ワカメにクリオネを
一瞬、天使が見えました。
ぼんやりと遠くに見えた光に透けたその身体。
どうにもこうにも流れに身をまかせるだけの身体を捻ってみた。
冷たく深く暗い此処には
“僕”がいる。
背伸びをしてみる、何をしている。
身体を岩肌に擦り付けてみたがこの冷たさのせいか痛みはない。
周りには緩やかな時だけが満ちている。
一度動いてしまったらもう引けない、僕はそういう性格だ。
尖った岩に身体を当て、裂いた。
流れとともに身体が離れゆっくりと上へ
足元に微かに見える僕の半分。少しずつ温かさを感じるのは痛みなのか光に近づいているからなのかはわからないが答えはすぐ近くにあった。
好奇心と同時に温かな気持ちに包まれる。
綺麗−−−−−
途端、意識は冷たく底の“半身”へ戻った。
好奇心、心拍が上がる、少しの寒さを覚えながらも止まらない。
残りの身体を切り離す。
天使の元へ−−−−−−
冷たく深く暗い此処には
“僕”がいる。