今日は、息をするだけで十分

雨の日は、いつも少しだけ時間がゆっくり流れる。 窓の外では、しとしとと、細い糸のような雨が落ち続けている。音はほとんどしない。ただ、空気が湿って、重くなって、部屋の隅々までじわじわ染み込んでくるような、そんな静かさだ。 コップに残った紅茶はもう冷めきっていて、表面に小さな波紋が広がることもなく、ただそこにある。さっきまで手に持っていた文庫本のページは、127ページで止まったまま。指で押さえた跡が薄く残っているのに、続きを読む気になれない。 なぜだろう。 別に悲しいわけでも、辛いわけでもない。ただ、雨が降っているという事実だけで、心のどこかが「しんみり」モードに切り替わってしまう。普段は無視しているような、すごく小さな後悔とか、言わなかった言葉とか、捨ててしまったはずの思い出の欠片が、湿気と一緒にふわっと浮かんでくる。
美月
美月
初めまして( ᴗˬᴗ)よろしくお願いいたします。下手です😭初挑戦ですが頑張ります。ai生成ありです