悲恋桜雲
世界で一番長い距離は地球の両極ではなく、僕は君の目の前にいるのに、君は僕が君を愛しているって知らないのだ
20◯◯年4月7日 晴れ
眠りから目が覚めたら、平野がどこまでも続いていました。それが空と平行になっていて、僕はその間にいるのでこの景色を全部目に収めることができたのです。特に綺麗なのはやっぱり平野だ、ウサギは活気に満ちいているし、ツバメは自由と空を飛び回っているし、蝶々とかが戯れているのを見ているとまだ意識が少し朦朧としている僕でもテンションがあがります。
僕の視線が景色に引き寄せられてから5分くらい経つと、僕がもたれている桜の木からある花びらが目の前に舞い落ちてきました。普通のピンク色の花びらだったのに、何かが違う...いや、実は僕、そういうピンクの花びらを見つめるたびに思い出すのです。あの頃の記憶にある全ての出来事が、星空に宿っていて離れられない星々のように僕の脳裏に残っています。
あの頃は別に特別な出来事はありませんでした、強いて言うなら、彼女のことだと思います。簡単に紹介しますと彼女は誰よりも美しくて優しかった、そして彼女の心は赤色ではなく、ピンク色なのです。何もおかしくはありませんのでびっくりしないで欲しいのですが、ピンク色になった理由としては彼女の魂は桜本体かもしれないからです。今は桜と関係のあるものを見るだけで彼女のことを思い出します。
彼女の美しさは絶対に言葉では表現できません、できるとしても、相当な語彙力が必要だと僕は思っています。まず彼女の後ろ姿はすごく端麗で、夜空にある流れ星みたいなサラサラの黒い髪の毛はまるで洗練でもされていたじゃないかって人に思わせるほど素晴らしいなのです。しかも春の光風によってその髪の毛はもっと輝く見えるので、いつのまにか好きな季節は春になってしまったのです、前まではずっと秋でした。
彼女の目は彼女の体全体で最も不思議な部分です、だって、宝石そのものだと言っても過言ではありません。よーく見つめるとその煌めきに吸い込まれるかもしれないので、そこは気をつけてください、ここで忠告させてもらいます。