散りゆく桜と君 第1話

「今年は遅咲きのようですね。例年と比べると異例です。」と、アナウンサーが言う。 「ですが新入生にとったらとても嬉しいことでしょう。入学式に桜が満開だなんて…」とお天気キャスターが言う。 憂鬱だ、今日から高校だなんて。 俺はそんなことを考えながら朝飯を食べている。 別に桜が満開だろうと俺には関係ない。と言ってテレビの電源を切る。そろそろ遅刻だ。急いで新しい制服に袖を通す。とても着心地が悪い。それに加えてあちこちに糸でひだが固定されている。あぁ、イライラする。そう言いながら糸を切り学校へと急いだ。 学校に着くと辺りには知らない人ばかりだ。それはそのはず、同中のやつなんて一人もいないのだから。上履きに履き替え、自分のクラスへと急ぐ。入学式だからだろうか、周りの奴らは制服をきちんと着こなしている。緩く来ていたのは俺だけで、辺りから警戒されていた。そんなのは気にしない。窓際の自分の席に座り、桜を見ていた。すると 「綺麗だね、桜。君と桜とっても似合う。」 えっと思い後ろを振り返るとそこには小柄でとても色白な女の子が立っていた。俺は咄嗟に 「どうも…」 と返す。感じが悪かっただろうか。そう思っていた矢先彼女は爆笑しながらこういった
新米
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