甘い夜に、一口

まだ少し肌寒い三月、春の序盤。夜に一口、君の唇の色の様に赤いワインを喉に通して。 ある日の夜、君は白いコートを着て薄暗い中の夜に出ていった。彼女はとても華奢で、肌白く、自由気ままに生きている人間だった。人間関係もあまり困っていなく、人生をスキップするように楽しく歩んでいた。 出かけて行った彼女は、数日経っても帰ってこなくて“ああ、一人なんだ”と実感した。要するに彼女には愛が無くなったんだろう。(愛)なんていうモノは存在しない、愛し愛す合うモノなんて存在はしなかった。そんな事を思って、また甘い夜に一口、ワインを。 それでも僕らは愛し合って、上手くいくと思っていたのに。
さく
さく
短めを書いています