はく
3 件の小説思考
私にはわからないことが 沢山ある。 だけど「調べたい」 とは思わない。 まず考える。自分の意見を持つ。 わからないことは 自分なりに解釈してみる。 そしたら周りの人の意見を聞く。 自分とは違った思考が みえてくるかもしれない。 自分では考えつかなかった。 どうしてそう思うのか。 おそらく意見は、 その人が今までの人生のなかで 経験してきたことを 元につくられた、 その人の考えだと思う。 そうするとその意見自体が その人を表している ということになる。 つまりここで何が言いたいのかというと 自分の意見を、 大切にしてください。
踏んではいけない
「踏んではいけない」 そう、教わってきた。 私は茶道を習っている。 毎週、お稽古に行くたびに 畳の縁、通称 ヘリを踏むなと 耳にタコができるほど 聞かされ続けてきた。 理由は痛むから。 うん。わかるわかる。 だけど、畳の大きさって1畳、 たったの1mちょっとだよね? 茶道の道具を持って 前向いて歩いてたら、 そりゃあ意識してても少しくらい 踏んじゃうこともあるじゃん? その「少し踏む」だけでも 先生は激怒するの。 なんであんなに怒るんだろう。 私は疑問で仕方なかった。 このことを注意しながら、 お点前をし、私はだんだん 少しずつだけど上達していった。 あのときの疑問は 時が経つに連れ、 次第に忘れていった。 数ヶ月後。 いつものように お点前をしていたら 突然、視界が真っ暗になって 落ちていく感じがした。 え?ここはどこ?? なんで落ちてるの!? ふと上を見ると 真っ黒な空に一直線の亀裂。 そこから光が漏れていた。 隙間からは お稽古部屋の天井が見えた。 あぁ、私やらかした。 黒いヘリに白い足袋。 どうやら私は 重ねてしまったみたい。
お気に入りの本
私は読書が好きだ。 だって一度本の世界に 入っちゃえばそこから現実なんて 見なくていいんだよ!? だからずっと本を読んでいたい。 だけど最近少しおかしいの。 学校でお気に入りの本を 読んでるときも、 家で読んでるときも、 ずっと監視されてるみたい。 お母さんに話しても、 「学校と家で監視ーーー?! 流石にないんじゃない? あなたももうすぐ高校生に なるんだからしっかりしなさいよ!」 って信じてもらえなくて、 でも日に日に「見られてる!」 っていう感覚が強くなるんだよね、 怖いなぁ 私の今のお気に入りの本はね、 古本屋さんで見つけたの。 黒くてざらざらしてる表紙を 見たときに、 すごく欲しくなっちゃって! お母さんに泣きながら お願いして買ってもらっちゃった! 内容はある女の子のお話! 年齢ごとに章が 分かれてるんだけど、 ところどころ私と似たような物語 が書かれてるの!すごくない!? でもね、最後の1ページだけ 白紙なんだよね。 章も第15章までだし! まだまだあってもいい と思うんだけどなぁ。 うわっ! さっきより断然視線が強くなってる‥ だからどこから見られてるのかも 分かっちゃった。 それでもページをめくる手が 止まらない。 最後のページまでめくったら 本を閉じ、また開いての繰り返し。 やばいやばいやばいやばいやばい あと数分で私は誕生日を迎える。