おかき
67 件の小説おかき
こんにちは!おかきです おかきよりせんべい派ですけどね😅 いろんなジャンルの短い物語を ちょこちょこ出していきます 難しい表現はごめんなさい!無理笑 アイデア貰えたらうれしいです!
はなし
む、かし、むか。ちがう。 バイク、お題。バイク。 バ、イク、旅人? 書ける?書け、る? はず、はずかしい。 でも、でも、やってみるか。 明け方が綺麗だった 日暮れが綺麗だった 女の子と男の子かな 白い髪の女の子好きだな 銀色…いや、月の色かな 言葉って難しい ファンタジーを書いてみたい。 私は弓矢が好きだから、弓を使わせようかな 髪は…若草色とかかな 草原を駆け巡って、木に登り、 仲間と魔王を倒してほしいな 名前…ちょっと意味もたしてみるか ドイツ語とかかっこいいよな 言葉って楽しい 死にたい。死にたい。 お話なんて書いてられない 死にたい。やだ、やだ。 生きたくない。生きたい。死にたい。しきたい。 なんで、なんで。 傷つけたいのに傷つけたくない。 言いたいこと、吐き出そう。ごめんなさい。 言葉って苦しい いそがしい。時間がない。 寝れない。寝たいな 友達、友達、みんな消えた。 思い、あるの、に。ことばにしたいのに。 まだ、まだ、あるるのに。 ぼ、ぼたんのおんなのこ。 ゆゆきときつつつたねのおとここ ある、ある。まだ、まだかきたい。 やだ、やだ、やだ。 こわれる、ことばがあ、ああるのに、 かたちちちにでき、ない お、かき、がこわれる ちょっ、と、まっ、てて
「犬を僕は飼いました」
−7時半 目覚ましのアラームのピピピという音で 目を覚ます 青いそれがやかましくて、思わずダンと叩いた 階段を勢いよく降りる 『おはよー』 『おはよう!朝ごはん置いてあるよ!』 パジャマ姿のまま朝ごはんを食べる 僕のお気に入りの赤いお皿に盛られたご飯を ガツガツと食べる 『タロウ、今日学校休みでしょ? ちょっとあの子の散歩お願いしてもいい?』 『いいよ!』 食べ終わった食器をお母さんに渡して 代わりにアイツの散歩セットをもらう 『健太ー!お散歩行くぞー』 うちのペットの健太だ 青い首輪が黒い毛によく映える そんな健太が今日はお散歩の気分ではないようで カタカタと震えてそこから動こうとしない 『健太ー。お散歩いこーよー』 優しく撫でてやるが 全く動く気配がない 『今日は寒いからね… 健太もお散歩行きたくないのかもねぇ』 お母さんも食べ終わったようで 手を綺麗にしながらぼやいた 『じゃあ、僕勉強する!』 『お!えらいじゃーん? お母さん、お昼くらいにお仕事行くから まだ家にいるからねー。』 そう言ってお母さんも健太のほうに寄ってきた 『あ、そういえばさ。 お隣のお家の…えーと…』 『空くん?』 『そうそう!空くん逃げちゃったらしいよー?』 『えー⁉︎なんかポスターあったけど あれ、空くんだったんだ…』 『そうね…ミイちゃん。大丈夫かしら。』 『ミイちゃん、いつも楽しそうに 空くんのことお散歩させてたもんね。』 『健太のことも大事にしなきゃね』 そう言うとお母さんは立ち上がって 掃除を始めた 僕も青いランドセルから 教科書を取り出す お母さんが壁からひょこりと 顔を出した 『ねえー。これなにか分かる?』 『紙?なんかツヤツヤしてるね。 あ、これ健太にちょっと似てる!』 『あ!思い出した! これ、健太の赤ちゃんの頃の写真だ!』 『なんか大きいのもいるね?』 『お父さんとお母さんと…お兄ちゃんかな? 健太とやっぱり似てるね!』 『あー!なんか見たことあると思ったらあの時の! 随分若く見えるねー。でもボロくない?』 『うーん、取っといてもアレだし… 捨てちゃおっか?』 『うん!』 お母さんはそれをビリビリと破いて ゴミ箱に捨てた すると、突然健太が泣き出した すぐにゴミ箱に走り寄り漁り出す 『ちょっと健太!それ食べ物じゃないよ!だめ!』 言うことを聞かない 『もー‼︎』 僕はいらついて、健太の背中をバンと叩いた 細い悲鳴をあげて健太が止まる 『こーら!叩かないの! 叩くなら首輪を引っ張りなさい!』 そう言ってお母さんが首輪をぐいと引っ張った 健太の動きが弱々しくなり ゴミ箱から離れ、僕たちの元へ帰ってきた 僕の手を噛んできた 『あはは!くすぐったいよぉ! ほら、許してあげるから。 早くゲージ戻んな?』 やや重い足取りで健太はゲージへと戻った 先ほどできなかった勉強をしようと席に着く 青いランドセルから取り出した ボロボロの教科書を開く 『ちょっと、タロウ。 ボロボロすぎじゃないの? いくらお下がりと言っても…』 『しょうがないじゃん! まだ鉛筆慣れてないんだもん!』 ノートを開いて教科書の文を写す これが終われば宿題が終わる! 『えーと…』 “猫を飼う” “鳥を飛ばす” “犬を散歩させる” 『…?おかぁさーん!』 『なーにー?』 『これ、間違ってるよー!』 『あら、ほんとじゃないの! 先生に言わなきゃね?』 お母さんが赤いペンで教科書にバツと 正しい文字を書いてくれた “猫が飼う” “鳥が飛ばす” “犬が散歩させる” 『これでよし!』 『ねー、お母さん。 まだ新しい教科書できないのかな?』 『しょうがないわよー。 まだあの日から日が経ってないんだから…』 『えー!めんどくさいなぁ…』 でも、あれは楽しかったなぁ 今まで“飼っていた”奴らが “飼われていた”奴らに 襲われた時の顔と言ったら… にしても、あの大きいやつらはうるさかったなぁ まあ、もう消しちゃったけど。 それでも僕はあの子が大好きだったから! あの子は残してあげたんだぁ でもあのランドセルの色とかは嫌いだな… お下がりは僕好きじゃないし 『ね!健太も早くちゃんとした ペット用品とかほしいもんねー』 「…」 悪い子にはお仕置きしなきゃだから 叩かずに青い首輪をぐいと引っ張った 『僕ったらえらい子!』 健太は紫色の舌を出して ハッハッと呼吸し出した 『これからもずぅっと一緒だからねー』 青いランドセルの中にあった ボロボロの教科書には 黒いペンで名前が書かれている 「…」 『いいこいいこー』 「お…とうさん…おかっあ…さ…ん…っ」 “健太”と
メナジェール様の企画に参加しました!(前編)
「六花よ、そこの醤油を取ってくれ」 「えーと、これですか?」 「違う違う。その隣じゃ」 「これ…ソースですよ?」 「そおす とな?醤油ではないのか」 「違いますね。」 休日 朝6時。 和室の畳の上でちゃぶ台を挟んで朝食を食べる 休日ということで今日は少し贅沢だ ネギと豆腐とわかめの味噌汁が湯気をたて まだパチパチと音をたてる焼き塩鮭と ひじきの煮物とふっくらとした梅干し 少し炙った焼き海苔と先ほど削った鰹節が 食欲をそそらせる そこにおひつに入った炊き立ての白米が あるものだからもう最高だ 「ソースはかけない方がいいと思いますよ このままがいちばん美味しいです」 「そういってもらえると作った甲斐があるのう… 卵がなかったのが口惜しいが」 そう、ここに雅さんの作る あの甘い卵焼きがあれば…なんて贅沢すぎるな 頭を振って朝ご飯に集中する 梅干しを一つつまんで鰹節と共に 白米に乗せて湯呑みの緑茶をかける雅が 梅干しを崩す手を止めてこちらを見た 「そういえば其方の扇子を買いに行かぬとな」 「扇子?」 箸を置いて、雅は帯から扇子を取り出した 「わしの扇子はこれじゃな。」 「あ、それっていつも占いに使っている…」 「そうじゃよ。 まあ…扇子を口に当てて話せば なんかそれっぽく見えるであろう?」 意外と適当な使い方だった… 「じゃが、本当の使い方は違うのよ。」 雅は手のひらで扇子を弄びながらそう言った 扇子の留め具に赤い組紐で取り付けられた 黄金のとんぼが宙を舞う 「まあ、それは追々じゃな。 とりあえず買いに行かねば」 「分かりました」 結局お茶漬けにソースを試し そのまずさに顔を顰めた雅に苦笑しながら 六花は緑茶を茶碗に注いだ −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 雅と六花は出店の立ち並んでいる通りを 歩いていた 和傘、着物、巾着袋、煙管に手拭いと 様々な品物が売られていて活気付いていた 「すごいですね…」 「うん?ここに連れてくるのは初めてであったか 良いであろう?」 普段のものとは違う 紺色に染められた着物を着て赤い番傘をさす雅は 雅の私物である白い着物を着て フードのようなものが付いている 半透明の白い羽織に袖を通した六花に微笑んだ ここの街は確かに活気付いている ただ一つおかしな点があるとすれば… 「あの、雅さん」 「なんじゃ?」 「あの、えーと。 ここにいるの、人間だけじゃないですよね」 「…うーん」 「なんか妖いません?」 「…うむ」 「僕ら襲われませんよね」 「襲われるぞ?」 「冗談ですよね?」 「…む」 「雅さん?冗談ですよね?」 「…行こうか!」 「えぇ…」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− 騒がしい通りを抜けて、路地裏に入る 先ほどの太鼓や笛の音は遠ざかり 進むにつれて辺りは暗くなってきた 暗闇の奥に仄暗い提灯を 一つ吊り下げた小さな木の店が見えてきた 雅は牡丹が染め上げられた暖簾をくぐった 「じゃまするぞー!」 店の中は明るく、一人の女性が品物を並べていた 「あら、雅様じゃないですか! お久しぶりでございます」 「そなたも変わりないようで何よりじゃ! 」 雅さんはこちらを振り返った 「六花、こやつは小梅。扇子職人じゃ。 そしてここは、わしの行きつけの扇子屋じゃよ」 「初めまして、六花様!小梅と申します」 そう言って微笑んだ女性…小梅さんは 絹のような白髪を後ろで一つにまとめていて 薄桃の着物に濃い赤色の帯と 髪のお団子に揺れる梅の簪は 小梅さんのためにあるように、よく似合っていた 「何でもお申し付けください! あ、今二人も呼んできます」 そう言って小梅さんは店の奥に行ってしまった 「雅さん、なんで扇子を?」 「それはまたあとでじゃな」 風が吹いた 暖簾から一人の少女が顔を出した 小梅を反対にしたような少女は 黒い艶やかな髪を肩口で切りそろえ 青い目を眠そうに擦りながらやってきた 男物の黒い着物に紺色の帯を合わせていて 青みがかった蕾のかんざしはよく似合っている 「小梅…どうし…あ。雅様」 「久しいのう、つぼみ!」 「お久しぶりです。あの…その方は」 「ああ、そうじゃったな こやつはつぼみ。 先の小梅は扇子を作る専門じゃったが こやつは…いや。あとでいいか。」 つぼみさんは指先をそろえて深く礼をした 「これからもご贔屓に。六花様。」 「よろしくお願いします! あれ…なんで僕の名前…」 きっと暖簾の奥で聞こえていたのだろう 風が吹いた てーん 風が吹いた てーんてん てんてんてんてん…ころころ…とん 手毬が一つ転がってきた 「あれ。なにこれ」 風が吹いた てとてとてとてと…くいっ 着物の裾が引っ張られる 風が吹いた 「おにーさん。」 風が吹いた 「ん?どうしたの?」 目線を合わせようとしゃがむ 五、六つだろうか。 小さい子だ。 風が吹いた 少し緑のような色が混じった艶やかな長髪が ぱさりと一房揺れる 俯いていて顔は見えない 風が吹いた ゆっくりと 顔が上がる 風が吹いた 目を細めて微笑んでいる 可愛いらしい顔立ちだ 毱で遊んでいたのだろう だが髪は乱れておらず 鮮やかな牡丹が咲く着物も乱れていない 「君はだ」“目”が開いた 「あそぼ」 鮮やかな牡丹だ 赤い牡丹だ、花びらが舞っている 風が吹いている これ、目なんだなぁ。花吹雪も綺麗 雅さん、何してるんだろうな あれ、体が、うご、か。な、あ。 「下がれ。」 音と衝撃 暖かい 雅さんの匂いだ 雅さん、急に何言ってんだろ 雅さん? 無意識に閉じていた目をゆっくりと開けた 暖かさの正体はやっぱり雅さんだった 『雅さんって、あったかいよなぁ。 手も大きいし、腕も長いし。 あの腕の中は天国なんだろうなぁ。』 そうそう。こんなふうに。 ん。あれ? 遠くにあの女の子 僕は雅さんに抱えられている 僕をしっかりと横抱きにしていて 床に片膝をついている 鼻が触れ合いそうなほどに顔が近い 「〜…っ⁉︎」 横抱きされているような状態で 雅さんとの顔の距離は十センチほどしかなかった いつもの笑顔は鳴りを潜めて 口は笑っているのだが目が笑っていない それと、近い 「ふ、ふえ。」 「キャハハハハッ」 甲高い、それでいて無邪気な声が聞こえる 「ははは。」 あ、まずいかも。 今日雅さんのお面持ってくるの忘れた… みしり…ぎい…ぎい…ぴしり。 ばりばりばりばりばりばりばり。 絶対に家からしてはいけない音がなる 女の子に駆け寄ろうとしたつぼみと小梅が へたりと膝をついた 僕のほうにはむけていないはずなのに それでも肌がビリビリと震える それは殺気 そしてそれは雅さんが真っ直ぐに見つめる 女の子に向けられていた しかし女の子は汗ひとつかいていない 僕を支えていた手をゆっくりと離して 僕の目の前に立つと雅さんは腰の刀に手を添えた アワアワとする僕と違って 小梅さんとつぼみさんはため息を吐いている 「あー。またか。」とでも言うように 女の子の口元が弧を描く 勢いよくあげられた顔には 真っ赤な牡丹の目がらんらんと光っていた 「いつから人の子など守るようになった? 丸くなったねぇ、クソ狐‼︎」 「ピーピーうるさいのう… 一度黙れ。いや、黙らせようか?こわっぱ。」 だれかたすけて…
死にたいわけじゃなくて
死にたいわけじゃないんだ ただ逃げたいだけなんだ 急に変なこと言ってると思うかもしれない。 でも同じことを思っている人がいたら 少しだけ聞いてほしい ある時「死にたい」って思った 絶望した 私にそんなことが起きるなんて思わなかったから でも自殺方法を色々と考えても 痛いのは嫌だし、苦しいのは嫌だった それで気づいた ただ苦しいだけなんだって 逃げるために死にたいだけなんだって でも親とか友達とか先生に相談しても きっと皆は「自殺すること」しか見てくれないし きっと反対する じゃあどうしろって言うの? 生きる権利があるのなら 死ぬ権利はなぜないの? 保健室の先生に相談したら きっと親にも知らされるのだろう 友達に相談したら きっとまた嫌な思いをさせてしまうのだろう だから抱え込んだ 全部全部 抱えきれない部分は レグカで凌いだ でも今日。 私の努力は努力じゃなかったことが分かった 今までよりもずっとずっと頑張らなきゃいけない 辛くて。苦しくて。 塾の帰り道で歩きながら声を殺して泣いた 胸が苦しい スマホの画面が涙で滲む 息が震える 「家に帰ったら勉強しないとな。」 「今までのじゃ足りないなら 3時くらいまで勉強したらいいのかな。」 「新しく買ったカミソリ切れ味いいのかな。」 「明日、私が消えたらいいのにな」 そんなことを思いながら 私はこれを書いています
がんばるなー
なんか疲れたよなぁ あ、こんにちはー。 元気ですかー? なんてね。 今何してます?私は今ひとりぼっちです。 まあダラダラとちょっと話すんで 暇だったら少し覗いてってください あのねー、なんかさー。 こう…皆頑張りすぎてるなーって思ってさ。 多分これを見てるあなたも同じなんだけど すごい頑張ってるなーって。 自分なんて…とか思う人いるかもしれないけどさ 今生きて、ご飯食べて、ちゃんと寝て。 それに加えて私の話を聞いてくれるんだから もうすんごい頑張ってるよ。 でもさー、周りの人たちが求めすぎなんだよね 周りの人たちの理想高すぎるよね笑 自分では頑張ってるのにさ、 それを認めてもらえないというか。 学校ではさ、頑張るのが当たり前なんだよね。 辛いよなぁ 頑張らないと自分を見る目が変わるからなぁ 頑張らないといけないのに辛いよな 私今学生だから大人のことは分からないけど 多分大人も大変なんだろうなって。 学生よりももっと頑張らなきゃだしね 辛いよなぁ 苦しいよなぁ なんかたまにさ、 もう何もしたくないなーとか 動きたくない時があるんだよね 今まさにその状態笑 もっと楽に生きられたらいいのにね 息が詰まっちゃうよなぁ 最近楽しいって心から思えなくなっちゃったし。 あのね、自分の話になっちゃうんだけど 最近レグカ始めたの。太もも切るやつ。 なんかやめられなくなっちゃってねー でも罪悪感はやっぱりあるし。 で、この前それ関係で友達を傷つけちゃって。 自傷なのに他人傷つけて どうすんだーって感じだよね笑 だからもう誰にも助けを求めないって決めたんだ みんなはさ、今息できてる? ご飯食べれてる? 心の奥底をさらけ出せる人っている? なんかダラダラと話しちゃったけどさ。 みんな、そんな頑張らないでいいからね。 みんなが思っている以上に 皆もう頑張ってるから。 もっと手抜いて生きていいよ。楽していこう? 頑張っているみんなが 頑張らなくなりますように ほんじゃ、バイバーイ
サンドウィッチ 中
『なーなー。』 『…』 『え。無視…?俺傷ついちゃうなぁー‼︎』 『…うるさい』 『ねー、パンはパンでも 食べられないパンってなーんだ?』 『それ前も聞いたんだけど…』 『え、じゃあ違うのにする?』 『いや、だm『てか、このパン砂みたいに硬い…』 『話を聞いてない…』 『なははー。』 あれはいつだったかな…−−−−? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− タン…タン…タン…タン 薄汚れたコンクリートに足音が響く 時折牢人共の悲鳴や鮮やかな液体が足元に流れる 足音は一人のものだが影は一つでなかった 「ねーねー」 「…」 「ーね」 「…」 「 ? る て い 聞 」 「…」 「ねーったらぁ」 「…っ」 「だー!もう!うるさい」 「なははー」 囚人番号七三二番のこの魔女は 先ほど見せた得体の知れなさを潜め 俺の下から、上から、横から 縦横無尽に飛び出してきて話しかけてくる まるでモグラ叩きのように 「ねーパンはパンでも「それもう聞いたぞ」 「なははー。じゃあどうしよっかなぁ」 「頼むから黙ってくれよ…」 本当になんなんだこいつは。 だがそいつとここを脱獄しようとしている俺も なかなかにイカれちまっているのも事実だ 本当になんなんだよ… 「まあまあー。そんな焦らなくてもいいでしょー」 そう言って銀髪をゆらゆらと揺らすこいつは 赤黒い液体が滴る天井から生えている かと思えば俺と同じように横に並び 歩くような動作をし始めた だが若干浮いているのか足音はしない 突っ込むのはやめておこう 「お前。」 「先言ったこともう忘れたの?なーまーえ!」 「さ…いや、無理だ。」 「ちぇっ!つまんないのー」 分かれ道に出た。 前方 右斜め 右 左 左斜め その分かれ道の多さに苦しめられた者たちが いることは足元に転がる骨が物語っている 口を分かりやすく尖らせたこいつは 俺の前に出て、迷いなく右斜めへ進んだ そればかりか、俺が感情に浸っていたはずの骨が こいつの後ろに雛鳥のように着いてきている こいつが指を振れば骨は踊りだし こいつが拳を握れば骨は鎮まる 「…やめてくれ。夢に出てきそうだ」 「ねえ。」 「なんだ」 「三本の骨だね」 「それがどうし…言うなよ。」 「三本の骨…」 「言うな「3ボーン‼︎」言うなってぇ…」 「なはははー」 彼女はベッドに倒れ掛かるように空中に横になり おかしくてたまらないというように笑った 落ち着いたのを見計らって 後ろでヒーヒー言っている彼女に 俺は気になっていたことを吐き出した 「お前ってなんでそんな笑うんだよ。」 「…へ?」 「くだらないことばっか言ってるだろ? ダジャレとかダジャレとか」 何も返ってこない 「なー。聞いてるの…か…」 「君が…」 彼女は笑っていた 「君がそれ…言っちゃうかぁ…」 あのやかましい笑い方ではなかった だけど何故かこれはダメな気がする ダメな顔だ 「なんでもな「いいよ。答えたげる」 彼女は俺の前にすいと入り込むと 微笑んで口を開いた 『「つまんない世界なんて意味ないだろ?」』 彼女はそう言って先に進んでしまった −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− −何年前のことだったか。 もう何十年。下手すれば何百年も前だ。 『…ぁ。』 そうだ。このやかましい声だ。 『お……ぁ』 この優し『なあって‼︎』くはなかったな。 『うるさいわね!ほんとに! あなたもう少し囚人らしくいなさいよ!』 『暇なんだよぉー! なんか話そうぜ サリア』 『看守の名前を呼ぶ囚人なんて初めてだわ』 『マジで⁉︎よっしゃ!』 『喜ぶとこじゃないわよ』 『なあなあ!知ってる? ◯ォーリーを探せ! ってあるだろ?』 『話聞きなさいよ』 『あいつの服がしましまなのって、 あいつが脱獄した囚人で 今も逃げてるかららしいぜ!』 『絶対に囚人がする話じゃないと思う』 『面白いよなぁ』 『話聞きなさいよ(二回目)』 この人はいつもこんなんだ。 この人がどんな罪を犯したかは知らない ただ一つ知っているのはこの人が 私と同じ13歳だということ。 私はたまたま監獄の関係者に拾われた捨て子で この人は子供ながら大罪を犯した…らしい 『でもいつか世界を旅してみたいよなぁ』 『できるわけないじゃない』 『そうだよなぁ。俺死刑だもんなぁ』 彼は私の目をふいにじっと見つめた 『何よ』 『…別に』 『あっそう。』 『なあ』 『だからなに』 『…サリア。』 『だから名前で呼ぶなって『聞け』 私はその時の彼の顔も声も覚えている 『お前、俺を置いていけよ?』 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「そのまま行けばいいのか⁉︎」 「うん。このまま真っ直ぐ行って 右に曲がったところの足元の通気口から 地下一階に出て、そこから階段登れば出れる」 本物の看守たちが気づいたようで 俺たちを追ってきた だが彼女は迷いなく飛んでいくので 俺はそれを追いかける 「てか、なんでお前この道知ってるんだよ! 俺でも知らなかったぞ」 「女の勘ってやつよ♡」 だがそんな順調にいくわけがなかった 「…っ!行き止まりだ!」 進む先には少し歪んだ金属の壁が立ちはだかる 「ふーん。」 「どうする」 「休もっかー」 「は?」 彼女は腰を下ろして壁に寄りかかった 「どうせ来ないだろうし」 ______________________ ______ 「ここ、座りなよ」 彼女は隣をポンと叩く 「…追手が来るかも知れないぞ」 「大丈夫大丈夫。さっきね、結界貼ったから」 こいつはとんでもないことをさらっと言うな… 「本当に大丈夫なんだな?」 「大丈夫だって!休んでな」 ________ __________ __________ 隣に恐らくまだ成人してもいない青年が眠る 「…」 ただの青年なら良かった 「…」 なんの関係もない青年なら良かった 「…」 このまま二人でここを出たかった 「ごめんね。」 ___________ ______ _________ _ ああ。またこの夢だ 『おい、サリア!』 もう戻れない 『お前何歳なんだ?』 戻りたくない 夢 『え⁉︎俺と同い年⁉︎よっしゃぁ!』 『看守と同い年で喜ぶ囚人が この世界のどこにいるってのよ…』 『え?ここ。』 あの頃はよかったな 『なあサリアー。ここのパンやっぱ固えって…』 『囚人にはそれがお似合いよ』 『砂みたいに固い…あ。』 『私なんとなくあなたが言うことわかったわ…』 『砂(さんど)ウィッチじゃん!』 『言うと思った』 『なはは!』 最初は仕事を無駄に増やす囚人と思ってた 『なあサリア!知ってるか? 笑いすぎて死んだやつがいるんだってよ!』 まあ。それは今でも思ってるけど でも後にその人が私に話しかけるのは 私が他の囚人の世話に行って 危害を加えられないように 時間を稼いでると知った 今もあの時もあの人に恋なんかしていない これは恋愛感情なのかは私も分からない 『サリアー。お前もっと笑えよ? ほら、口にっこりして なはは!って』 あの人が何の罪を犯したかは 教えてもらえなかったけど それでも少しだけ… 少しだけ今まで出会った人よりも心を許せた 『知ってるか?サリア!』 だから許して欲しいとは言わない 『サリア!』 −あの時のことを 『サリア!逃げろ!』 炎ってこんなに熱かったんだなぁ 初めて知った 「サリア!もうすぐそこまで来てる! お前は何も悪くないんだから逃げろ!」 この人はこんな時も私を気遣う なんで、こうなったんだっけ。 そうだ。王様がこの人を殺そうとしたんだ 死刑にしちゃうと民にバレちゃうから。 牢獄もろとも燃やそうとしたんだった。 「おい!サリア!」 逃げなきゃ 「お前ここの道わかるだろ⁉︎ 早く逃げろ‼︎」 囚人なんだから死んで当然だよね 放っておこう。すぐ焼け死ぬ。 「お前ちゃんと飯食えよ?」 ただうるさい囚人で迷惑な奴だった 「あ、人には優しくするんだぞ たくさん笑ってたくさん笑わせろ!」 死んでせいせいする 「俺は結構お前といれて楽しかった」 さてと。確かここをまっすぐ行ったら出れるな 「元気でな。」 手が痛い。 あれ?なんでだ。 「…さ、りあ」 なんで。わ、たし。ないてるんだ 「さ…りあ」 そっか。わたし。 わたし。 「…ばっかじゃないの…っ⁉︎」 この人を死なせたくないんだ 「あなたを置いていけるわけがないでしょう⁉︎」 手から血が出る 流石に鉄格子は殴っても折れないか 「サリア…サリア…手が。 手から血が。」 「いいから黙って!」 この人を助けたい 助けたい 「…か…みさまっ… かみさま…! 私はいいからこの人を助けて…っ」 多分この時だった 私が“魔法使い”になったのは 気づけば私の右手に青白い炎が揺らいでいた 「サリアっ…手が燃えてる…‼︎ 早く逃げろ!お前も死ぬぞ!」 「熱くないから大丈夫 それよりも早くこの鉄格子を…っ」 ここの鍵は既に誰かに盗まれていた 炎で鉄格子を溶かそうとする だがそんな奇跡は起こらない 鉄格子は少し熱くなるだけで 溶ける様子は一切なかった 「なん、で。」 神様のせいじゃない 私のせいだ 私のせいで。この人が死んでしまう 「サリア。もういいからお前だけは逃げてくれ」 「そんなこといったって…やだ。」 頬が熱くて、冷たい 制服の首筋が涙で濡れているのが分かる 泣いてる場合ではないのに 泣いていいわけがないのに 彼は鉄格子から腕を伸ばし私の頬を軽く撫でた 「サリア。今しか言わないからよく聞け」 「やだ…やだぁっ…!」 「俺はお前に、生きて欲しい。 お前に、色々な場所に行って生きて欲しい だから、 置いて行け。」 「や…だぁ…」 なんで。なんで。 力はあるのに。助けられない 「ほら。もう行け そろそろ危なくなってくるから」 助けられない 私のせいだ この人を逃がしたい。でもできない 「サリア」 私はこの人と生きたいのに 「サリア?」 あ、分かった 「じゃあ、私と⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎も死のう?」 「は」 そうじゃん。そうしたらいつまでも一緒だ −なぜ。魔女という存在がいるのか −なぜ。杖を使わずとも研究すれば 人も魔法を使えるのに魔女を閉じ込めたか −なぜ。魔女が山にいたか 答えは簡単だ 「そうじゃん」 魔女は魔法使いではない 「みんな殺しちゃえばいい」 魔法使いが人を救う魔法を使うとすれば 魔女は人を物を 「全部こわしちゃえばいい」 壊す魔法を使う サリアの四肢に蔦のような痣がはしった −この時サリアは魔女になった それはまさに死を纏う蔦のようだった サリアが触れていた鉄格子も 燃え盛っていた炎までも この時遠隔でサリアたちを観察していた王も 壊れた 残ったのはいつも通りのコンクリートの壁に 囲まれた彼だけだった 「サリア…」 「あ。壊しちゃった」 これなら別に殺さなくてもいいか あ、でも。私といたらまたこうなっちゃうかな それはやだな 「⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎、そのまま動かないでね」 「サリア」 忘れてもらおう なにもかも 最初からやり直そう ⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎の頭を優しく抱きしめる あ、多分これだ。 記憶の結晶らしきものを感じる 先ほどと同じ感覚で記憶を初期化する ついでに⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎の体も初期化した 腕に残ったのは産声を上げる男児と 記憶が結晶となったものであろう透明な砂 「もう、これでさよならだね。」 赤子の体を優しく抱きしめた −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「…」 懐かしい夢を見た 「まさかこうなっちゃうとはねぇ」 あの時。外に逃した赤子は心優しい人に育てられ スクスクと育った そして、地上の世界に戻った私の前に再び現れた まるで運命かのように 「ちゃんと記憶と体リセットしたのになー」 私を一目見るといきなり抱きついてきて 震えた声で私の名前を呼んだ 私といるとまた不幸な目にあるかもしれない だから、またリセットをした かわいそうだったけど。 「それで終わりだと思ったのになぁ」 なのに、再び私の前に現れた 今度は逆の立場で。 だから私は彼に幾つも質問をした 最初もこの前も13年時を戻したから 13年間、⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎と 同じ記憶になっていないか。 でもそれも杞憂だったようだ 魔法が切れるであろう現在も戻る気配はない 「ま、あんしんだね。これなら出られる」 「ほーら。起きなよ看守さん」 「ん、起きてる」 「寝てたじゃん笑」 目を開けるとあいつは いい笑顔でこちらを見ていた その背後にはボロボロの鉄だったもの 「なん…だこれ。」 「?もともとこうだったよ」 − − − − 「そう…か。」 「さ、行こう」 「ああ。」 「にしても、本当にここに詳しいんだな」 「そりゃここ、何回も通ってるからねー」 「何回くらいだ?」 「えーと。三回かな。あ」 「なんだ」 「三回、魔女が通った」 「やめろって…」 「「三度ウィッチ」」 「なはははは!」 「まったくお前。俺のネタを奪うなよ」 「、は」 「ん?俺のネタ?俺。ダジャレなんか」 「だめ」 「でも、俺ここ通ったことあるよな ?おれは看守?いや、囚人だ」 「だめ」 「こいつは確か…「ダメ‼︎」 『いたぞ!』 「まずい!来るぞサリア!」 「…っ!」 『あいつらは出口まであと五メートルだ! マズイぞ…あのエレベーターに乗られたら…!』 「ハッ!待つわけねえだろ 行こうぜ!サリア!世界を旅するんだろ!」 エレベーターのベルが鳴る
切符を買おう
もう疲れてしまった 逃げたいな 逃げたい。 旅に出たいな 塾のテキストとか学校の教科書も全部捨てて ピシリとした制服も脱いでリボンも取って 友達との連絡先も全部消して 肩にトートバッグをかけて旅に出るんだ 白いパーカーとズボンを履いて 帽子を被って上着もバッグに入れて 髪はシュシュで結って スマホはどこかに捨てよう お気に入りの本を一冊バッグに入れて 旅の途中で思いついたお話を 書き留める手帳とシャーペンも入れよう あとはそれほど多くないわたしの貯金を 財布に詰めてバッグに入れる それで行けるところまで行ってみよう 電車とかバスとか使ってなるべく遠くまで 海の近くがいいな 一日中海を眺めていたいんだ 一人になりたい もう全部嫌になっちゃったんだ もう 疲れたんだ 今ならまだ間に合うかな もうすぐ学校始まっちゃうもんな。 学校に行くのが怖いんだ 友達と話すのが怖いんだ 家で一人なのが怖いんだ 大人はみんな「勉強しろ」って言うんだ 「他の人に差をつけろ」って わたしもっと頑張らなきゃいけないんだって。 わたしがんばってるんだよ? もっとほめてよ。 大人たちからしたらさ、 当たり前のことかもしれないけど 子供にとっては大変なことなんだよ つらいよ。にげたくなるんだよ。 でも、ほめてくれないんでしょ? だからにげたいの。 つらくなっちゃったの。 今ならクラスメイトとかいないから クラスに迷惑かけることとかないよ? ねえ、だめ? …そっか。
星と嘘
この世の黒いもの全てを煮詰めたような色をした空間の中で さらに黒いモノがいた 「…。」 黒いモノは鈍い光を放つ大鎌を手に持ち どんな光もかき消してしまうような 黒のローブを着ていた 俗にいう“死神”というやつだ 「……。」 死神は生き物の生命を狩る存在で 狩る相手が男だろうと女だろうと躊躇はしない (子猫は、ほんの少し躊躇した気がしなくもない) 躊躇はしなかった 「……。」 動揺もしなかった 「……。」 星の少女に出会う今までは 「え、なにやってんの?」 −−−−−−−−−−−−−−−− 昔は星が綺麗だった。 冬になると空が綺麗に晴れてたよ あなたも見たことある?星空。 星空ってさ、もういっぱいに星があるんだよね 星型のスパンコールをこぼしたみたいに 溺れるんじゃないかってくらいにいっぱいにさ。 お母さんがね、「死んだ人は星になる」って 言ってたんだけど、それも納得できるくらい。 すっごくきれいだったんだぁ。 目の前にいる少女は ここがどこか なぜ彼女がここにいるのか 真っ黒の自分が何者なのか そう言ったことも聞かずに、慌てる様子もなく ただ淡々と語り出した 少女は、見えない椅子に座ったのか 足をぶらぶらとさせながら歌うように語った そのせいで死神は動揺しまくりである。 「ちょちょちょ‼︎まてまてまてまて」 「そんなに言わなくてもいいじゃん笑」 ようやく少女は語るのをやめてこちらを見た 少女の外見は異様でしかなかった 真珠のように白く、つややかな肌であるのに 腰まで伸びた髪は黒いのが数本混じった白髪 彼女の目はこちらを見ているようで見ていない 否、見えていない 右目は黒と青が混じっているが 左目は完全に青く濁っている 何よりも異様であるのは… 「お前。体…」 顔と手のひら以外の体の表面全てが 青く透き通っていることだ 「ちょっと。話聞いてくれないの? 話遮るなんて失礼すぎると思うんだけど」 「いやいやいや! 『今日の仕事はこの子かー。 さてと、じゃあ狩りに行きますか!」 って思って現世に行こうとしたら、 その狩りに行こうとした子が 目の前に現れたんだよ⁉︎ そりゃびっくりするよ‼︎」 「ふーん。あ、あなた死神なの?」 「いまぁ⁉︎そうです!初めまして‼︎」 “マジでなんなんだこの子…” 死神が脅威の肺活量(肺は無いが)で 捲し立てて息切れを起こす中 少女はぶらぶらと動かしていた足を止めた 「そっかぁ。もうなんだね。」 「は?」 「ねえ。もう少しだけ話聞いてくれない?」 「…仕事の納期が一ヶ月後だから 少しだけなら聞いてやる」 「納期なんてあるんだね、大変。ありがと」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−− えっとどこまで話したっけ? あ、そうだそうだ。星が綺麗だったって話だ。 じゃあ続きだね。 あなたがもともと人間なのかは知らないけどさ、 あなたは星空を見たことはある? いや、“星空はあった?” 今はね、無いんだよ。 もう全部消えちゃった。 みんなは知らないけどね。 私のお父さんとお母さんは天文学者でね いつも星の研究をしてた。 でもある時気づいてしまった 星がもうすぐ見えなくなるって 今見えてる星の光はさ もうずっと昔に星が放っていた光が今届いてて 今はその星は消えてるかもしれないんだよ それが3年前に全て見えなくなった 星はもう全部消えているから光はもう来ない だけどね。今でも星は見えるんだ。 まあ、星であって星でないモノ だけどね。 少しだけ私の話になるんだけど 私好きな人がいるんだ。同級生の子で天文部。 その子も星が大好きでね。 星を見つけるといつも私に教えてくれた 私のほうが多分知ってるのに毎回毎回、 「これがこの星で、こういうお話があって〜」って そういうところが大好きなんだけどさ。 だからさ。 星が見えなくなったら嫌じゃん? あの人が悲しんじゃう。 私は神様とか信じてないけど あの時は信じたよ。神様っているんだなぁって。 私がね。空に祈ったんだ。 「星を私たちから取りあげないでください」って。 バカだよね!そんなの叶うわけないのにさ でも叶ったんだよ 星は戻ってこなかったけどね。 祈ったときにさ。 なんか胸が苦しいなーって思って。 だんだん苦しいのが大きくなって 内側にあったのが、なんかこう…外側に 出ようとするというか引っ張られる感じがして。 気づいたら私は倒れてた そしたら星が一つ出てた。 本物の星ほどは綺麗じゃないけど 星がちゃんと一つあった。 これが確か…5年前かな? 星が見えなくなるって予想される年の2年前。 私とあの人は十二歳 それからは毎日毎日空に祈って星を作った 星が見えなくなる十四歳の時までに 空が星でいっぱいになるように 三ヶ月経つと目が見えなくなってきた 一年後くらいに白髪が半分くらいになった 毎日祈っていると体がだんだん青く透けてきた なんとなく気づいたよ 「あ、多分これ。私の寿命だ」って。 多分だけど私の寿命の結晶があの星なんだよね 神様がそうできるようにしてくれたんだ なんとなくだけど、あと一年くらい経ったら 私は死んじゃうんだと思う だけど絶対にやめないよ。 星が見えなくなってから3年経つけど まだまだ星が足りない。 あの人にも言わない。 言ったら絶対止められちゃうもん。 でもあの人が笑っていることが 私の幸せだから言わない。 嘘が幸せになることもあるんだよ まあ私が死んだらそうだなぁ… 私は星になったよ⭐︎とでも 手紙残しておこうかな −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 少女はそこまで語ると椅子から立ち上がり いつも自分が通る現世への通り道を覗いた 「あー、ここって天国ってやつ?」 「お前らの言葉で言うとそうかもしれないな。 正確には隠り世だ。死後の世界みたいな感じだ」 「そっかぁ」 そう言うと少女は現世への通り道に跪き 両手を胸の前で合わせた その姿は教会にいる聖母のようで 死神である自分が言うことではないが 生きているものとは思えない美しさだった 少女は時折眉を寄せながらも祈り続けた 止めるべきなのだろうが止められない この光景を目に焼き付けるほうが大事だと 本能が知らせている 指の隙間から光が漏れる 光が漏れ出て固まった 光が固まって少女の胸からことんと落ちた 少女の拳ほどの大きさの光の結晶は 白く細い陶器のような指に摘み上げられ 現世への通り道にポトリと落とされた それは鯉に餌をやるかのようで とても寿命の結晶を落とすようには見えなかった 結晶が夜空に沈み そのまま浮かぶのを見届けると 彼女はポツリと呟いた 「…いつもは風船とかに付けて飛ばすんだあ。 でもここだと便利だね。今度はもっとできそう。」 少女はそう言った後 こちらを見た 濁って見えていないはずの目は 死神である自分にあるかも分からない 魂の底までのぞいているかのようだった 青く透き通った彼女の体と 青く濁った彼女の目は 現世の生き物とは思えないほど綺麗で美しかった 今まで感じたことのない感情に戸惑っていると 彼女は小さな口を開いた 「じゃ。私帰るね」 「は?」 なーに言ってるんだこいつ。 ここにいるというのは死んだということ。 唯一現世に行くとすれば死神たちが 仕事に行く時に使う現世への通り道を 使うしかないが死者が使えるわk「よいしょ」 片足をつっこんでいる いや、どういうことだよ 「あ、だいじょぶだいじょぶ。 多分私、今寿命の使いすぎで 死にかけてるだけだから死んではないよ? だけど、また来るから寂しくないよー」 「いや、そこじゃないんだけど…」 話しながらも少女はもう片方の足を 夜空の海に遊ばせている 「そういえばあなたのことって なんて呼べばいい?」 「今絶対言うことじゃないだろ…。 なんでもいい。」 「えー。男?女?」 こいつめんどい 「…恐らくだが人間の頃は男だった」 「じゃあ死神さんってよぼー」 「今性別聞く必要あったか?」 「バレた?」 もう肩まで浸かっている 「私の名前はね、せ「せいら」」 「せいらだろ?」 「なんで知ってるの?」 「ターゲットの名前くらい知ってるぞ。」 「ふふ。そっかあー。 そ!星空って書いてせいら! じゃあ、また会おうね。死神さん」 二度とくんじゃねえよ 少女は現世へと潜って行った
今更なのですが…
あの…マジで今更な感じがするのですが 質問とかってあったりしますか? 一応このコメント欄で質問していただければ 答えるようにはするのですが、 無かったら本当質問とかしなくても大丈夫です! あと、本音を言ってしまうと ネタがだんだん減ってきたので 何かネタをいただけたらすごく嬉しいです😭 もしできたらお願いします! あの、本当にめっちゃくだらない質問でも ネタでもなんでも欲しいです!
恋
会いたいな 恋をした 恋を失った 初恋は甘酸っぱくなんかなくて 苦くて不味くて熱くて。 でもやめることはできなかった 初恋は身を焦がす炎なんかではなくて 身を溶かし、削る毒だった でもやめることはできなかった 初恋は人を可愛くするものなんかじゃなくて 自分が可愛いと思い込ませるものだった でもやめることはできなかった 愛を知らない私は 愛を求めた 「愛してる」 「愛してる」 「愛してる」 それは恋だと思った だけどあの人が私にくれたのは 愛情なんかじゃなかった 「愛してる?」 あの人は私を愛してなんかいなかった 「I シテル?」 あの人も私も恋なんかしてなかった 「愛 知ってる?」 あの人は私に愛を教えてくれなかった 愛情を求めて 恋情を込めて 愛情なんか戻ってこなくて 恋情なんか込められてなくて あの人がくれたのは憐情で 残ったのは哀情で 愛を求めて恋をしたけれど それは恋じゃなくて乞いだった ライクとラブを履き違えた私は愚かだ 恋なんかもうしないほうがいい 恋なんかできるはずがない 恋なんかしてはいけない でも 機種変したらしくて、もう連絡できない あの人の連絡先は消せなくて ラブなんかじゃないと分かっても また違う人にときめいてしまって 恋を 求めてしまって ああ。恋ってこんなにも。 ああ…!終わったはずなのに…! ああ‼︎ははっ‼︎なんでこんなにも‼︎ ああ。痛いな。