香水

部屋の片付けをしていたら引き出しの奥から懐かしい香水が出てきた。僕はこの香水を見た瞬間に突然涙が溢れていた。この香水は彼女が僕に誕生日プレゼントとしてくれたものだったが、この香水を買った帰り道に交通事故に遭い帰らぬ人となった。それから数日後彼女のお葬式が行われた。僕は泣くことすらできなかった。お葬式が終わり家に帰ろうとしたら彼女のお母さんから小さい紙袋をもらった。その中身には1つの香水と1枚の手紙が入ってあった。手紙の内容は、『○○○君へ、誕生日おめでとう。このずっと欲しがってだよね。いつも、私のそばにいてくれてありがとう。これからもよろしくね。大好きだよ。○○より。』と書いてあった。だか、やっぱり涙は出なかった。家に帰りそのまま引き出しの奥にしまって置いた。
ほたる
ほたる