千隼

7 件の小説
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千隼

《 start ···▸ 2023 . 2 . 15 》 思いついた事を書くだけなので文がおかしいところが多々あります🙏🏻

《 4 月 1 2 日 》

電車の中でさ、音楽を聴いてたのね。 最近買ったばかりの無線のイヤホンで。 あれ本当に良いよね、他の音全然聞こえないもん。 私は電車の中で人の話し声とか聞くの苦手だから すごく助かってるの。 音量を二つか三つあげるとちょうどいいんだよね。 なんか音楽の世界に入れるって言うのかな。 今日もいつもみたいに音楽聴きながら電車に乗ったの。 今日はいつも以上に混んでて、まあ朝だし しかたないよねって思ったんだけど。 この電車乗らないと学校間に合わないし。 目的の駅までは十五分くらいかな。 急行だから四つの駅にしか止まらないんだけどね。 それで一つ目の駅は私が乗るドアと反対なの。 二つ目は同じで、結構人も降りるのね。 だから二つ目の駅まで我慢しようって思ってさ。 一つ目の駅を通ってしばらくしてからかな。 お尻に手が当たってたんだよね。 手の感じが華奢で、多分女子高生なのかな。 満員電車だしって思って気にしてなかったの。 そしたら手が動いてね。触るように動いたの。 びっくりしてその手を払ったの。 すぐにその手は当たらなくなったんだけどね。 その後はまた音量を上げて音楽聴いてたの。 二つ目の駅に着く手前ら辺だったかな。 もう一度手が当たったの。 スカートの中に手が入った。太ももを触られた。 何が起こってるのか全然理解出来てなくてね。 そうしてる間に太くて短めの指が触ってきたの。 自慰行為って分かる?一人でする、って言うかさ。 普通にする時も指を、なんて事あると思うんだ。 下着だけじゃなくて、スパッツも履いてたからさすがに中まででは無かったけど。 私、そこの部分を触られたの。 それに気づいた時には駅に着いてて、結局誰がとかは分かんないの。 学校は早退して親に迎えに来てもらった。 何も感じてないように振る舞ってたら 大丈夫だったね、なんて言われてさ。 その場では笑って済ませたけど 大丈夫なわけないじゃん、ってね。 電車の中でも怖くて怖くて泣きそうだったし 震えが止まらなくて、学校着いても怖くて。 でも犯人が分からないんじゃどうしようも出来ないから 明日も電車乗らないとだよ?普通に怖くない?ってね。 やった人はさ、きっと楽しいし嬉しい気持ちになるんだろうね。 朝から触れて活力になったのかな。 それとも達成感? やられた人は不快な思いだけじゃなくて心の傷が残るんだよ。 もう電車に乗ることも無理になるかもしれない。 もし捕まえられたとしてもその人は安心して電車に乗ることは難しいんじゃない? 一度作られた心の傷って中々治らないんだよ。 その行動で人を傷つけないで。 満足感のために誰かを犠牲にしないで。

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《 4 月 1 2 日 》

《 大 人 に な っ た ら 》

「私、茜ちゃんの事好きだよ。だから大人になったら−」 結婚しようね。 そんな言葉を残して美緒は遠くへ行ってしまった。 大人になったら。 私はあの時17歳だった。 オトナになったら。 17なんてほぼ大人じゃない? なんて私は思ったけど口には出さなかった。 「でも、日本って同性の結婚は認められてないよ?」 「うん、だからどこか遠くの国にでも行こうよ。」 馬鹿げた話だと思ったけど握っていた美緒の手は震えていた。 「そうだね、じゃあ2人で遠くに行こう。」 私はそう言ったけど美緒は1人で先に行っちゃったみたい。 何かしらの都合なのかな、それとも嫌になったのかな。 もう連絡はとれないし。 私もちゃんと好きって伝えれば良かったなって 今更後悔してる。 今言えば届くかなぁ、なんて思って空に向かって呟いた。 当然返ってくる訳もなくて、馬鹿馬鹿しくなって ベランダを離れ、部屋に戻る。 空気が漏れないようにしっかり閉めた。 私は薬を飲んだ。 もう熱くなってきてるよね。 確認してから眠りにつく。 1人先に、遠くに行った美緒の元へ行く。 「私も、美緒の事好きだよ。」

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《 大 人 に な っ た ら 》

《 煙 草 》

なんとなく分かっていた。 彼の帰りが遅いこと。 彼の首に跡がついていること。 彼が−浮気をしていること。 気付きたくなかった。 気付かないフリをしていたかった。 私は浮気されたと分かっていながらまた彼と行為をする。 誰がつけたか分からない跡を見つめながら。 別れようと思った。 それでも夜になって、彼の背中を見ると やっぱりあなたが一番なんだと、気持ちが揺らぐ。 ムカつくほどに愛おしい。 私のことを好きにさせて。 私を一番だといいながら他の人の所に行って。 沢山、私の事を傷つけて。 そんな彼忘れたくて。 それでも私は気付かないフリをするしかなくて。 夜の十二時に帰ってこないで。 こんなに遅くまで、なんて不安がる私を抱きしめて “大丈夫、大好きだよ、一番だよ。” なんて言わないで。 気付かないフリをさせないで。 落ち着かせるために煙草を吸う。 その煙草は普段吸う煙草よりも、何倍も、薄い気がした。

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《 煙 草 》

《 あ な た へ 。 》2

私の親友、純葉(いとは)は元々大人しい子だった。 真面目の頑張り屋で成績も良かった。 友達も多くはなかったと思うけど、その分一人一人を大切にしている感じがして私はそんな純葉が好きだった。 私は純葉と中学の頃から仲が良かった。 純葉と同じ高校に行くために必死に勉強して今こうやって同じクラスに“いた”。 制服に袖を通して、学校へ行く。 クラスに入ると純葉の席の近くには誰も近寄っていなかった。 私はいつも通り自分の席につく前に友達に挨拶をする。 日常生活で純葉との関わりはなかった。 私は純葉がいじめられている時、無視をしていた。 “そうじゃないと私がいじめられるから”。

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《 あ な た へ 。 》2

《 あ な た へ 。 》1

親友が死んだ。 それは夏服を着ると肌寒さを覚え、夏服と冬服が入れ替わる時期だった。 彼女が死んだ事はすぐ耳に入った。 “自殺” 私はその事を聞いた時、何が何だか分からなかった。 いつもは起きない朝の5時の外はまだ月が若干出ていて、薄暗かった。 信じたくもない事実に目を逸らしたくなった。 理由がなんとなく分かってしまう自分が嫌だった。 クラスのみんなも分かっていただろう。 私の親友はいじめにあって、自殺した。

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《 あ な た へ 。 》1

《 寄 》2

視線が気になった。 普段は気にならないような事が気になった。 休み時間、机に突っ伏している時も、1人で弁当を食べている時も、ずっと誰かが自分に視線を向けているんじゃないか。 そんな小さくて、思っても仕方ないこと。 ずっと考えるようになった。 小さいことが少しずつ、少しずつ溜まっていく。 段ボールに水が1滴ずつ、少しずつ垂れていって、その部分だけふやけて、そのうち穴が空くみたいに。 ゆっくり、少しずつ。 自分が自分じゃないみたい。 何が悲しくて、何が辛いのか。 何が自分をこんなに苦しめているのか。 この少しずつ溜まっているものは何なのか。 考えれば考えるだけわけが分からなくなって、でも考えないといけなくて。 相談しようにも自分が分からないのに他人に分かるわけがなくて。 休みたくても休めない学校。一般的に言う“普通の家庭”ではない家。コントロール出来ない自分。 全部全部、重くのしかかる。 でもこれは結局学校とか、家庭環境とかではなくて、 重くのしかかって、自分を苦しめているのは “自分なのではないか。”

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《 寄 》2

《 寄 》 1

なにがあってこのような事になったのか自分でも分からない。 こんな事でしか自分の存在価値を見い出せないなんて。 そう思うようになった。 学校に行くのが嫌になった。 ずっと、どこかで行きたくないと思っていた。 学校まで片道1時間。 スマホとイヤホンを繋いで音楽をかける。 電車の中で小声でも何でも、人の声を聞きたくなかった。 イヤホンを耳にさして、音量設定を半分ほどにする事で、 私は遮断された。 乗り換えの時、ホームから聞こえるアナウンスが苦痛。 音量をあげる。 それでも聞こえてくるから早足で地下鉄まで。 音量をそのままにして地下鉄に乗る。 2回聞いたら学校。 校門に着くまでにイヤホンを外す。 教室に着いて、だんだんと人が集まってくる。 “話しかけられたら話す” それが自分だった。 挨拶は自分からはしない。 授業でグループ活動になっても話さない。 “あなたはどう?” そう聞かれてからしか答えない。 でもある日、それが全部全部嫌になった。 片道1時間かけて学校に行く意味。 グループ活動の意味。 人と話す意味。 全て実行する意味が分からなくなった。 “話さない” じゃなくて“話せない”のではないか。 考えても答えの出ないことばかりを必死に考えて。

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