのは知ってるからな。明徳教への装備品横流し疑惑だろ?」 「は?」 「現場指揮官は菅原のままだぜ?」 「野島は?」 「あいつは、元々、一般隊員という位置づけで派遣されてるよ。」 「菅原も動向調査を受けてるのは知ってるか?」 「菅原が?初耳だぞ?」 そう言うと森は軽く体勢を起こした。 「調べたら、彼の兄が明徳教から逃亡中の教団幹部 菅原 実弥だった」 そう言うと奥木は1枚の紙を机の上に出した。 「まじかよ、」 森が呟くと奥木は軽く唾を飲み込んだ。 「ここからは俺の予想だが、」 「待てよ。お前の言いたいことはわかるぜ?あれだろ?野島が菅原を殺すんじゃねーかって言いたいんだろ?」 「珍しく、頭働いてるな笑」 「やかましいわ。あいつただの横流し疑惑だぜ?ましてや、教団関係者じゃないんだしよ、そんなのねーだろ」 「なんで教団関係者じゃないってわかるんだ?」 「え?いや、そんなのすぐに分かるもんだろ?警務隊とか公安とか、そういうの調べるの馬鹿みたいに得意な奴がゴロゴロいんだろ?この組織は」 「まぁそうかもだけど、」 「一応、こっちでやっとくけど、まぁホンマにもしもな?その殺人とか起きれば、そろそろ人事院が入ってくるだろうな。無法地帯化してんだろ?ここ最近」 「だよな、」 「何人の首が飛ぶか楽しみだな笑」 そう言いながら森は部屋を後にした。 同じ頃 十条駐屯地 食堂前では何も動きがないまま部隊は待機していた。 「そうか。わかった。」 電話を切ると野島は軽くため息を吐きながら食堂を見つめた。 「何か動きでもあったんか?」 1人の隊員に聞かれ野島は軽く笑った。 「なんもねーよ。とりあえず菅原の救出で早急に決着つけるしか無さそうだな」 そう言うと野島は後ろを振り返り隊員達に目をやった。 「これより、食堂に突入を開始する。目標はただ一つ、菅原 1尉の救出だ。以上、準備に取り掛かれ」 野島が怒鳴ると陸衛中央連隊員らは一斉に突入に向け準備を始めた。 「俺たちは裏に回るぞ。奴らよりも先に嶹津を確保するんだ。絶対に渡すな」 今西が言うと別働隊員らは食堂の裏口に向け動き出した。 「な、動き出したろ笑 あいつら」 そう呟くと野島は食堂の窓を蹴り割った。 「え?ちょ、お前何してんだよ」 隊員の制止を振り切り野島はそのまま食堂の中に入っていった。 「ちょ、マジかよ。」 野島の言動を見て陸衛中央連隊員らは互いに目を合わせながら戸惑い始めた。
ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ 第18話
主要登場人物一覧 嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託) 耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士 冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官 今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官 藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士 関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士 幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士 菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官 泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官 鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監 階級 隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監 ……………………………………………………………… 食堂近くにたどり着くと既に、多くの隊員によってその男は包囲されていた。 「ゆっくりとこっち向け」 そう言うと菅原はゆっくりと足を進めた。 「菅原さん、危険です」 小鹿島が声をかけると菅原は軽くそれを制止した。 「1歩でも無視して動いてみろ。命はないからな?後ろを振り向け。」 菅原が怒鳴ると男はゆっくりと後ろを振り向いた。 「黒須真、」 小鹿島が呟くと菅原は軽くため息を吐いた。 「そのまま確保、」 菅原が言うと隊員達はそのまま黒須真を取り押さえ歩き出した。 「まずは一人確保ですね」 小鹿島が言うと菅原は軽く口を鳴らした。 「嶹津は?嶹津を早く見つけ出せって言ってんだろ」 そう怒鳴るなり菅原は近くの看板を軽く蹴り上げた。 「俺を探してんのはあんたか?見た事ねー面してるけど」 後ろから声をかけられ菅原は軽く固まった。 「そのままずっと前向いたまま食堂の中に入れよ。」 「嶹津か?」 「そうだよ。お目当ての嶹津様だ。ほら、早く進めよ」 「おら、そこのお前もだ、中に入れよ」 そう怒鳴ると嶹津は小鹿島に銃口を向けた。 「くそが、舐めてんじゃねーよ」 そう叫ぶと小鹿島は嶹津に拳銃を向けた。 だが嶹津はすぐに小鹿島の足元に発砲した。 「お前も言う事聞かなかったらこうなるぜ?わかってるよな?」 「わかった。わかったから。食堂に行くから」 菅原が言うと嶹津は軽く笑いながら食堂に誘導した。 「くそが、」 小鹿島は肩元につけていた無線機を手に取ると足を抑えながら無線を入れた。 「食堂で立てこもりだ。菅原さんを人質に嶹津が立て篭った。すぐに、集まってきてくれ」 小鹿島が言うと無線を聞き付けた隊員達は慌てるようにして食堂に向かった。 「お、おいあいつら、陸衛の連中じゃねーか?」 黒須真と共に歩いて来た隊員たちを見て今西が呟いた。 「何かあったんすかね。慌ただしいすけど」 栗坂が呟いた。 「ついて行くか、」 今西が呟くと横にいた藤浦はスマホを手に持った。 「来島に連絡してから俺も合流する。だから先に行っといてくれ」 藤浦に言われ今西は軽く頷くとそのまま食堂に向かって歩き出した。 その頃 来島は警衛庁 第1庁舎 公安科フロア内に設置されている作戦本部で休息をとっていた。 「大丈夫ですか?」 ソファーで眠たそうにする来島を見て1人の隊員が声をかけた。 「まじで何連勤だ?ブラックすぎるだろ。こちとら何日寝てないと思ってんだよ。まじで、今誰に話しかけられても腹立つんだよな。」 そう言うと来島は隊員を睨みつけた。 「え?俺すか?なんすか?」 「話聞いとったろ?だから、腹立つんだって。てめぇーの顔見てたら。あ?」 来島がその場に立ち上がるとスマホが鳴った。 「あ?藤浦か、こんなクソ眠たい時に」 そう言いながら来島はスマホを片耳に近づけた。 「なんだ?しょうもねー事だったらどうなるか分かってんだよな?」 来島が怒鳴ると藤浦は軽く笑った。 「なんだ?眠たいのか?」 「要件、早く言えって」 「陸衛が動いたぞ」 「あ?陸衛が?」 「見た感じ、黒須真は確保されたっぽいな。んで、なんか無線で数人の隊員が動いてた。」 「嶹津を見つけたのか?」 「かもしれねーな。有り得る話だろ?どうだ?しょうもなかったか?」 「80点ってところだな」 そう言いながら来島は上着を羽織った。 「すぐに現場に向かう。」 「いや、それはいいや。お前そのままそこで残ってろよ。」 「あ?なんでだよ」 「いや、お前、今西から嫌われてんじゃん笑 今、現場仕切ってるの今西だからよ。」 「んな事知るかよ。一応、お前補佐だからな?管理官は今西で」 「んなのな、上が勝手に決めたことなんだよ。階級だけを理由にな。」 「そうかもしんねーけど笑 決まったことは決まったことだからな?笑」 「うるせーよ。千景の野郎もいねーしよ。お前らそのまま勝手に動くこと許さねーからな?」 「え?千景さんどこに行ったんだよ?」 「家に帰ったよ。風呂入って今頃、寝てるだろうな。あいつそもそも当直とか入んねーだろ?階級とかで」 「あー、1等幹士なったら泊まり勤務無くなるもんな。」 「とにかく、今西がやらかしたら直ぐに俺に連絡しろ。わかったな?」 「おけ」 電話を切ると藤浦はそのまま食堂に向かって走り出した。 同じ頃、食堂前には武装した多くの警衛官が集まっていた。 被弾した小鹿島は陸衛中央連隊 衛生小隊 第1班の隊員らによって、衛生科 第2指揮本部が駐屯する立川駐屯地へと移送されていた。 「嶹津の野郎、どこまで暴走する気なんだよ。潜入たってここまでする必要あっか?」 今西が呟いた。 「多分、あいつはもう変わったんですよ。もうあいつの中で潜入という2文字は無いんだと、」 耀阪が言うと今西は耀阪に目をやった。 「どういうことだ?」 「俺にはわかるんです。あいつは、もう俺らが知ってるあいつじゃないって。」 耀阪の言葉に佐塚は軽く頷いた。 「あの野郎、本気で明徳に入る気か?」 今西が言った時、食堂の中から1発の発砲音が聞こえた。 「あの野郎、撃ったのか?」 今西が言うと陸衛中央連隊員らは一斉に銃を構えた。 「待て、待て、まだ構えんな」 そう叫ぶと1人の男が今西のもとにやってきた。 「あんたら公安か?」 男に聞かれ今西は男を睨みつけた。 「あ?なんだ?お前」 「おー笑 血気盛んだな。そんな怖い怖い顔して、あ?」 そう言いながら男は今西を軽く突き飛ばした。 「何、突き飛ばしてくれてんだ?おら」 今西が怒鳴ると近くにいた高梨と冴浪が止めに入った。 「陸衛中央連隊 本部大隊 管理官の野島 2等将士だ。待機中のところ呼ばれてここに来た。今のは軽い挨拶だと思ってくれや笑」 そう言うと野島はガムを口に入れた。 「こっちは、そんな、すぐに制圧とか突入とか。単純なことはしねーんだよ。」 野島が呟くと今西は冴浪に目をやった。 「いや、俺見られても、さぁー」 冴浪が言うと野島は軽く首を回しながら食堂を睨んだ。
ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ 第17話
主要登場人物一覧 嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託) 耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士 冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官 今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官 藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士 関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士 幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士 菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官 泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官 鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監 階級 隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監 ……………………………………………………………… 「そうか、やっぱりバレてたんだな。あの音は」 そう言いながら千景はコーヒーを1口飲んだ。 「やっぱり、あの陸衛の野郎、なにか企んでるのは間違いなかったな」 来島が言うと千景は軽く頷いた。 「潜入を警務隊にでもリークしようとしてたんだろ?どうせ。陸衛の指揮官は若手幹部だからな。点数稼ぐのに必死な時だよ。今は」 「お前もやってたのか?」 「やってたように見えるか?」 「いやぁー笑 」 「やってねーよ。だからこの年齢でまだこの階級でこの役職止まりなんだよ。」 そう言うと千景は軽く欠伸をしながらその場に立ち上がった。 「とにかく、嶹津を確保させるな。嶹津を取られたら何を喋るかわからんからな。あいつは。」 「駐屯地襲撃が成功しそのまま逃げてくれるのが1番だよな。潜入も成功するからな」 来島が言うと千景は軽く頷いた。 「別働隊は全滅なんだろ?でも」 「いや、栗坂、今西、松石、佐塚、夢丸はまだ動けるそうだ。他の連中はもう動けねーとよ」 「そうか、」 その頃、十条駐屯地では、菅原からの命令を受け武装した陸衛中央連隊の隊員らは黒須真と嶹津の捜索を始めていた。 それを見て、別働隊メンバーらは独自に捜索を嶹津らの開始していた。 「やべーな。嶹津をさっさと見つけねーと」 栗坂が言うと今西は周囲に目をやった。 「襲撃は一旦、保留なのか?」 「みたいですね。この感じ。」 夢丸が言ったその時、奥の武器庫から黒煙が目に入った。 「あれ、まさか」 松石が呟いた。 「武器庫が放火された。武器庫に到達されたってことか。早くしねーと」 そう言うと佐塚はその場から走り出した。 「おい、そっから動くな」 突然、後ろからそう怒鳴られ夢丸達はその場で軽く手を上げた。 「この声、嶹津か」 今西が呟くと嶹津はゆっくりと笑った。 「俺だよ。」 「周囲には誰もいないみたいっすね」 栗坂が小声で言うと今西は声を張り上げた。 「おい、嶹津。何してんだ?お前。武器庫やったのはお前か?」 「俺だよ。お前らをおびき出すための手段だよ。見事に引っかかったな笑」 嶹津が言うと今西はすかさず拳銃を構えた。 「ちょ、ちょっと」 栗坂が止めに入ると今西はそれを制止した。 「栗坂、冷静になって考えてみろ。もうこいつは頭が汚染されてんだよ。俺たちが知ってる前の嶹津じゃもうねーんだよ」 今西が言うと嶹津は後ろで手に持っていた拳銃、静かに前に出すとそのまま目の前にいた今西の足に向け発砲しそのまま走り出した。 「大丈夫ですか?」 隊員達はすぐに今西に駆け寄った。 「俺のことはいいから、さっさとあいつを追えよ。早く」 今西に怒鳴られ隊員達は嶹津の行方を追った。 「栗坂、聞こえなかったか?」 今西の足を止血する栗坂に今西は声をかけた。 「誰かがやらないとあなた死にますよ?黙っててください」 「そ、そうか。にしても、嶹津の野郎変わっちまったよな。」 「性格はあんまり変わってないですけどね笑」 「潜入どころじゃねーよな。あそこまで行けば」 「すぐに取り押さえないと、最悪の事態も起きる可能性が、」 「最悪の事態か、」 「陸衛の奴らが何か企んでるのは知ってますか?」 「何となくな。詳しい事はわからんが」 そう言いながら今西は軽く咳払いをした。 「多分、あいつら、潜入の事を公にする気なんすよ。」 「公にして得すんのかよ。」 「あの、菅原って奴。警務隊への職種変換を狙ってるらしいっすよ。」 「警務隊への変換、」 「手っ取り早く上級幹部になろうと思ったら、警務隊での経験が重要になってくるらしいすからね」 「なら、余計に気をつけねーとな」 そう言いながら今西は軽く欠伸をした。 その頃 菅原は隊員陸衛中央連隊員らと共に駐屯地の捜索を行っていた。 しばらく捜索を続けていると、西門近くにある食堂付近で不審な人影を発見したと無線が入ってきた。 「そのままそこから離れるな。」 無線を入れると菅原はその場から走り出した。 「ちょっと待ってください」 小鹿島に声をかけられ菅原はその場で足を止めた。 「なんだ?」 「いや、その。このままもし嶹津だとして、確保したらどうするんですか?」 「事情聴取だ。潜入の件。全て吐いてもらう。そんで公安科がやってきたこれまでの規律違反も全てだ。明るみに出してやるんだ」 「でも、それをしたら明徳教への潜入は失敗。明徳教を含む反政府勢力は、ますます、警衛隊に対して警戒心を強めることになると思います。そうなると、警衛隊としてやるべき事ができなくなる恐れがあるのではと、」 「今までまともにこの組織が何かやってきたか?やるべき事を。俺は、この不祥事を明るみに出すことが最優先だと思ってる。俺に物申すにはまだ早い。黙ってついてこい」 そう言うと菅原はその場から走り出した。 同じ頃 警衛庁では、公安科フロアのロビーに来島と千景がいた。 「状況報告もまともに入れることできないのか?あいつらは」 無線機に目をやりながら呟く来島を見て千景は軽く笑った。 「ま、言ってなかったからな。入れろとは」 「常識だろ。つか、あの件はどうなったんだ?うちの科から部隊を出すって話は?」 「あー。まだあれは空想の段階だよ。それに、多分通らなさそうな気がするな。」 「なんで?」 「理由が思いつかんからな。幕僚官房室を納得させる必要があるからな。部隊を出すにはそれなりの手順を踏まないと、これ以上、何かやらかすといよいよ、科の存続が危ぶまれる事態になるからな」 そう言うと千景はその場に立ち上がった。
ULTIMATE〜E.O.D 不発の憎しみ 第16話
主要登場人物一覧 嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託) 耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士 冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官 今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官 藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士 関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士 幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士 菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官 泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官 鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監 階級 隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監 ……………………………………………………………… 「ねみーな」 吉瀬は時折、欠伸をしながら駐屯地の周りを巡回していた。 「な?聞いたか、本隊(警衛庁)の受付嬢のさ、美咲ちゃんいんじゃん?」 共に巡回していた冴浪に言われ吉瀬は軽く頷いた。 「告ったけど俺のこと振りやがった奴だよな。あのボディーラインとか全てがまじで完璧なんだよな笑」 「キモイな。まぁいいわ。そんでさ、美咲ちゃん、愛人疑惑あるの知ってるか?」 「愛人疑惑?」 「そうそう。そんでさその相手、俺わかっちゃったんよなー」 「え?相手?誰?誰?」 「知りたい?笑」 「あったりめーだろ。早く教えろや」 吉瀬が怒鳴った時、1本の無線が入ってきた。関口からだった。 「吉瀬、聞こえるか?俺だ」 「あ?関口か?今いいところだったんだけど。何?」 「巡回中にいい所とかあるかよ。んな事より、東門に向かってくれ。センサーが反応してるんだ?」 「センサー?」 「そうそう。対人センサーだよ。」 「あー23時以降に設置されるってやつか。わかった。見に行ってくるよ」 吉瀬が言うと同時に冴浪はその場から走り出した。 「は?お前、おい教えろって。愛人をよー。な?おい」 吉瀬はそう叫びながら冴浪を追いかけた。 しばらく走っていくと、吉瀬は冴浪が東門の前で立ち尽くしている姿があった。 「おい、冴浪、お前さそこまで言って走るとかズルいって」 そう言いながら吉瀬は軽く速度を落としながら走った。 次の瞬間、冴浪が東門の先にいた黒須真に銃口を向けられてるのが目に入った。 「ま、まじかよ。」 吉瀬が呟くと冴浪は手を上げながら言った。 「見たらわかるだろ?ちょっとやばい状況よな。これは」 「いや、まじのヤバいやつじゃん」 そう言い吉瀬は無線機に手を触れた。 それを見るなりすかさず嶹津は吉瀬の足に向け発砲した。 「いってぇ、」 その場に倒れると吉瀬は嶹津を睨みつけた。 「おい、いてーだろ。な?」 「うるせー。そのまま何も動かず立ってろ」 嶹津に怒鳴られ吉瀬は冴浪に目をやった。 「吉瀬、落ち着くんだ。わかってるだろ?カッとすんなよ。」 冴浪が言うと黒須真はニヤリと笑いながら嶹津に目をやった。 「んだよ。おっさん。こっち見んなや」 嶹津が言うと黒須真はそのまま嶹津に銃口を向け直した。 「あ?おっさん。俺に何してるかわかってんのか?」 嶹津が怒鳴ると黒須真は鼻で笑った。 「お前、こいつらの仲間だろ?」 「あ?」 「潜入だな?警衛隊が何やってんだよ。ショックだよ。まさか君が潜入だったなんて。君、逸材になれると思ったのに」 「やべー、バレてんじゃん」 吉瀬が呟くと銃声を聞きつけ走ってきた耀阪ら別働隊メンバーらは嶹津に向け銃を構えた。 「おーなんだ、なんだ、仲間割れか?」 黒須真が怒鳴ると耀阪は藤浦に目をやった。 「どういう事だ?」 藤浦が聞くと黒須真は声を荒らげた。 「仲間なんだろ?こいつと。」 「仲間?何言ってるんだよ。こいつが仲間な訳ねーだろ?」 藤浦が言う後ろで高梨はすかさず足につけた防刃タイツを静かに見せた。 それを見て嶹津は黒須真を押しのけ、別働隊メンバーらに向け発砲を始めた。 「んな馬鹿な事言うんだったらあんたも殺すぞ?」 「ほぉー笑 そうか、そうか。」 そう言うと黒須真は監視カメラに向け発砲しそのまま駐屯地内に入っていった。 「おい、お前、バックアップだ。さっさとやれや」 黒須真に言われ嶹津は乱射を始めた。 その頃、待機していた菅原のもとに1人の隊員が走ってきた。 「失礼します。東門にて別働隊が不審者と交戦。そのまま不審者が駐屯地内に侵入したとの事です。以上、別働隊から上がってきた情報です」 「ついに来たか、」 菅原が呟くと陸衛中央連隊メンバーらはその場に立ち上がった。 「総員、そのまま臨戦態勢に。あくまで狙うのは黒須真本人だ。嶹津は制圧ではなく、生け捕り、怪我ひとつ負わせるな。わかったか?」 「はい」 隊員らが返事すると菅原はスマホを手に取り、警衛庁に設置されてる作戦指揮本部に電話をかけた。 「あ、もしもし。菅原です。先程、入電しました情報によると交戦の後、別働隊が全滅。不審者が駐屯地内に入ってきたとの情報がおりてきました。」 「全滅、というのは?」 奥木に聞かれ菅原は軽く頷いた。 「まだ入電の段階ですので詳細は調査中ですが、恐らくは最悪の事態も想定せねばといったところでは無いかと」 「そうか。」 奥木が言うと菊池が口を開けた。 「そのまま、部隊は東門に向け前進。速やかに黒須真の制圧。これを最大目標にして動くのがベストでしょう」 「いや、嶹津もこの際、制圧しよう。あいつに潜入を任せたのは、大きな誤算だったようだ」 そう言うと来島は持っていたiPadをその場に音を立てながら乱暴に置いた。 「嶹津には内緒で鞄につけている盗聴機能付きの発信機だ。さっき、黒須真に正体がバレていた。ま、咄嗟に藤浦達がカバーしてくれたおかげで、何とかなったが、このまま死なれては洒落にならんからな」 来島が言うと千景が口を開けた。 「公安科としてはこれが総意です。」 千景が言うと鳥島は、軽く咳払いをしながら来島に目をやった。 「そうなんか。幸崎、君も同意見か?さっきから一言も話してないように思えるが、」 「部下の意見を尊重します。私はそれが意見です」 「そうか」 そう言うと鳥島は無線機を手に持った。 「黒須真の他に嶹津も確保だ。潜入は中止。ただちに嶹津をこちら側に戻してこい。やれるか?」 「わかりました。ではそのようにします」 応答すると菅原は軽く目をつぶりながらその場に立ち上がった。 「これより、黒須真、嶹津の2名を確保する。あくまで生け捕り。作戦変更はなし。」 菅原が怒鳴ると隊員らは装備品を装着し部屋から出て行った。 「菅原さん、大丈夫すか?嶹津も確保して。」 小鹿島が聞くと菅原は近くにあったメモ用紙に何かを記入し始めた。 「これを読め」 そう言われ、菅原から渡されたメモ用紙には、こう書かれていた。 盗聴器が近くにつけられてる。それを今から探してくれ 「え、」 小鹿島がつぶやくと菅原は近くにいた陸衛中央連隊 連隊指揮班 隊員らに目をやった。 「あいつらにも伝えろ。そして今すぐに見つけ出すんだ」 菅原に言われ小鹿島は急いで連隊指揮班のもとに向かった。 数分後 小鹿島は菅原に小さな黒の塊のようなものを渡した。 「これか、」 そう呟くと菅原は勢いよく塊を壁に向かって投げつけた。 「よくもこんな汚い真似しやがって」 菅原が呟くと小鹿島は口を開けた。 「誰が、やったんですかね?」 「決まってるだろ。公安の連中だ。俺たちの動向を監視してたんだ。おかしいと思ったんだよ。いきなり、嶹津も確保だって。潜入は中止。あんなに潜入に拘ってたのに、あんなあっさりと決まるなんて。」 「そ、そうですか」 小鹿島が言うと菅原は軽く咳払いをした。 「嶹津は俺たちの手で確保する。確保の後、取り調べを実施、奴に真実を吐かせろ。それしか無い」 「わかりました」 連隊指揮班隊員らが出ていくと小鹿島は菅原に声をかけた。 「あの、どうしてそこま潜入に拘るんですか?確かに、違法行為ですけど、」 「警務隊への恩売だ。俺は、この組織でてっぺんを取るために幹部候補生で入隊してきた。てっぺん取るには、どこかの段階で警務隊を経験する必要がある。ここで俺は1発逆転するんだよ。」 そう言うと菅原はそのまま部屋を後にした。
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主要登場人物一覧 嶹津舜(23)…10代目主人公 警衛庁 3類職員(嘱託) 耀阪榮臣(24)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 夢丸奎大(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 高梨樹李(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 1等隊士 冴浪透也(26)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 佐塚真弥(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 松石海翔(22)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等隊士 吉瀬淳也(27)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 隊士長 来島琉季弥(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官補佐 2等士官 今西遙駕(46)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊 管理官 1等士官 藤浦恭介(45)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 栗坂啓二(38)…警衛庁 公安科 国家危機管理対策部隊 別働隊所属 2等士官 千景将(51)…警衛庁 公安科 統括官兼 別働隊長 1等幹士 関口智也(28)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 河木涼(25)…警衛庁 幕僚官房室 情報保全隊所属 隊士長 奥木奨真(45)…警衛庁 幕僚官房室 理事官 2等将士 幸崎晃平(43)…警衛庁 公安科 科長 3等将士 菊池謙祐(44)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官 2等士官 泉井皓太(43)…警衛庁 幕僚総監付き秘書官2等士官 鳥島信孝(57)…警衛庁 14代目 幕僚総監 階級 隊士候補官→準等隊士→3等隊士→2等隊士→1等隊士→隊士長→隊士官→3等士官→2等士官→1等士官→士官長→3等隊尉→2等隊尉→1等隊尉→衛幹→2等幹士→1等幹士→3等将士→2等将士→1等将士→将補→隊将→幕僚官→幕僚補→副幕僚長→幕僚総監 ……………………………………………………………… 「もう夜か。まだなんも動きないの、不気味すぎるな」 高梨が呟くと冴浪は腕時計に目を落とした。 「もう9時か。ちょっと俺、仮眠取ってくるわ。あのー名前なんだっけ?あの若い奴。ほら、仕切ってる野郎だよ」 吉瀬が言うと松石は菅原に目をやった。 「菅原さんすか?」 松石が聞くと吉瀬は軽く頷いた。 「そうそう。そいつ。そいつに言っといてくれよ。ちょっと眠いから寝てくるって。」 「いや、やばいでしょ。仮眠なんて。まだ誰も寝てないっすよ」 「うるせー。俺がルールなんだよ」 吉瀬が怒鳴ると関口がニヤニヤしながらやってきた。 「よ、吉瀬。暇か?」 「あ?んだよ。お前に暇かって声かけられる筋合いねーぞ?」 「は?意味わかんねーし笑 暇ならちょっと手伝ってくれよ。な?出来んだろ?」 「俺、コンピュータとかそういう系弱いんだよ。」 「そんなのは任せねーよ。いいから。こっち来いって。な?」 「うっせーな。このクソ童貞野郎が」 そう言うと吉瀬はポケットに手を入れながら部屋を後にした。 吉瀬が廊下に出ると関口は部屋のすぐ外で待機していた栗坂に目をやった。 「あ?なんで栗坂さんが?」 吉瀬が聞くと栗坂は口を開けた。 「藤浦さんと今西さんが今、ちょっと呼び出しを受けて、本隊に戻った。ここに戻ってくるまでの間、別働隊の指揮を任された。そこでだ、お前と関口でこの駐屯地の内部調査をして欲しい。関口のそのスキルと吉瀬のその足でだ。足強いだろ?吉瀬」 「内部調査?」 吉瀬が言うと関口が口を開けた。 「この駐屯地のセキュリティー監視をさっき、菅原さんから頼まれた。だから今からそれを我々で行う。これが最初の任務だ。事柄承知みんなに頼んだぞ?」 「後方支援ってやつすか?」 吉瀬が聞くと栗坂はスマホに目をやりながら言った。 「なんだ?不満か?」 「いえ、別に。完全に主導権はあっちって訳っすね。」 「何が言いたい?」 栗坂は吉瀬を睨みつけた。 「いや、別に。関口はなんでここにいるんすか?」 「関口君にも担当してもらうからだ。河木君も加わってもらう」 栗坂が言うと関口は軽く頭を下げた。 「じゃあな」 栗坂が出ていくと吉瀬はその場に腰掛けた。 「なぁー、お前、不満な態度出しすぎな?マジで。なんなん」 関口が言うと吉瀬は関口を見上げた。 「後方支援かーって。なんか、調子乗れねーなーって。」 「仕方ないだろ?俺ら、戦闘職種じゃねーんだし。」 「くっそ」 吉瀬は自分の足を軽く叩きながら言った。 「なんだ?お前まだ引きずってんのか?」 「あ?」 「その足の怪我。」 「当たり前だろ?こんな事務仕事しに、入隊したわけじゃねーんだからよ。」 吉瀬は過去に、新隊員教育を終え、成績優秀者 教育隊長推薦のもと、毎年行われている、アジア合同防衛共同総合訓練に参加する事となった。 アジア合同防衛共同総合訓練は、陸上科、海上科、航空科、特殊科からなる戦闘職種選抜者、それ以外の科部隊からなる後方支援職種選抜者、そして上級幹部推薦者の3種からなる。 吉瀬はこの上級幹部推薦者の部類で選抜された。 入隊3ヶ月での選出は史上最短であり、また、体力検定では、最高級となる1級を3ヶ月連続受賞(体力検定は1週間に1回行われる)という快挙を達成していたこともあり、警衛隊上層部はかなりの期待を寄せていた。 その中で行われた7日間に及ぶ、米軍との対戦方式での戦闘訓練時に、前十字靭帯の怪我を負い、同日に吉瀬は、自衛科への転科となった。 「お前が過去の栄光とかにすがってんの見てて腹立つんよな。」 関口に言われ吉瀬は関口を見上げた。 「んだと?」 吉瀬はその場に立ち上がると関口を睨みつけた。 「なんだよ?正論言われて腹たったか?殴りたけりゃ殴れよ」 関口が怒鳴ると同時に河木が部屋から出てきた。 「河木そのまま、お前先に、第2棟に行っといてくれ」 関口に言われ河木は軽く聞き返した。 「は、はい?今なんて?」 「あ?だから第2棟に行っとけって。ちょっとこいつと話すことあるからよ」 「わ、わかりました。菅原さんからの指示覚えてますよね?時間厳守ですよ?わかってますか?」 「俺が今迄で遅れたことあったか?」 「はい。たくさん。」 「そうだっけか?」 「もう、頼みますよ」 そう言うと河木はその場から立ち去って行った。 「なぁー、吉瀬。あんまし後方支援職種舐めんなよ?お前が今やってる仕事。自分を自分が舐めるってどんな気持ちだ?」 「は?訳分かんねー事言うなや。俺はあそこで終わったんだ。」 吉瀬が言うと関口は壁を蹴りつけそのまま吉瀬の胸ぐらを掴んだ。 「終わった?俺の前でよくもそう言えるよな?お前。覚えてねーか?俺の兄貴の事」 「兄貴?あー、」 そう言うなり吉瀬は関口から軽く目線を外した。 「お前と一緒だよ。部内幹部選考落ちて、幹部選考受けることをバカにしてきた先輩らに笑われ、馬鹿にされ、自殺したんだ。これが終わるって意味だ。」 そう怒鳴ると関口は吉瀬の胸ぐらから手を離した。 「お前を馬鹿にしてる奴はいない。今、お前は後方支援職種で輝く時なんだよ。それに、自分がやってる仕事に誇りとかなかったら何のためにやってるかわかんねーだろ?クソみたいに罵られることもある、給料だってそんなに高い訳ではない。それでも俺たちはこうやって警衛官続けてんだからさ。自分の全てを誇りに思えよ。」 「悪かったよ。つか、お前熱くなりすぎだって。こんな事で。それに、なんか名言っぽいこと言って、寒かったぜ?笑」 吉瀬が言うと関口は軽く笑った。 「馬鹿野郎、寒くねーよ。」 そう言うと関口は大声で笑った。 「お前、時間守れよ?時間厳守な?笑さっさと行くぞ」 吉瀬に言われ関口は吉瀬の肩を組みながら歩き出した。