真夏の人魚2

 少女が旅に出て、かなりの時間が経った。それなのに、同じ人魚とはすれ違わないし、魚もただただ横を通り過ぎていくだけだった。波の音だけが聞こえる。少女は、こんなさみしい静けさは初めてだった。だんだんお腹が空いてきて、友達や家族にも会いたいという気持ちが強く込み上げてきた。 「帰りたい。温かく、優しいあの家に…」しかし、少女はこの時は知るはずもなかった“人魚でいることの恐怖″に。あまり知られていなが、人間の中には人魚を捕らえて金にしようとする者が多くいる。 少女はネプチューンの捜索を続けていた。そして、ついに地上に上がってしまった。そこには、沢山の人間たちがいた。もちろん、人魚を捕らえようとするものも。そう、人魚は人間にとって珍しい生き物だということに今、少女は気づいたのだ。少女は逃げようとしたがヒレが痺れて上手く動くことができない。もちろんすぐに、少女は捕えられてしまった。
食パン
食パン
食パンくわえて走ってます