らるぅ

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らるぅ

お話書くの難しい 自由に書きたい! 万年停滞期 下手でも優しい目で見てくれると嬉しいです

言葉は私に突き刺さる。

言葉は痛い。 私は妙な体質持ちで 人の感情が込められた言葉が突き刺さる。 そう、物理的にー。 何度でも言おう。 《物理的に。》 物心が着いた頃、親が小さいことで喧嘩してた時 《ソレ》 は私に突き刺さった。 「ちゃんと靴下出してって言ったよね」 「いやだからさっきから何回も謝ってるじゃん」 「反省してないから言ってるの!咲希が嫌がるで」 グサッ− 「うわああああぁぁぁん!!いたいよぉぉおお」 『咲希?咲希どうしたの咲希!!』 とまあこんなふうに 人の感情が身体に突き刺さってくる。 この時は指先に針が刺さった感じの痛みだった。 まあ幼かったからかなりの痛みだったけどね。 高校生になった今、その程度の痛みは 耐えられるようなった。 慣れ、だよね。 だから人の感情をあまり揺さぶらないように 今まで生きてきた。 人の感情は鋭く、難しい。 怒り、憎しみ、幸せ、喜び、哀しみ… 扱い方で私の命が危ない。 まじ危ない。 幼馴染の真希だけはこの事を知ってて なおかつ高校も一緒だから 毎日のように一緒にいる。 …毎日一緒にいるってことは その分感情が私に容赦無く突き刺さるわけで。 でも真希の感情は痛くないんだよね。 すっごい不思議。 包まれる感覚?刺さらない感じって言うのかな。 「咲希ぃおはよおおおお」 「お願いだから抱きついてこないで」 「何でよ!私咲希のこと愛してるのに」 「はいはい」 ほら分かるこれ、ふわふわしてんのこいつ でもある日、最悪な事態が私の身に降りかかった。 「転校生来たから仲良くしろよー」 へぇ、転校生。 どんなや…つ… ……は 「中野遙です。よろしくー。」 中野、遙… あの日、中2の時… 私を殺しかけた奴…!

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彼に嫌われた。

うちの隣の席に座ってる男の子は 眼鏡かけてて、 ちょっと物静か。 勉強はそこそこ出来て、 あと声が優しい、 というか優しい。 対してうちは見るからにギャルだし、 髪色は明るいし、 いつも騒いでるから すっごくうるさい。 勉強はあんまり出来ないし、 多分、嫌われてるんだよね。 1週間くらい前かな。 授業中、嫌いな数学のせんせーに当てられちゃって しかもわかんなかったところ。 わたわたしてたら隣の君が 「(ねえそこ、6だよ。)」 って、耳打ちしてくれて。 答えたらちゃんと合ってて、 すご、って思って隣見たら 自慢げな笑顔でこっち見てて。 すごく、くしゃって笑う笑顔で。 口パクで 「(すごいでしょ)」 って言ってきて。 一瞬なんか、わかんないけど 苦しくなった。 自慢してくるのウザイとか そんなことより 1度も喋ったことがないうちに 答えを教えてくれたり、 たまーに落し物拾ってくれたり、 そんな皆に優しいところがなんか、 なんというか なんだか、なんていうのかな。 なんか、気に食わん。 てか最近思ってきたんだけど 多分私が嫌いなんだと思う。 最近、仲良くなりたくて、というか お礼が言いたくて 話しかけようとすると そっぽ向かれるし、 声掛けても、 言いくるめられてどっかに行っちゃう 話してても絶対目合わせてくれないし なんか喋りにくそう うち、彼にマジで マジで嫌われた。 彼に嫌われた。 どうしよう。 友達に相談しても 「みつきって頭悪いけどそこまで頭悪いとは思わなかった…。」 って呆れて溜息つかれるし。 どうしたらいいかな。 ねぇ、どうしたらいい?

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彼に嫌われた。

煙草の匂い

「ねぇ部屋に匂いつくから外で吸ってよ」 私は煙草の匂いが嫌い。 鼻につくような、変な匂い。 別に吸ってもいいんだけど 部屋は嫌。 やめて欲しい。 彼はは換気扇の近くとか外で吸ってくれるけど たまに忘れて部屋で吸う。 その度に 「外で、、吸って、、、お願い」 と息を止めながら懇願する。 彼が吸ったあとは季節問わず窓を全開にし、空気を入れ替えていた。 彼からは 「絶対煙草の匂いかき消すマン」 …なんて呼ばれたこともある。 1度だけ彼の煙草を貰ったことがある。 興味本位で1口吸ってみると 肺に注がれる煙は苦しくて、苦かった。 でも、嫌な感じはしない。 いつしか、彼の煙草の匂いで家にいるのかが 分かるようになってしまった。 煙草が彼の存在を示しているようになった。 「まーた部屋で吸って!ちゃんと換気扇つけてる?」 「俺の真上に換気扇見えるだろ〜」 こんな会話が幾度も繰り返され、数年が経った。 数年がたった今、私は1番見たくない光景を目の当たりにしている。 私の目の前には広がる沈黙と、 冷たくなった彼が眠っている。 空間中に線香の匂いが広がり、 身体にもまとわりつく 彼の匂いではなく、 線香独特の香り。 ー私、この匂いは、すごく嫌い。 彼の煙草の匂いがしないなんて 考えられないから。 もう誰も彼の、煙草を吸う姿を見れないから。 彼の煙草の匂いが分からなくなるから。 忘れてまうから。 この香りが、 あなたの存在を、消し去ってしまうようで。 煙草の匂いをかき消してしまうから。

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煙草の匂い

幸せの殺し方case3

《ミラ》side ー大広間にて 「ミラさんミラさん、裏社会ってなに?」 うわぁでた、その手の質問 答えんの苦手なんだよなァ 「あーっと、うんん…」 「裏社会っつーのはなァ、…あー」 ええいもうどうにでもなれくそっ 「裏社会っつーのはな、お巡りさんとかに追いかけられることをすんだよ」 どうだこれで納得するか…? 「へぇぇ、そうなんだ」 は? こんだけ悩んでオブラートに包んだのに そんだけの反応か? この時、 なんか、頭が痛くなる嬢ちゃんだな 「はぁぁぁぁ」 「?ミラさん大丈夫?」 「あーへーきへーき。気にすんなよ」 「じゃあ、黒百合って何してるの?」 「そっか、組織名しか言ってなかったか」 ー黒百合《black lily》 一般的に言う反社とかヤクザとか、マフィアっつーやつ リュミエールを拾ったヤツが私らのボス、 でもあり、親父だ この組織は親父が拾った餓鬼とか誘ったやつの集まりでできてんだ 私とお前は前者だな まあ普通に考えてあたしらマフィアだし 私らは容赦なく人を殺す 無駄な感情とかねェからな それが実の親であっても 仲間であってもな だけど親父は大好きだぞ ここでのルールは親父と 《裏切りは打首》 …こんなもんか 「分かったか?」 「ぅぁ……うん!」 「分かってねえのな」 はぁ、仕方ねえな とりあえずもう体で覚えさせるか 「おいリュミエール、人殺したことあるか?」 「えっと、ないです」 だろうな 「じゃあナイフ構えろ、あたしのやる」 「えぁ、え、急に?」 「今から本気で殺しに行くからお前も来いよ」 「言っとくがあたしは説明っつーのが嫌いなんだ」 「よく言うだろ、当たって砕けろ、ってな」 「でもこれはちょっと、わぁっ!」 「簡単にくたばんなよ、リュミエール」 「あたしを楽しませな」 《リュミエール》side 最初に会った時から思ってた なんで腰にナイフ括りつけてるのかなって このためだったんだ 「簡単にくたばってくれんなよ」 「あたしを楽しませな」 ミラさん、ほんとに私を殺す気で来てる どうしよう どうしよう …どうしよう! ああ神様私が何をしたと言うのでしょう 親に捨てられた(?)だけなのに 走り回って逃げてるけど何も出来てないし 殺気は凄いし 考えても仕方ないよね 〈アレ〉、やってみようかな 手に握っていたナイフを逆手に持ち替え、 後ろに迫るミラさんを確認し、 そのまま急停止した ミラさんに刺さるように その瞬間、私は 宙に浮いた 「うわぁあぁぁっ!!!」 …あれ、なにも、ない。痛くない 「ばぁぁか、初っ端殺す訳あるか、あほ」 私はミラさんに抱き抱えられていた 「ィよし、じゃあ次だ」 「次は捕まえたら」 「義手、考えるか」 「ヒェ…」 拝啓、ロブさんへ ロブさん、私拾ってくれてすごく感謝してる 名前もつけてくれてすごく感謝してる 幸せって意味はわかんないけど でも、 本気で殺しにくること、ある?

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幸せの殺し方case3

幸せの殺し方case2

今から13年前ー     森奥深くにある邸宅にてー。 《少女》side うーん なんだったかな 気付いたらここにいたんだ ふかふかのベッドにいて 近くに男の人が座ってた 誰なのかも分からなくて逃げようとしたけど 簡単に捕まえられた ああ、死ぬんだって思った そしたら 「安心しろ、お前はもう独りじゃない」 って 頭を撫でて 抱きしめてくれた はじめてだった 人に撫でられたのは 抱きしめてくれたのは 温もりをくれたのは これが〈ーー〉なのかな 名前は聞いても 教えてくれなくて でもニックネームは教えてくれた 確か 《ロブ》 だったかな 《ロブ》side こんな癖もうやめにしてやる 何回もそう決めるが いつも勝手に体が動く その日もふらふらと森を散歩してた たまたま、ほんとにたまたま 森の奥深くにある廃教会に目がついた ーん。寝てんのか、 いや、眠らされてるな、ヤクだ ー仕方ねェな 「ん、起きたか」 「安心しろ、お前はもう独りじゃない」 「とりあえずここは安全だからな」 「嬢ちゃん、名前は」 「...分からない」 「どこから来たとか、分かるか」 「何も、分からない」 この餓鬼何もわかんねえのか 布にくるまれて放置されてたから 咄嗟に連れてきちまったんだが ーやっぱりガキなんて拾うもんじゃねえな 俺ァ躾には向いてねェ あいつに頼むか 「ミラ、おいミラ!」 「んな叫ばんでも聞こえとるわあほ」 「こいつ風呂に入れてやれ」 「...何このガキ、誰?隠し子?」 「馬鹿言え、森ん中の廃教会で捨てられてたんだ」 「ふうん。ねえお嬢ちゃん、名前は?」 「あの、わたし名前、わからな「あーまてまて」 「お前の名前はリュミエールだ」 「、、ぇ?」 「へえ、幸せってか」 「いい名前つけてくれたね、お嬢」 「それにしても《幸せ》ねぇ」 皮肉なもんだよ、と文句を吐いた 「ようこそ、黒百合〈black lily〉へ」 「ここには君を傷付ける輩はいないよ」 「ミラ、お前そいつを教育してやれ」 「はァ?馬鹿言うなよまだちっこい餓鬼だぞ」 「だからこそ、今のうちに植え付けんだよ」 「俺らバック〈裏社会〉の仕事をな」

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幸せの殺し方case2

お母さんのような

「おはようまま!きょうはにゅうがくしきだよ!」 「おはよう、もう小学一年生なのね。気をつけるのよ」 「お弁当には卵焼き、入れて置いたからね」 「ままありがとー!」 「じゃあままいってくるねー!」 「おはよーまま、今日はテストで百点取ったんだ」 「凄いじゃない!流石私の娘ね」 「ままみたいになれるようにがんばるんだ」 「ふふ、頼もしいわね」 「ままおはよ!ねぇ、私もう中学生になっちゃった」 「もう中学生なのね、立派になったわね」 「だからもう心配しないでね!」 「ちゃんとお弁当作れるのかしら、、」 「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙卵焼き焦がしたああああ」 「おはよまま、聞いてよ」 「私もう来年から高校生なんだって」 「そうね、もう大人の仲間入りかしら?」 「今はもう卵焼きも焦がしてないからね」 「......パパに作ってもらってるけど」 「3年間頑張るのよ」 「お母さんおはよう」 「私高校卒業したよ!」 「そんなこと知ってるわよ」 「とにかく、卒業おめでとう」 「私ね、医大に進むんだ!」 「お母さんみたいに人を助けるの!」 「すごいわね、ほんと、自慢の娘よ」 「だからもう、もう、大丈夫だよ」 「私、1人で卵焼きも作れるようになったし」 「焦がしてないし」 「何でも、お父さんよりも作れるんだよ」 「だからもう心配しないでね」 「私、お母さんのような人を」 「沢山救うために頑張るから」 そう言って私は 母の仏壇の前に卵焼きを置いた 出来たてで、あつあつの 大好きな母が作っていた卵焼きを。

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幸せの殺し方case 1

「ねーねー、幸せってなんだと思います?」 「あれ、おきてますぅ?」 「まだ寝るには早いですよっ」 「....お前は、一体どこの回し者だ、」 「...いまそれ関係あります?質問してるのはこっちです」 質問を質問で返すなんて、と少女は男を馬鹿にした。 「...幸せなんぞ、お前には到底分からねェだろうな」 「お前がやってる事は、幸せとは程遠い」 そう言い放ち、男は高らかに笑った。 「...はぁ」 少女はため息をつくと男の真正面に立ち、 「質問も答えてくれないし、とりあえず依頼なんで」 手に握り締めた刃を大きく振りかぶり、放った。 「死んでください。ロベール・マクリアスさん」 「あ、そうだ。それと─」 「依頼主は、《幸せ》って人からですよ」 少女の名はリュミエール 彼女のモットーは 《依頼を受けたらしあわせで殺す、只それだけ》 そんな彼女のコードネームは 《死合わせ》

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幸せの殺し方case 1

伝えたいのに

好き、 好きだよ 大好きなの …あーあ、まただ。 こんな簡単な言葉がさらっと口からでないなんて 普通の言葉はいとも簡単にでてくるのに これだけは言えないんだ 『好きだよ』 私も、私も大好きだよ なのに口から出てくるのは 『私も。』 あれ 【好き】は? 心の中ではこんなにも思ってるのに 言いたい、言いたいって思うほど つっかえて 蓋をされたように出てこない 言葉に重りがついてるみたいで 持ち上げられないんだ 感情を口に出すことが とっても難しい 好きって伝えたい 大好きなんだって伝えたい 君が思うよりも大好きだって 愛してるって伝えたいんだ こんなにも溢れ出る気持ちを 君に伝えるには どうしたらいいのかな …なんだか今なら言えそうだ 今なら、伝えられる気がする 「…あのね、君のこと…!」

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美味しいたい焼き しあわせ堂

商店街をふらついていると 香ばしい香りが私の鼻を擽った 仕事帰りの夕方17時、辺りは橙色で染まっている 両手には花、ではなく、 夕食の食材が入った袋が 私の手からぶら下がっている 「めっちゃいい匂いやなぁ」 と呟く 香りの根源は ポツンと建っている小さなお店からだった 《美味しいたい焼き      しあわせ堂》 しあわせ堂、か たまに食べるのもいいか、 と勝手に足が進んで行く どうやら1人のおばあさんが切り盛りしているお店のようだ 「いらっしゃい、どのたい焼きがいいか選んでーな」 ふうん なかなか充実したラインナップだ ・つぶあん ・こしあん ・くりぃむ ・ちょこれえと …なるほど 「おばあさん、つぶあんとくりぃむひとつ、くださいな」 「はいよ、ちょっとまってなね」 奥の調理場から おばあさんがせっせとたい焼きを作る様子が見える それと同時に、またあの香りが鼻を擽る 「はいおまたせしました、熱いからゆっくり食べるんやで」 「ありがとうございます」 近くのベンチに腰かけ、 袋に入ったたい焼きを取り出す 香ばしい匂いが一気に身体中を駆け抜ける ここからが迷いどころだ さて、どこから頂こうかな

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美味しいたい焼き  しあわせ堂

がんばれなくなる

「頑張れ」 「大丈夫」 「出来るよ」 何かを、誰かを応援する時、みんなが口を揃えて言うだろう ○○なら出来るから大丈夫、頑張れ ○○頑張れ みんな大体こんな感じで言うのかな でもそれって ほんとに頑張って欲しい? 辛くて泣いてる子に向かって 「大丈夫、頑張れ」 って 「○○なら出来るから大丈夫、頑張れ」 って、 言える? 頑張れなくて辛くなっちゃった子に向かって 「頑張れー!」 って 「負けるなー」 って ……ほんとに言える? 頑張れって 言われたって 出来ないものは出来ない 心の容量に収まりがつかなくなってしまったから 出来ないものは出来ない 心が追いつかないから 出来なくなってしまったものは もうしばらくの間は出来ない 電池が切れてしまったから 目の前にいるその子も いつか、いつの日か、 明日かもしれない いつか急に電池が切れたように 頑張れなくなる だから言って欲しい 少し変えるだけでいいから 遊びに誘うでもいい カラオケに行くのでもいい いっぱい褒めてあげるのもいい その子が嫌じゃなければ 思いっきり抱きしめてあげてもいい きっとその子には 休む時間が必要だから その子だけじゃなくて 君も いつか電池が無くなる時がする だから そんなに自分を責めないで 頑張れなくなるのは 当たり前なんだから

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がんばれなくなる