158 件の小説
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よろしくお願いします! 文ストの敦推しです(少ないですがQ敦が好きです) かなり長文を書いたりします

あの日あの時あの場所で

ピコピコ 「…………あー、また負けた! これ難しすぎるよー」 「……………ワッ!」 「ワッ! ビックリしたー………何すんだよ!」 「いやー、隙だらけだったからさ………それでまた負けてるのかい?」 「ウグ……しょうがないでしょ。難しいんだから!」 「アハハ! やっぱりまだまだ子供だね、そこの席変わってよ。私がやってあげる」 「えー、お姉さんにやれるの?」 「お姉さんじゃなくて“お姉ちゃん”ね」 「あんま変わらなくない?」 「いつか分かる時が来るよ、少年」 「………分かりたくないんだけど」 「アハハ! 素直で良いね、とりあえずやるから見てなよ」 「…………これで千円負けだよ(弱すぎない?)」 「ふむ、まだ余裕はあるがやめとこうか」 「………たくさん負けたのに平気なの?」 「私はキミと違って稼いでるからね。元手が違うんだよ」 「えー、ズルい!」 「そうか………ならキミが大人になった時、対戦で勝負しようか」 「本当⁉︎ それ忘れないでね!」 「あぁ、約束を守ることには自信があるんだ」 「じゃあ指切りげんまん」 「はいはい、仕方ないね」 「「嘘ついたら針千本、指切った!」」 「………ハァ……営業も疲れたな。でも転職したとしても上手く行くとは限らないし……」 テクテク 「………ん? よく見たらここ昔住んでた町か…………あのゲーム機まだあるかな」 「……あった。あの時のままだ………ちょっとやって行こっかな」 ピコピコ 「グッ、この……! あー、また負けたよ! やっぱこのゲーム難しいな」 「…………ワッ!」 「! ビックリした、なんだ……って貴方は⁉︎」 「随分とよそよそしくなったねー、お姉ちゃんは悲しいよ」 「…………」 「約束、守りにきたよ」 ピコピコ 「うーん、やっぱ久しぶりにやると操作がおぼつかないね」 「…………お姉さ…ちゃん。聞いて良いですか?」 「別に敬語は良いよ」 「………なんで10年以上経ってるのに姿が変わってないの?」 「いつか分かる時が来るよ、少年」 「もう少年って年じゃないよ………」 「相変わらず生意気な口は変わらないね」 「…………最近、上手くいってないんだ。仕事でもダメだし、恋愛もマトモにできないし」 K.O! 「あ、負けた……」 「…………バカだなぁ、少年。非常にバカだ」 「え、いきなり?」 「少年は私みたいにもっと自信を持って生きろ。昔のキミは負けたら泣いてまで噛みついてきたぞ」 「………もう一回」 「ん?」 「もう一回勝負!」 「…………良いね、その勢いだ」 「…………私の負けか」 「よっしゃあ! 久々に勝ったー!」 「おめでとう、懐かしい気分だったよ」 「うん、ありがとう! あの時の気持ちを思い出した気がする!」 「なら良かった。じゃあ私は去ることにするよ」 「…………また会えるよね?」 「あぁ、少年が強く望めば会えるさ」 「じゃあまた約束!」 「「指切りげんまん、嘘ついたら針千本、指切った!」」 「………頑張ってね」 「………うん!」 お姉ちゃんは僕の言葉を聞くと、お店の外に出て振り向いた 「少年! またな!」 「うん、またね!」 そう手を振ると、お姉ちゃんは手を振って笑顔を見せると、いつの間にか消えていた 「………さてと、頑張るとしますか!」 僕はお姉ちゃんに会えるのを待ちながら、また一歩踏み出した

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喧嘩道 番外編

番外編 ブラックシュガー きぃ「………マカロン、タルト、ケーキ! 本当に連れてきてくれてありがとうございます!」 蓬「いや、大丈夫だよ。僕も一緒に行く人がいなかったからね」 蓬のバイト終わり−−− 蓬「………ふぅ、これで全部終わりか。店長、もう上がらせてもらいます!」 店長「あぁ、ちょっと待って。今大丈夫かい?」 蓬「一応大丈夫ですけど……何ですか?」 店長「実はそこの商店街の福引でケーキバイキング券を2枚引いたんだが、私はあまり甘いのが好きじゃないし行く人が居ないからあげるよ」 蓬「あ、ありがとうございます!」 店長「実際どう? 今気になってる人っているの?」 蓬「まぁ………一応いますね」 店長「良いねー、青春してるねー!」 蓬「(……って言われてきぃちゃん連れてきたけど、喜んでくれたみたいで良かった)」 きぃ「ん? 私の顔に何か付いてますか?」 蓬「ただ、美味しそうに食べるから見てただけだよ。でもほっぺにチョコが付いてるね」 きぃ「え、あ、ホントだ! と言うか、蓬くんは食べないの?」 蓬「あぁ、僕はちょっと体重気にしてるからあんまり食べないね」 きぃ「今のままでもかなり痩せてると思いますけどねー」 蓬「でも弓道やってるから痩せた方が有利なんだよね」 きぃ「へぇー、私も痩せてみたいですねー」 蓬「………ならやってみる?」 きぃ「え?」 きぃ「………わー、こんな場所来たことから無いから新鮮だよ」 蓬「まぁジムなんて気軽に通おうとはならないよね」 きぃ「結構昔から通ってるの?」 蓬「うーん、半分合ってるかな。通い始めたのは最近だけど、ここの店長が知り合いだから色々手伝いで来てたんだよね」 きぃ「なるほど! じゃあ器具の使い方知ってるの?」 蓬「まぁある程度は説明できると思うよ」 きぃ「ならご指導お願いします、先生!」 蓬「なんかむず痒いね…………」 きぃ「………ハッ、ハッ、ハッ」 蓬「うん、その調子だよ。ランニングマシンの速度をもう少し上げても良いかもしれないね」 きぃ「はい! なら5キロくらい早くしようかな……」 蓬「その位が丁度良いかもね……ってそのボタンは違う!」 「50キロアップします」 きぃ「え、う、ウワーー‼︎」 ドシャーン きぃ「いてて…ってあれ痛くない?」 蓬「………クッションになれたようで何よりだよ」 きぃ「わ、ごめん! 変なボタン押しちゃった……」 蓬「大丈夫だよ、思ったより軽かったしね」 きぃ「……それだと褒められてるのか、貶されてるのか分かりませんよ」 蓬「あー、ごめん! 褒めてる、褒めてる!」 きぃ「………ンギィィー!」 蓬「凄い声出てるね………でもこれで30キロだよ」 きぃ「結構キツイね、これ……!」 蓬「まぁ初めはね………(というか、お腹出てる…)」 きぃ「? どうしました?」 蓬「い、いや、何もないよ」 きぃ「……ふーん、もしかしてお腹見てました?」 蓬「……ご、ごめん」 きぃ「別にもっと見ても良いんですよー?」 蓬「そんな訳にはいかないよ!」 きぃ「ふーん、強情ですねー」 蓬「逆に見てほしいの?」 きぃ「うーん…………想像にお任せします!」 蓬「その返事が一番悩むな……(どっちだ……?)」 きぃ「………………」 きぃ「いやー、結構汗かきましたね!」 蓬「そうだね、僕もトレーニングしてたから汗べっとりだよ」 きぃ「本当にシャワールームあって良かったね!」 蓬「うん、あそこは綺麗な方らしいね」 きぃ「へー、それは良かったです!」 蓬「本当に最近は暑いから汗も良くかくよ………」 きぃ「…………でも色々ありましたよね」 蓬「ん? 何が?」 きぃ「だって撃くん達と会う前は普通の高校生活だったのに、会ってから世界まで救っちゃった。本当に波瀾万丈だったよね」 蓬「そうだねー、今思い出しても夢じゃないかって疑っちゃうよ」 きぃ「ほっぺ引っ張る必要ありますか?」 蓬「ハハハ! 随分と原始的な確かめ方だね」 きぃ「…………じゃあ目を閉じてくれますか?」 蓬「ん? 何か分からないけど閉じたよ」 チュッ その時、蓬の頬に柔らかい感触があった 蓬「え⁉︎ え……⁉︎」 きぃ「アハハ、流石に驚いてますね!」 蓬「え、こ、これって………!」 きぃ「順番を間違えちゃいましたね………黒川蓬くん、大好きです!」 蓬「はい…………⁉︎」 きぃ「じゃあ今日はありがとうございます! じゃあまた明日ー!」 蓬「あ、ちょ………えー!」 数日後の特別生徒会室にて−−− ガラガラ 零「お疲れー……ってきぃちゃんしかいないか」 きぃ「あ、お疲れ様ー! まだ皆来てないね」 零「じゃあ待つとしようか………そういえば、最近なんか蓬の様子が変なんだけど知ってる?」 きぃ「あー、実はほっぺにキスして大好きって言ったんだよね」 零「え⁉︎ 中々大胆なことするね………だから様子も変だったのか」 きぃ「なら良かった!」 零「? まぁとにかく、今は返事待ちなの?」 きぃ「うん、そうだね」 零「でも驚いたなー、そこまで蓬のこと好きだったんだ」 きぃ「うーん………好きとはちょっと違うかな?」 零「え? 好きだから大好きとか言ったんじゃないの?」 きぃ「大好きは大好きなんだけど………可愛いって言った方が正しいかな?」 零「…………可愛い?」 きぃ「うん、だって私の行動一つで喜んだり驚いたり悲しんだりする。蓬くんには私の手のひらの上で踊っていてほしいんです」 零「……………」 きぃ「良くないですか? 他のところに逃げちゃうより手のうちに置いといた方が安心でしょう?」 零「…………もし逃げたらどうするの?」 きぃ「そうですね、その時は手をパタンと閉じて逃げられないようにするか………食べちゃいましょうか」 零「た、食べる……⁉︎」 きぃ「………気になりませんか? もし彼の、例えば瞳を取って目の前で食べたらどんな反応をするのか………怒るのか恐怖するのか」 零「……………」 きぃ「まぁこれは流石に冗談ですけどね!」 零「あ、アハハ……」 きぃ「でも普通だと思いません? 気になる人には自分だけを見ていてほしい。その逆に、私も気になる人をずっと見ていたい………これって何もおかしくない普通の恋じゃないですか?」 零「………確かに……そう…なのかな」 きぃ「えぇ、零ちゃんも撃くんに同じ思いじゃないですか?」 零「! それは……」 きぃ「私から一つアドバイス! 自分の中にある欲望には素直になることが一番だよ!」 零「………なるほど」 ガラガラ 縁「お、きぃと零か」 きぃ「あ、お疲れ様です!」 縁「あぁ、それでいきなりだが階段下にある段ボールを移動させてくれないか?」 きぃ「分かりました! じゃあまたね、零ちゃん」 零「うん、アドバイスありがとう!」 縁「…………何言われたんだ?」 零「それは乙女の秘密だよ」 きぃ「ふぅ、これで終わりかな………ん? あれはもしや………蓬くーん!」 蓬「え、あ、きぃちゃん⁉︎」 きぃ「うん、依頼されて段ボール片付けてたんだよね。蓬くんは?」 蓬「僕はちょっと校舎を散歩してたね……」 きぃ「そうだったんだ」 蓬「………良し………きぃちゃん、話を聞いてくれる⁉︎」 きぃ「……うん、良いよ」 蓬「…………あの時の返事だけど………ごめん、待ってほしい」 きぃ「……………」 蓬「多分、今付き合ったら色々変になるかもしれない………だから、高校卒業まで待ってほしいんだ」 きぃ「………うん、分かった! 私はいつまでも待つよ!」 蓬「あ、ありがとう! 本当に身勝手でごめんね……」 きぃ「ううん、しっかり気持ちを聞けただけで嬉しいよ!」 蓬「えへへ、なら良かった!」 きぃ「……!」 「………可愛いって言った方が正しいかな?」 「自分の中にある欲望には素直になることが一番だよ!」 きぃ「………蓬くん、ちょっと左手の薬指出してくれる?」 蓬「? なんか分からないけど良いよ……はい」 きぃ「ありがとう、そのままで……」 そう言うと、きぃは蓬の左手を口に持っていき………薬指に噛み付いた 蓬「イッッツ⁉︎ き、きぃちゃん⁉︎」 きぃ「………ハァ…ハァ……(……指に私の噛み傷が……)」 蓬「き、きぃちゃん? 目が怖いけど大丈夫……?」 きぃ「………フフ……(あぁ、怯えてるのも可愛い……やっぱり欲望には素直なのが恋なんだ!)」 蓬「お、おーい………?」 スッ 蓬「……え?」 きぃ「………お返し、私の指も噛んで良いよ」 蓬「………いやいや、そんなことできないよ!」 きぃ「これはお返しなんだよ? 噛んで?」 蓬「………」 きぃ「噛んで」 蓬「……う………」 蓬は気圧されて、オドオドと左手を口に持っていき………薬指を優しく噛んだ 蓬「……こ、これで良い?」 きぃ「……………うん! いきなりこんな事言ってごめんね。痛くなかった⁉︎」 蓬「だ、それは大丈夫だよ」 きぃ「なら良かった! でも本当ごめんね………そうだ、帰りにクレープ奢るから一緒に帰ろ!」 蓬「う、うん!(なんか分からないけど治ったみたいで良かった)」 きぃ「じゃあ行きましょー!(………今はまだこれで大丈夫。今は、まだ)」 番外編 ブラックシュガー

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喧嘩道 番外編

佐々木航太郎の心霊事件簿 後書き

これにて佐々木航太郎の心霊事件簿、及び青春道世界線が全て完結しました! 非常に長く続いて自分でも驚きましたよ。遅くなりましたが、これからは裏話や青春道のことなどを書いていきます! 佐々木航太郎の心霊事件簿・裏話 初めは、心霊に立ち向かっていく物語を書こうとしてたんですけど思い付かなくてファンタジーのカテゴリにしました。あと、李も本来1回だけの登場のつもりでしたけど重要キャラになりました。 そして、この心霊事件簿の世界は青春道の世界とは少し違い、佐々木が逮捕された所までは同じですが、蛍の脱獄を断ってしっかり罪を償った世界線だと考えています。そのため、逮捕されたところで佐々木達と撃の関係は終わったので、学園喧嘩道の零を壊す下りはありません。因みに、この世界の佐々木も普通に識とは知り合いです 佑月一作 佐々木の弟子役として登場したキャラで、最後の最後まで面倒くさくて名前は考えてませんでした。でもトラブルメーカーだったり、佐々木を鼓舞したりと良い役にできたと思ってます。最後には残した原稿を書き上げて、後世にまで受け継がれる作品を生み出しました。あと、佐々木賞ってのも作られました 岩戸唐十郎 唐十郎は佐々木と性格はほぼ真逆で愉快な感じに作りました。職業は漫画家でアクション系統を書いています。因みに、佐々木とは小学生からの付き合いです 李丹(龍秋天) このキャラは最初、心霊への案内役として作りましたが、進路変更して佐々木の旧友になりました。なぜ李で佐々木の前に出たかというと「死んで暇だなー。そうだ、佐々木たちをこっちに招けば暇じゃなくなる!」となったので佐々木の前に現れました。佐々木たちを恨んではいませんが、記憶を無くしてた事には驚いたらしいです。なので過去に行きたいって言われた時は来たんじゃないかと思ったらしい 白巳 元人食いの大蛇。ずっと前から生きていて侍に斬られたのは本当です。最初は佐々木と合体して穢虎みたいになるつもりでしたが、普通に相棒枠になりました この世界の撃たち 撃たちはあまり変わりませんが、零は蛍が初期化してしまいました。しかし、初期化して壊す直前に撃たちが間に合い、何とか追い払いました。零は初期化されたものの撃たちにより記憶を取り戻していきました この世界 先ほど青春道世界とは少し違うと書きましたが、小説でも書いたように心霊事件簿世界は青春道世界のパラレルワールドになっています。そのため、佐々木の物語は大きく変化しました。青春道の時は他人のために、心霊事件簿の時は自分のために佐々木は生きました そんなこんなで佐々木航太郎の心霊事件簿完結致しました! 一応、新シリーズは考えていますが、撃たちとは完全に別キャラクターで進んでいくと思います。その時にも見ていただけると幸いです! ここまで見てくれてありがとうございました!

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友へ送る

我が友へ 初めは、あまり気にも留めてなく名前だけ知ってるくらいだった だが、あの旅行や出掛けた時に大きく変わった それから何やかんや2年位も経っちまった 人生何があるか分からないものだ そこから色々出掛けたり、遊んだり話したりした 色々する時間を失って、モヤってした事もある だけど、それ以上に楽しい思い出ができた 短いけど伝えたい、ありがとう。我が友よ そしてこれからもよろしく頼む 友へ贈るこの言葉

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未来への終電

今日も夜が来て、終電が来る 「パァーーー」 僕は瞼を閉じて、電車を待つ しかしたまに思う このまま終わってしまえば楽なのか 「パァーーーー‼︎」 電車が近づいてくる もういっそ…………………… なんて日もあった、懐かしい記憶だ 人間は負けながらも、勝つために進んでいく 「プシュュュー、〇〇駅、〇〇駅、終電です」 終わる一歩じゃなくて、進む一歩を踏み出すかな そうして僕は明日に向かうために終電に乗る

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佐々木航太郎の心霊事件簿 ラストケース 後編

ラストケース後編 未来に送る狂言回し ??年後−−− 看守「…………佐々木航太郎、釈放の時間だ」 佐々木「…………45年ぶりの外か」 看守「………もう戻ってくるなよ」 佐々木「えぇ、ありがとうございました」 佐々木「……………(あんま変わってないな、この街は…………家も流石に取り壊されてるか)」 プップー! 佐々木「おっと、車が来てたか……」 ?「………久しぶりだな、ご老人! 飲みに行こうぜ!」 ?「45年ぶりにね!」 佐々木「…………唐十郎と……秋天……」 居酒屋−−− 唐十郎「………プハー! 最近、老後の楽しみが酒しかないが美味いからやめられないな!」 秋天「もうちょっと良い趣味見つけなよ………そういえば、今何歳なんだっけ?」 佐々木「………確か、70くらいだったような」 唐十郎「そんくらいかー。しかし、戦車で暴走したり銃持って色々して45年は驚きだな」 佐々木「まぁ色々あったんだよ………俺も無期懲役レベルは覚悟してたんだけどな」 秋天「…………やっぱやる気なくなった?」 佐々木「流石に分かるか………45年経って70歳だ。前科持ちで老人、後悔はしてないけど派手な事しちまった………余生をどう生きてくか考えるだけだ…………そういや、お前らは今どうしてんだ?」 唐十郎「俺は漫画家だったけど、今は引退して印税でのんびりだ」 秋天「私は本国に帰ったけど結局日本に帰ってきて社会人やってたよ。もう退職して唐十郎と良く飲んでるね」 佐々木「結局、結婚したんだっけか?」 唐十郎「あー………まぁ事実婚ってやつだな」 佐々木「別に今からでも遅くはないぞ」 唐十郎「それをお前が言うかよ………だが、そろそろだな」 秋天「うん、なら佐々木。また後でね」 佐々木「ちょ、何があるんだよ」 唐十郎「………特別ゲストだよ」 ?「お久しぶりです、佐々木さん」 佐々木「あ………佑月くん⁉︎」 秋天「じゃあ2人でねー」 佑月「ありがとう! さて、45年振りですね」 佐々木「…………そっちは今65くらいか?」 佑月「えぇ……小説家をやっていましたが、やめて編集者です」 佐々木「唐十郎みたいな………そういえば、白巳は?」 佑月「白巳は………寿命で数年前に亡くなりました」 佐々木「ハッ、アイツも長生きなもんだ………だが、最後に会えなかったのが悲しいな」 佑月「…………それで出所した佐々木さんに提案があるんです……もう一度小説家になりませんか?」 佐々木「…………本当に無茶振りだったな」 佑月「今やることないんでしょう? 前科持ちとはいえ文章には関係ありません、佐々木さんも根は小説家でしょう? 獄中で色々考えてたんじゃないですか⁉︎」 佐々木「………まぁな。だけど、何でそんな小説家にしたいんだ?」 佑月「………一つはまた貴方の書いた文が見たいんです、そしてもう一つは………最後くらい貴方に好きな生き方をしてほしいんです」 佐々木「ん………どういう事だ?」 佑月「驚きましたけど死ぬ前に白巳が喋ったんです………信じられませんよね、でもこう言ったんです 「アイツはお前の為に過去にまで戻って、人生の後輩のために罪を犯した………アイツは恐らく過去に戻った時点で誰かの為に生きることを誓ったんだろう。だから……自分の人生を歩めるように誘導してほしい。随分無茶な頼みだがこれが私、最後の頼みだ」 って…………」 佐々木「…………白巳のやつ……」 佑月「だから立ち止まってないで進みましょうよ! それとも………怖いんですか?」 佐々木「…………あ?」 佑月「怖いんですか? 罪とか歳じゃなくて、他人の道じゃなくて自分の道に目を向けるのが」 佐々木「………今も売られた喧嘩は買うぞ?」 佑月「今の佐々木は怖さなんてないですよ! また見せてくださいよ、心霊にだってビビらずに立ち向かっていったあのカッコいい背中を!」 佐々木「……………ペン」 佑月「え?」 佐々木「……ペンと紙をくれ」 佑月「! それって!」 佐々木「弟子にここまで煽られて黙ってられるかよ。お前がひっくり返るほどやってやる!」 佑月「佐々木さん……!」 佐々木「怪異を倒した時がスタートラインだと思ったが違ったな………こっからが“俺の人生”のスタートラインだ!」 佐々木「……………」 佑月「…………やっぱりここにいましたか。タバコはやめといたらどうです?」 佐々木「そりゃ無理な話だな。昔も喫煙はしてたが………老いると更に美味く感じるもんだ」 佑月「………そういうので癌になったんですかね」 佐々木「だろうな…………でもあれから15年か」 佑月「………すいません」 佐々木「? 一体何がだ?」 佑月「………あれだけ誘ったのに、あまり売れずに今日まで……」 佐々木「………ハハハハハ!」 佑月「な、何で笑ってるんですか?」 佐々木「いやー、お前があまりにも馬鹿でな…………やってみて初心を思い出したよ、俺は人気が出るものを書きたかったんじゃなくて自分の心のままに書きたかったんだ。佑月はそれを思い出させてくれた、ありがとう」 佑月「…………後悔はありませんか?」 佐々木「あるよ、沢山ね。数え出したら止まらないだろうな」 佑月「……………」 佐々木「………でも気づいたんだ。後悔のない人生なんてない、人は何かしら後悔を抱えながら生き抜いていくって」 佑月「………良い事言いますね」 佐々木「あぁ、ようやく気づけた………そこで私、佐々木航太郎としての最後の頼みがある」 佑月「………何でしょうか?」 佐々木「…………これを継いでくれないか?」 佑月「これは………原稿?」 佐々木「あぁ、だがまだ未完成だ。だから完成して日の目に晒してあげたいんだ」 佑月「でも佐々木さんがやれば…!」 佐々木「自分の体は自分が一番分かってる………もうすぐ命も燃え尽…きる…」 バタン 佑月「さ、佐々木さん⁉︎」 佐々木「…………どうやら終わりらしい。思ってたより早かったがな」 佑月「待ってください、今救急車を!」 佐々木「良い、大丈夫だ」 佑月「でも!」 佐々木「…………俺は俺の意志を引き継げた。それだけで充分だ………」 そう言って佐々木は微笑んだ 佐々木「その原稿にはまだ見ぬ誰かに希望を与える内容だ。これを継げるのはお前しかいない………身勝手な男ですまないな」 佑月「………本当に身勝手ですよ、私が断れないことを知っていて………でもやってやります、私が佐々木さんに代わって誰かに希望を与えられるように執筆します!」 佐々木「………ありが…ゴハッ⁉︎」 佐々木は限界なのか血反吐を吐いた 佑月「! 佐々木さん!」 佐々木「どうやらここまでか……………佑月、すまねぇな………お前に未来を頼んだ」 佑月「…………はい!」 佐々木「綺麗な夕日だ………散り際に、未来へ送る、狂言回し………」 佐々木はそう一句読み終えると、ゆっくりと目を閉じて眠るように息を引き取った………佑月は涙を流しながら原稿を握りしめていた 佑月「………必ず夢を叶えてみせます。あの世で待っていてください、佐々木さん」 そういって佑月は佐々木に一礼をしてその場を去った。佐々木航太郎の物語を紡いでいくために 数百年後−−− 記者「…………それでは佐々木賞を受賞した新人小説家、泉原希さんのインタビューを開始させていただきます!」 希「はい、よろしくお願いします」 記者「最初に、一体なぜ小説家を目指そうと思ったんですか?」 希「それは勿論、佐々木航太郎さんの小説のおかげです。あの小説を読んで私はこの人生に希望を持てたんです……!」 記者「なるほど…………それで出来た作品がこの“太陽”という訳ですか?」 希「えぇ、誰かの道標になるようにと書いた………そんな一冊です」 記者「なるほど………聞きたいんですが、これを書いた佐々木さん、また佑月さんに会って言いたいことはありますか?」 希「言いたいことですか……色々ありますが、やはりこれに尽きますね」 希「………作ってくれてありがとう! 残してくれた意志は私が受け継いでいきます!」 ?「…………そりゃ随分嬉しいことだな」 ?「……えぇ、私たちは彼女を天から見守っているとしますか、佐々木さん」 佐々木「あぁ、そうだな」 「未来への夜明け」 著者 佑月一作、故人・佐々木航太郎 終

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佐々木航太郎の心霊事件簿 ラストケース 後編

佐々木航太郎の心霊事件簿 ラストケース 前編

ラストケース前編 拝啓、自分へ 唐十郎「………ん……うーん……ってなんだこの瓦礫⁉︎」 白巳「シャー」 唐十郎「お、お前は白吉⁉︎ なんで学校じゃなくてここにいるんだ⁉︎」 白巳「シャー!」 唐十郎「え、おい、どこにいくんだよー………え、秋天⁉︎」 秋天「……………」 唐十郎「おい、秋天! 起きろ!」 秋天「………ん? 唐十郎、どうしたの?」 唐十郎「どうしたって…………これ見えねぇか?」 秋天「え……って何これ⁉︎ 確か私たちって心霊スポットにいたよね……」 唐十郎「おう、それが何でこんな瓦礫に………あれ、そういえば佐々木は?」 佐々木「……………」 白巳「……寝てないで起きろ!」 ガブ 佐々木「イッテ! な、何だ⁉︎」 白巳「やっと起きたか、怪我は大丈夫か?」 佐々木「あ、あぁ、何とかな。足と腕は痛いけど平気に動けるよ」 白巳「なら良かった………しかし、派手にやったもんだな」 佐々木「私も流石に驚きだよ………でも過去を変えれて良かったな」 白巳「かなり紆余曲折あったけどな……」 佐々木「だけどなんでレールガンが落ちてきたんだろうな……」 白巳「ん? そういえば、光ってるけどあれ何だ?」 佐々木「え? 本当だ、行ってみるか」 佐々木「…………おい白巳、あれ何か分かるか?」 白巳「………俺の目には電気の枠と……奥に別世界が見えるな」 佐々木「………やっぱそうだよな………それに俺も見える」 白巳「…………お前、何をした?」 佐々木「レールガンを腕を付けて、あの怪異をぶん殴ったが……」 白巳「……考えられるのは、とてつもない高電圧と怪異が作った異世界が重なってこんなのがあるのかもな」 佐々木「なるほど………合ってるか分からないけど可能性はありそうだな」 白巳「………折角だ、覗いてみるとするか」 佐々木「ちょ、やめとけよ! どこに繋がってるか分かんねぇんだぞ」 白巳「……………」 佐々木「ん? どうしたんだ?」 白巳「………お前こそ見たほうが良いぞ」 佐々木「は?…………これは」 白巳「………なぜか“お前”がいるな」 佐々木「…………なんで俺が………もしかしてここは」 白巳「何か分かったのか?」 佐々木「恐らくこの先の世界は“パラレルワールド”だ」 白巳「パラレルワールド? 確か……並行世界だったか」 佐々木「あぁ、なんで繋がったか理由は分からないけどな」 白巳「……でもお前死にかけだぞ。瓦礫に埋もれてるしほぼ焦げカスだ」 佐々木「我ながら酷い有り様だ………待てよ」 白巳「あ? どうした?」 佐々木「……このまま放置する訳にはいかない、助けよう!」 白巳「おい、いきなりどうした?」 佐々木「多分、レールガンを落としたのはあの世界の俺だ………あっちの世界でレールガンを撃ったから、一瞬あっちにもこんなゲートができてレールガンが落ちてきたんだ!」 白巳「なるほど……つまりお前を救ったのはお前ってことか」 佐々木「めっちゃややこしいけどな。とりあえず閉じる前に治療しよう」 佐々木「…………ふぅ、応急処置は済んだかな」 白巳「少なくともすぐ死ぬことはないだろうな………だが、これだけで良いのか?」 佐々木「あぁ、時間と技量的に無理だしこれが俺ならそう簡単に死なないだろうよ」 白巳「そうか…………だが、これで全て終わったんだな」 佐々木「そうだな、思ったより清々しい気分だよ」 白巳「あぁ、本当にな。かなり苦労したもんだ」 佐々木「今度家で焼肉でもしてみるか」 白巳「お、良いな。全員呼び寄せようぜ」 佐々木「お前も変わったもんだな……ま、それも良いな」 唐十郎「おーい、佐々木ー! どこだー!」 秋天「聞こえてたら返事してー!」 佐々木「やっと起きたみたいだな……さて、行くとするかな」 白巳「これからどうなるかな?」 佐々木「そん時はそん時だ………過去に戻って学んだよ。俺らは運良く戻れたけど普通はそうはいかない、だから終わりがいつ来るか分からなくても1日1日を一生懸命生きなきゃいけないってな」 白巳「フッ、カッコつけやがってよ……」 ラストケース前編 拝啓、自分へ

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佐々木航太郎の心霊事件簿 ラストケース 前編

佐々木航太郎の心霊事件簿 ケース9

ケース9 過去を踏みこえて 神社−−− 白巳「…………なんでこんな所に来たんだ?」 佐々木「ここは厄除けで有名な神社でしてね。お札を貰いにきたんですよ」 白巳「………お前、単独で行く気か?」 佐々木「あぁ、アイツらを危険に晒すわけにはいけないからな。私が行くしかないでしょう」 白巳「だとしてもお前も危険だろうが」 佐々木「………反論できないな。ただ、記憶はないけど…………ここに行かなきゃいけないって思うんだ」 白巳「………覚えてない記憶の影響か」 佐々木「多分な………だから、準備が必要なんだ」 1週間後−−− 白巳「……………ここが例の場所か」 佐々木「あぁ………プレッシャーが凄いな」 白巳「死ぬ覚悟はできたのか?」 佐々木「ある訳ないだろ………絶対生きて帰るんだからな」 白巳「その自信はどこから来るんだ………ま、同じ気持ちだがな」 佐々木「良いね、なら行くぞ……!」 白巳「………………電気は通ってないと思ったが、なんか放電してるな」 佐々木「どうやらこの近くに変電施設があるらしくてそれのせいらしいから気をつけていかないとな………どうやら3階まであるらしいな」 白巳「とりあえず満遍なく調べてみるか」 佐々木「…………まだ夕方なのに暗いな。懐中電灯持ってきて正解だったよ」 白巳「案外壁は崩れてないもんだな」 佐々木「あぁ、それになんか頭も痛いし……」 白巳「偏頭痛か?」 佐々木「雨は降ってないはずなんだけどな………」 ガタッ 佐々木「! だ、誰かそこにいるのか⁉︎」 ?「あ、ヤベッ!」 佐々木「お、おい、その声………唐十郎か⁉︎」 唐十郎「え! 佐々木か⁉︎」 佐々木「………まさか、秋天もいるとはな」 秋天「あはは………実は、折角だから行かないかって誘われて……」 唐十郎「すまねぇ、お前が止めると思ったからよ………」 佐々木「………ハァ、しょうがないな。私も独断でここに来たから何も言えないしな」 唐十郎「佐々木ー! お前は話が分かるやつだよ!」 佐々木「とりあえずこれ、念の為に持ってきたお札だ」 秋天「おぉ、準備が良いね!」 佐々木「全く、私が心配性で良かった……」 唐十郎「…………でも暗いのと放電してる以外、おかしい所はないな」 佐々木「あぁ、3階まで来たがやはり行方不明は違う場所かな」 秋天「人の痕跡もなかったからね」 唐十郎「じゃあさっさと降りるとするか! 俺は腹が減ってきたぞ」 佐々木「いつも腹減ってるな。まぁ帰るとす……る……か」 唐十郎「お? どうしたよ?」 佐々木「…………ここ、上り階段なんてあったか?」 唐十郎「……な⁉︎ こ、ここ3階までだよな……⁉︎」 佐々木「い、急いで降りるぞ!」 秋天「それも無理なようですよ……!」 佐々木「…………嘘だろ……!」 3人が見た光景は、下り階段がなくなって後ろにあったはずの道も深夜より暗くなっていた 秋天「ど、どうすれば良い……⁉︎」 唐十郎「俺ら行方不明になっちまうよー!」 佐々木「………落ち着け‼︎」 「「⁉︎」」 佐々木「確かに危険な状態だが、諦めたら終わりだよ………今やる事は4階に進んで無事に帰ることだろう」 秋天「…………確かに言う通りだね………良し、覚悟を決めたよ!」 佐々木「良し………唐十郎、お前はどうする?」 唐十郎「…………行く選択肢しかないんだろ? 女子も覚悟決めてるのにナヨナヨできるかよ!」 佐々木「流石だ………なら3人離れずに進もう!」 ?階−−− 唐十郎「……う! 威圧感が半端ないな……!」 佐々木「壁も真っ赤に染まってるな……」 秋天「くれたお札も真っ黒ですよ……!」 佐々木「出口はどこだ………(……私の過去にこんなことは無かったはず………一体忘れた記憶になにが?)」 唐十郎「お、おい佐々木………なんか誘導されてないか?」 佐々木「え、どういう事だ?」 唐十郎「来た時は道に扉があったはずなのに無くなってんだよ!」 佐々木「………じゃあ私たちは……」 秋天「あの奥にある部屋に誘導されている……」 ギュイン! 秋天「ヒ! い、いきなり扉が目の前に……⁉︎」 唐十郎「か、完全に殺しにきてるな……」 佐々木「上等だよ……やってやろうじゃねぇか!」 バゴン! 唐十郎「ちょ、蹴飛ばすな………ってこれは⁉︎」 秋天「あそこにあるのは………出口⁉︎」 佐々木「外の景色が見える……走れー!」 秋天「了解!」 ドシャ 佐々木「え………唐十郎!」 唐十郎「…………」 佐々木「気絶してるのか………秋天、唐十郎は俺が連れてくから走れ!」 秋天「う、うん!」 佐々木「グッ……流石に重いな!」 秋天「……………」 佐々木「あ、秋天どうした? 気絶したか⁉︎」 ドン 佐々木「……え?」 秋天「………ごめんね、足縛られていけそうにないや…………唐十郎にもよろしく。少しだけど、楽しかった!」 佐々木「………あきて…」 ドン! 佐々木「グワ! イテテテ………秋天!」 佐々木が目を前に向けたら、ビルは既に無くなっていた 佐々木「な…………と、唐十郎は⁉︎」 唐十郎「……………」 佐々木「生きてるか………」 白巳「………彼女は亡くなったか」 佐々木「……! そんな訳ねぇだ……ぐ、グワァァァ‼︎」 白巳「さ、佐々木⁉︎ 大丈夫か⁉︎」 佐々木「…………ハァハァ、全部……思い出した」 白巳「な、何をだ……?」 佐々木「…………俺は昔、唐十郎を連れてここで逃げてしまったんだ。そして秋天は行方不明…………守れなかったと改めて知った時、俺の頭は拒絶反応を起こし記憶が一部欠けたんだ」 白巳「………それがこのビルでの記憶……」 佐々木「あぁ、さとるくんが言ってたことが分かった…………本当に望んだ過去は、“秋天を救えなかった過去”だ」 白巳「………心の中でずっと引きずってたんだな」 佐々木「そうらしい………だが、さとるくんは言った。目を逸らさなきゃ未来は変わる」 白巳「! それって……!」 佐々木「唐十郎を任せたぞ、白巳」 白巳「………あぁ、任せておけ、佐々木航太郎!」 佐々木「俺が行くのは、秋天を助けた未来だ!」 怪異は少し後悔していた。本来なら3人食えたはずなのに1人しか捕らえれなかったからだ 佐々木「よぉ、さっきぶりだな」 怪異「………⁉︎」 佐々木「また来るのに苦労したぜ………俺は頭が良いけどな、ダチ見捨てるような馬鹿になるつもりはないぞ!」 ヒュン! 佐々木「おっとっと、いきなりやってくれるじゃないか(……だけど、攻撃手段が肉弾戦しかないな。白巳みたいに攻撃は通らなさそうだ。銃の一つでもあれば……!)」 怪異「……グォォォォン!」 佐々木「マズイな、一旦退くしかない!」 ?階−−− 佐々木「…………ハァハァ……攻撃は通らず、離れたら触手で容赦なく打ってくる……流石に一筋縄じゃねぇか。でもどうすれば…」 ガツン! 佐々木「イッテー⁉︎ な、何だ⁉︎」 佐々木が見たものは電気を発している巨大兵器………レールガンだった 佐々木「これは……構造的にレールガン? で合ってるのかな………何で落ちてきたのかは分からないが、隣に変電施設もあるんだ。派手に行くとするか!」 怪異「……………」 佐々木「そこ、止まれ!」 怪異「……! グォォォォ!」 佐々木「ロルフと違って、遠慮がいらねぇから容赦なくいけるぜ………白巳ー!」 怪異「……………?」 白巳「………グォジャー‼︎」 ザクッ! 怪異「ウォォォーン⁉︎」 佐々木「良し、攻撃が通った!」 白巳「無茶振りしてくるやつだ。だが、秋天救出完了! ぶちかましてやれ!」 佐々木「おうよ、任しとけ!…………フン!」 怪異「⁉︎」 佐々木「ウグ……⁉︎ 腕につけるもんじゃないな………だけど、これで準備完了だ!」 怪異「ウォォォーア‼︎」 ヒュン 佐々木「………ハッ!」 バチン! 怪異「………⁉︎」 佐々木「体から放電して三途の川も見えるな。愚者にも見えるがこれでお前を討てる……最後だ、行くぞ!」 怪異「ガァァァーア‼︎」 佐々木「誰がくれたか分からないが使わせてもらうぜ! 大・雷・王・鼓!」 怪異「………ギャャャャース‼︎‼︎」 バタン! 佐々木「…………輪廻は止まったってところかな」 ゴゴゴゴ 佐々木「! マズイ、暴れすぎたか………白巳、2人を連れて離れろ! 瓦礫が飛んでくるぞ!」 ゴゴゴ 佐々木「あ、ヤバ……!」 ドガシャーン! ケース9 過去を踏みこえて 続く

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佐々木航太郎の心霊事件簿 ケース9

佐々木航太郎の心霊事件簿 ケース8

ケース8 忘れ去られた過去 佐々木「……ふぁぁーあ、今日はやけに眠いな」 唐十郎「おう佐々木、なんか今日は元気ないな!」 佐々木「お前はいつも元気だな。朝にそんな元気なのは羨ましいぜ」 唐十郎「そんな元気がねぇお前に朗報だ………実は、今日転校生が来るらしいぜ! 中国人のハーフとはいえ女子だってよ!」 佐々木「へー、こんな時期に珍しいな。しかし、どうやって知ったんだ?」 唐十郎「昨日、補修で居残りして帰る時に職員室前通ったら聞こえたんだよ」 佐々木「マジで相変わらずだな………でも気になるな、どんな子だろうか」 学校−−− 教師「…………えー、朝の連絡の前に一つ。このクラスに転校生がやってきます。入ってきて良いぞー!」 ガララ ?「…………親の転勤で転校してきました、龍秋天です。よろしくお願いします!」 佐々木「え⁉︎」 教師「ん? 佐々木、どうした?」 佐々木「あ、いや、何でもありません」 教師「なら良いが…………そうだ、佐々木の隣の席が空いてるからそこに座ってくれ」 秋天「分かりました………貴方が佐々木?」 佐々木「え、えぇ、佐々木航太郎です。よろしくお願いしますよ。こっちの早弁してるやつは親友の岩戸唐十郎だ」 教師「あ、おい! なんで早弁してるんだ!」 唐十郎「あ! なんでバラすんだよ!」 「「「アハハハ!」」」 秋天「ふふふ、仲良いんだね。それにしても2人とも名前が渋いね」 佐々木「まぁそれは色々ありましてね…………」 秋天「とりあえずこれからよろしく、佐々木くん!」 佐々木「えぇ、こちらこそ」 教師「じゃあ授業始める前に連絡だ。最近、ここら辺で行方不明になる人が増えてるらしい。何があるか分からないからお前たちも気をつけろよー」 「「「はーい」」」 佐々木「………この子が白吉、このクラスで飼ってる蛇だよ」 秋天「へー、珍しいし可愛いねー!」 教師「おーい、秋天! ちょっと良いか?」 秋天「あ、はーい! ごめん、ちょっと行ってくる!」 佐々木「分かりました………」 白巳「…………何かアイツとあったのか?」 佐々木「…………名前は違うが分かる。顔は少し違うけど彼女は……“李丹”だ」 白巳「李? 誰だそれ?」 佐々木「前話したり、過去に行く前にある人に電話をかけたでしょう? それが彼女です」 白巳「そうか………ん? だが、おかしいな」 佐々木「何がです?」 白巳「確か、喫茶店で会った時に初対面って言ってたよな。だけど、ここは過去………転校して会ってるじゃねえか」 佐々木「! 確かにそうだ、少し違うとはいえ、どちらかが気づくはず………なのに何で忘れてたんだ?」 白巳「なんで未来じゃ偽名なのかってのもあるがよ………まずまずお前、高校時代の記憶あるのか?」 佐々木「そりゃもち……⁉︎ あ、頭が⁉︎」 白巳「お、おい! 大丈夫か⁉︎」 佐々木「えぇ、何とか………でも思い出そうとしたらいきなり……」 白巳「……お前きお…」 唐十郎「佐々木、大丈夫か⁉︎」 佐々木「あ、唐十郎……」 唐十郎「なんか蹲ってるの見えたからよ。大丈夫か⁉︎」 佐々木「おう、何とか大丈夫だ。ありがとな」 屋上−−− 唐十郎「…………いつも2人だったのに3人になりそうだなー」 秋天「ごめん、邪魔だった?」 唐十郎「いや、そんなことないぞ! むしろ増えた方が賑やかくて良いな!」 佐々木「それは同感だな………とりあえず昼休み終わる前に昼飯食べるか」 唐十郎「………しっかし、行方不明って怖いよなー」 秋天「そうだねー、何が起こってるんだろう」 唐十郎「そうだ! 俺らで調べてみようぜ、そしたらヒーローになれるかも!」 佐々木「やめとこうぜ、何が原因か分からないけど行方不明になる可能性だってあるんだし………」 唐十郎「でも調べてみる価値はあるだろ、やってみないか?」 秋天「私も面白そうだから参加するよ!」 唐十郎「おっ、良いじゃねぇか!」 佐々木「秋天さんまで………分かったよ、情報収集だけな」 唐十郎「良し、そうと決まれば学校終わったら各自聞き込みだ! 成果報告は明日の朝な!」 放課後−−− 佐々木「………ハァ、流されやすい癖も治さないとな………とりあえず、聞き込みしてみるか」 男性「え? 行方不明事件について?…………うーん、悪いけどあんま知らないな。だけど、結構若い人が行方不明になってるらしいよ」 女性「行方不明の人たちのこと? 何も知らないけど、誘拐ではないんじゃないかな。私の勘は結構当たるのよ?」 佐々木「………今のところ、対象は若い人で誘拐ではなさそうってことか…………あんまり情報集まらないな……」 ?「…………」 佐々木「………あのお爺さんに聞いて今日は終わるか…………あのー、すいません」 老人「………はい、何でしょうか?」 佐々木「今起こってる行方不明事件について何か知ってますか?」 老人「そうじゃのう………神隠し、とかじゃないか?」 佐々木「神隠し……ですか?」 老人「あぁ、どこかにあの世に繋がる扉でもあるんじゃないか?」 佐々木「なるほど………一理あるかもしれないな。ありがとうございます、助かりました」 老人「いえいえ、それなら良かったです」 佐々木「では失礼します」 屋上−−− 唐十郎「…………てな訳で成果発表の時間だ! まずは佐々木から!」 佐々木「私からは行方不明した人は若い人で誘拐ではない、そして神隠しなんじゃないかっていう情報だな」 唐十郎「神隠しか………確かに合うっちゃあうか?」 佐々木「ん? お前の情報は何だ?」 唐十郎「そこら辺のおじさんに聞いたら、行方不明になってる人があるビルに入ったらしいわ」 秋天「え、本当⁉︎ そのビルはどこ⁉︎」 唐十郎「それが、それを見たのが酔っ払ってた時みたいでこの街のビルしか分からなかったな………」 秋天「あ、それなら分かるかも! 実は、ちょっと遠くに結構古びたビルがあって軽い心霊スポットになってるらしいよ!」 唐十郎「マジか! ならそこ調べてみるのが良さそうだな!」 佐々木「………おいおい、落ち着けよ。行方不明になる場所の可能性があるんだろ? 危険が高いぜ?」 唐十郎「ウグッ、確かに………」 秋天「………一旦、延期する?」 唐十郎「そうだな、佐々木もこう言ってることだし」 佐々木「ありがとうな」 白巳「………スピー……スピー……」 佐々木「おい、起きてるか?」 白巳「………ん……何だ?」 佐々木「起こしてすまないな。訳あってお前を脱出させることにした」 白巳「やっとか……だが、訳とは何だ?」 佐々木「行方不明事件の可能性があるビルを見つけたんだが、もし行く場合になったら危ないからお前に助けてほしいんだ」 白巳「………お前が助けを乞うとはな。だが暇してたからな、手伝ってやろう」 佐々木「相変わらず偉そうな蛇だ」 自宅−−− 白巳「ん? これはお前のPCか?」 佐々木「おう、通信は悪いけどな………あの廃墟について調べるんだ」 白巳「なるほど………というか、お前親じゃなくて祖父母と暮らしてるんだな」 佐々木「…………あぁ」 白巳「………何かあったのか?」 佐々木「これで聞いてくるお前のメンタルにビックリだよ………訳を知ってるのは唐十郎だけだ」 白巳「そうなのか……」 佐々木「…………私の両親は女の子が欲しかったらしくてな。だから私が男って分かった瞬間、家で出産………それで出生届も出さずに餓死するまで放置してたんだってよ。ただの虐待だよな………そこに丁度祖父が来てな、そこからは早かった。親は逮捕され、私はこの家に引き取られたんだ……」 白巳「………そうだったのか………聞いて悪かった」 佐々木「別に良いさ、全部覚えてないしな」 白巳「じゃあお前が古い名前の理由って………」 佐々木「あぁ、祖父が付けてくれた………もし親がマトモだったら私は寺田だったらしいけど」 白巳「じゃあお前の友達の唐十郎も……」 佐々木「いや、アイツはシンプルにその名前が良いって決まったらしい」 白巳「良いことだが、少し拍子抜けだな」 佐々木「…………良し、これか」 白巳「ん? それが廃墟の情報か?」 佐々木「あぁ………ただ、それっぽい情報は一つもないな。事故が起きたわけでもなく、工事が途中で止まってそのまま残ってるらしい」 白巳「じゃあ行方不明の場所じゃ無さそうだな」 佐々木「だけどそれ以外の情報がないんだ」 白巳「それ以外って………どういう事だ?」 佐々木「どのサイトを覗いてみても何も情報がないんだ………何が作られていたかまでな」 白巳「な……! それなら可能性は……」 佐々木「あるかも知れないってことだ……」 白巳「………これからどうする気だ?」 佐々木「とりあえずまだ調べてみるよ。別に寝てても良いぞ?」 白巳「ならそうさせてもらうよ………(……李がいたり、コイツの高校時代の記憶がなかったり何がどうなってるんだ……?)」 ケース8 忘れ去られた過去 続く

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佐々木航太郎の心霊事件簿 ケース8

佐々木航太郎の心霊事件簿 ケース7

ケース7 青春邂逅録 昼休みの屋上−−− 唐十郎「ふぅー、やっぱ昼飯はパンに限るな!」 佐々木「あぁ、特にこんな快晴の日は更に美味しくなるな」 唐十郎「でもお前はそんな少なくて良いのか?」 佐々木「あんまり腹減ってないからなー」 唐十郎「なら良いんだがよ………あ、そういや知ってるか?」 佐々木「ん? 何をだ?」 唐十郎「実はここら辺で大人に喧嘩を売ってる子供がいるらしいぞ」 佐々木「ふーん、結構強いのか?」 唐十郎「あぁ、武器を使ってるが数人を相手にしても平気で勝つらしいぞ。しかも恐ろしいのがまだ小6ってところだな!」 佐々木「へー、そいつは恐ろしいな……できるなら会いたくないもんだ」 唐十郎「でもお前なら勝てるんじゃないか? 脚力だけは凄えあんだろ?」 佐々木「馬鹿が。流石に子供に手をあげるほど腐っちゃいねぇよ」 唐十郎「まぁ流石にそうか。どんな奴なんだろうなー」 下校時−−− 唐十郎「………じゃあ佐々木、また明日なー!」 佐々木「おう、気をつけろよー………だけど、昼帰りだからまだ時間あるな。ちょっと遠回りでもするか」 ?「……………オラ!」 佐々木「ん? 公園の方からなんか聞こえたな………暇だし行ってみるか」 ?「………オラァ! どうだ、これで反省したか⁉︎」 男1「ひ、ひぃ! もう反省しました、反省しましたから!」 男2「だからもう許してください!」 ?「前もそれ言って、今回もやってんだろ! 仏の顔も1度までだ!」 男1「ひぃ! やめて‼︎」 パシッ ?「な⁉︎」 佐々木「………これは人を殴るためじゃなく球を打つもんだ。あと、仏の顔は3度までだよ」 ?「な、何者だお前!」 男1「今だ! に、逃げるぞー!」 男2「おうよ!」 ?「あ、おい!…………お前のせいだぞ、この手離しやがれ!」 佐々木「とりあえず……落ち着いて!」 グルン! ?「ウォォォ⁉︎」 ドシャ 佐々木「クゥー、腕が……! 慣れないことはするもんじゃないな」 ?「イッテテ………」 佐々木「………ごめんな、ちょっと頭冷やしてほしいだけだったんだ。立てる?」 ?「………あぁ」 佐々木「……とりあえず話を聞かせてくれる?」 佐々木「……さて、君の名前は?」 ?「…………槌会、槌会撃だよ」 佐々木「そうなんだ(………まぁ半分気づいてたけど……でも5年で見た目って変わるものだな。成長期って凄いな……)」 撃「それでアンタの名前はなんだ?」 佐々木「あ、あぁ、名前は佐々木航太郎だよ。よろしく」 撃「………アンタ合気道でもやってるのか? バットを掴んで体を捻るなんて」 佐々木「まぁ似たようなことはしてたかな………それで? なんであんな真似を?」 撃「………アイツら俺の友達から金巻き上げたり、パシリにしてるんだ……! だから懲らしめてやったのにまたやったから………」 佐々木「なるほどな………理由は理解できたけど、やり方がダメだ。暴力は最悪手段なんだからな」 撃「……………」 佐々木「だからまずは暴力より大人とか先生に相談するべきだ………まぁその大人が信頼できないから暴力に頼ったのかも知れないけどさ」 撃「……………アンタは思ったより信頼できそうな気がするな。先生にでもなったらどうだ?」 佐々木「残念だけど私の夢は小説家だね。とりあえず………はいこれ」 撃「これは…………電話番号?」 佐々木「あぁ、何か困ったら掛けてくると良いよ」 撃「………ありがたく貰っとくぜ」 佐々木「えぇ、とりあえずもう家に帰りなさい。お腹も空いてるでしょうから」 撃「おうよ…………おい!」 佐々木「ん? 何ですか?」 撃「………感謝しとくぜ、佐々木のおっちゃん」 佐々木「…………そう呼ばれるのは嬉しいもんだな」 撃「ふぅ、結構暴れて腹減ったな……」 ?「よぉー、少年!」 撃「あ? お前らは………マジで懲りないな」 男2「へっ! 今回は違うぜ、鬼丈先輩を連れてきたからな!」 鬼丈「………お前がコイツらを可愛がってくれたのか?」 撃「あぁ、そうだ!(コイツ、ガタイが桁違いだ……)」 鬼丈「なぁ知ってるか。お前の友達は今、あの公園で遊んでるらしいぞ」 撃「…………何が言いたいんだ?」 鬼丈「付いてきてくるなら手は出さない………だが、来なかったらどうなるかなー?」 撃「………チッ、俺が行くから手は出すなよ」 鬼丈「あぁ、約束するよ」 撃「………………」 ピッ 鬼丈「…………オラァ!」 撃「グフ‼︎」 鬼丈「…………ハァハァ、思ったよりタフな小僧だ……!」 撃「………こんな攻撃、屁でもねぇぜ!」 鬼丈「何だと⁉︎ オラ!」 撃「グハ……!」 鬼丈「おい、あれ持ってこい!」 男2「へ、へい!」 鬼丈「………ヘッヘッヘ、これ見ろよ。特別に改造した警棒だ………鉄すら曲げられるぜ」 撃「…………(流石にあれ喰らったらマズイ……!)」 鬼丈「じゃあな………死ねぇ!」 撃「……クッ!」 バリーン! 鬼丈「な、何だ⁉︎」 ?「一旦眠っとけ!」 男1「グヘ⁉︎」 男2「ち、ちょっと待っ……ピギ⁉︎」 撃「あ、アンタは……佐々木のおっちゃん⁉︎」 鬼丈「クソ、なんでこの場所が分かった⁉︎」 佐々木「これに助かったよ………子供を舐めちゃいけないよ」 鬼丈「それは………携帯電話か!」 佐々木「あぁ、撃が電話を私に掛けてきた。あとは話聞いてたら分かるさ………場所を特定するまでに結構掛かったけどな」 撃「…………遅いから、凄え暇しちまったぞ」 佐々木「冗談いう余裕があるなら大丈夫です。待っててください、今片付けますから……!」 鬼丈「舐めやがって………お前も潰してやる!」 佐々木「…………ハァハァ、言葉だけじゃねぇみたいだな」 鬼丈「お前も中々やるじゃねぇか………! だが、これで終わりだー!」 ガン! 佐々木「グハ………!」 鬼丈「………ハァハァ…………次はお前だな」 撃「………クッ」 佐々木「………まだ終わってねぇぞ」 鬼丈「……な! どんだけタフなんだよ………」 佐々木「こんなので倒れてたまるか………! 喰らっとけ、3連舞踏脚!」 鬼丈「…………ゴバァ‼︎」 ガッシャーン! 佐々木「………ハァハァ………俺の…勝ちだ!」 撃「す、凄え……」 ピーポーピーポー 佐々木「やっと来たか………流石に正当防衛かな」 警察「………さっさと歩け!」 男1「クソ、離しやがれ!」 男2「もう諦めろよ………こんな場所で暴れても良いことないぜ。鬼丈先輩も気絶して救急車に運ばれてるし」 警察「……………状況は分かりました、とりあえずお二人も救急車に乗ってもらいます。事情聴取は後日行いますが、すぐ終わることでしょう」 佐々木「それはありがとうございます」 警察「今準備するので少々お待ちください」 撃「…………なぁアンタ」 佐々木「ん? どうしたんですか?」 撃「………助けてくれてありがとよ。あと、アンタ強いんだな」 佐々木「えぇ、でもこれで分かりましたか? 暴力は最終手段ってことが」 撃「あぁ、身に染みて分かったよ」 佐々木「だけど、友達を守るために手を出さないのは見事に天晴れです」 撃「ありがとよ………俺はアンタの事が気に入ったぜ!」 佐々木「それは光栄なことだ………こちらこそだよ」 撃「ふっ、なら本当に宜しくな! 佐々木のおっちゃ……いや、兄さん!」 佐々木「おうよ、撃くん!」 ケース7 青春邂逅録 続く

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佐々木航太郎の心霊事件簿 ケース7