踏んづけられた猫

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踏んづけられた猫

気軽に読んでいただけると嬉しいです😃 ハートメチャクチャ喜びます お題募集しています 日本人ですが日本語不自由です

恋せぬ乙女、旬を過ぎ 3

 アタシは何も持たない  アタシに特徴は無く  只、平凡な「女」でしかない  もう誰の特別でもない私を  彼は求めた    アタシは彼を知らない  知ろうとする気もない  一時の関係  唯一知っているのは  可哀想な人  愛されている人  悶えて、苦しんで、人間らしい人  縛られた人  だと言う事    美しい人を見た  彼の近くにいる  アタシを睨みつける人  綺麗だが、確かに「男」であった  「愛」の塊のような  「母」のような  アタシより「女」でもあった  不思議な人  魅力的な人    アタシにはもう時間がない  若さに死が訪れる  何でもないアタシを  何でもない誰かに捧げなければならない  遊びは終わり  自分を見つける事は出来なかった  悲しき「女」  まあ、どうでもいい    彼はアタシに謝罪した  可哀想な人  アタシは何も気にしていないのに  彼に謝られると不思議な気持ちになる  許しではない  怒りでもない  嗚呼、アタシは楽しかったのだ  彼といるのが  彼と普通を演じるのが  嗚呼、離れ難い  さようなら、愛しい人    、、、    さあ!  「女」は終わり!  アタシはもう熟れ過ぎた!  まあ、どうでもいい!    あの二人は元気かな?

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恋焦がれ、嘘に沈む 2

 僕は君を愛している  僕はあの娘を利用する  あの娘のおかげで  僕は「普通」に見える  あの娘のおかげで  君のその僕への愛は  歪み、増し、深くなる    僕はしっかりしたモノが好き  木箱に収まった積木  綺麗に畳んだ服  隙間のない煉瓦道  野菜も好きだ  肉や魚より食感がしっかりしている    僕は君に嘘をつく  愛されたいから  子供のように駄々をこねる  猫のように走り回り  気まぐれに  君に支えられる    全て反対にする  好みも、感情も、仕草も  嘘でできた僕を君は愛する    、、、    あはは!  この世界はとても綺麗だ  君もそう思わないか?  特に夜が好き!  きらきらしたものが引き立つから  いやっ!  僕は君のつくる料理が嫌い!  野菜が入っているから  それだけ嫌い  何度言っても食べさせてくるから  僕は逃げて部屋に籠る!  『次はどうしよう、どうしたら面白い   どうしたら君の愛は深まる   思考が巡る、とりあえず、、、   部屋を荒らしておこう』  お腹が空いた!  僕はステーキが食べたいな!    、、、    僕はあの娘に謝らなければならない  僕はあの娘の時間を奪った  あの娘のきらきらした時間  何にも変えられない  大切な「若さ」という時間  ごめんなさい  ごめんなさい  あの娘の前にいる僕はもう原型がない  嘘を重ねすぎて発狂してしまいそうになる  でも、本当の僕は普通じゃない  普通にならないと  耐えないと  僕は僕のことしか考えていない  自覚はある  こんな僕に付き合わせて  ごめんなさい    嗚呼、辛い  本当に  君に愛されたい  本当の僕を君は愛さないだろう  つまらない、歪んだ僕を    君は泣いていた  どうしてかは分からない  笑わないと  笑顔をつくらないと  嘘をつかないと    本当の僕を、君は愛してくれる?  

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恋焦がれ、嫉妬に溺れる 1

 貴方をどんなに愛しても  貴方は私を愛しはしない  綺麗な、可憐な、あの娘を愛す    私は「アレ」よりも貴方を知っている  貴方はキラキラした物が好き  花火、星、雷、貴方はよく空を見上げている  そうだっ  私の泣いた顔も好きなはずだ  貴方は野菜が嫌い  食事に入れると嫌そうな顔をし、怒る  無理やり食べさせると何も喋らなくなる  その姿はとても可愛らしい  が、  拗ねると厄介で、部屋から出て来なくなる  まあ、お腹が空いたら出てくるのだが、  自分で自分を監禁する貴方が  本っ当に愛らしい    アレは貴方をよく知らない  アレは貴方の笑顔しか知らない  アレが食事に野菜を入れても  貴方は嬉しそうに食べる  後で吐いていることを私は知っている  私で貴方は出来ている  それでも貴方はアレを愛す    アレは私とは違う  特徴はほとんど似ている  長い髪、白い肌、綺麗なラインの身体  でもアレは何故か私より弱々しく見える 「強い」と「弱い」では「強い」方が得だ  なのに貴方は「弱い」方を選ぶ  意味がわからない  貴方は一人では何も出来ない  健康的な食事も、少しの仕事も  お風呂だって私に促されないと入らない    、、、嗚呼  貴方は「女」が好きなのか  私が持っていない、一生持つことが出来ない  変えられないもの  私が貴方に愛してもらうには 「生」からやり直さなければいけないのか  、、、嗚呼でも!  貴方には私が必要で!  、、、嗚呼、でも、  貴方の眼は私を映さない  分かっていたのかもしれない  最初から  私に足りないものをあの娘は全て持っている  それを貴方は強く求めている  きっとあの娘も長く貴方と居れば  好きなものを知り、嫌いなものを知り  お互いに支え合うのだろう  私のように一方的ではなく  愛し合い続けるのだろう    あなたにわたしはいらない  うん、でも、あなたが、もし、  今私の目の前に現れたら  きっと、笑って、  嗚呼、嗚呼、  私は泣く事しか出来ない  どうしても、貴方に、愛され、たい  美しいあの娘のように  

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朝の卓の上より

 朝が来た  真っ暗な朝  数字を見て起きる朝  軋む身体を起こし  軋む廊下を歩き  キッチンに立ち  沢山の餌を作る    光が来た  陽が顔を出す  足音が鳴る  トットット  小さな足音  大きな足音    ひよこが来た  小さな二匹  私を害する賑やかな命  嗚呼、  私はいつから奴隷になった?    怪物が来た  大きな一匹  私を害する最悪な命  嗚呼、  私はいつ、貴方を愛した?    怒りが来た  餌だったモノがある  ミチャミチャミチャ  小さな心  大きな害    朝がきた  眩しい朝  数字を見て急ぐ朝  軋む身体を動かし  軋む廊下を歩き  汚れた鏡の前に立つ    目の前に怪物がいる  醜く歪んだ酷い顔  嗚呼、  私が怪物か  美しい命を愛せず  愛したはずの命さえ忘れてしまった  嗚呼、  私は怪物だ  もう何も出来ない  もう何も話すことが出来ない  美しく、愛する命を守る為に  私は、  怪物を、  消す。    「嗚呼、どうか、笑顔が消えませんように」  

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