ナナミ編
「私の結婚式の友人代表スピーチは、ナナミがやってね。」
久しぶりに会った親友に唐突に言われた言葉。私は、何も言うことができなかった。まずい、そう思った時にはもう遅い。2人の間には、なんとも言えない気まずさが漂う。私は下手な演技で、聞こえないふりをすることしかできなかった。
彼女に出会ったのは、中学生の時。そして、彼女に失恋したのも、中学生の時だった。部活終わりの更衣室。ロッカーを向いて2人並んで、練習着から制服へ着替えていた。
「私、女の子が好きなのかもしれない。」
彼女への恋情を自覚しながら、遠回しの言葉しか出なかった私に、彼女は思いやりにあふれた残酷な言葉を告げたのだ。
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カテゴリー: 恋愛・青春
投稿日時: 2025/1/17 13:50
最終編集日時: 2025/1/26 11:19
森🌳
不思議な世界を描きたい