拝啓

拝啓
こんな手紙を書いても、君をただ悲しませるだけかもしれないね。泣き虫な君なら尚更だ。でも、よかったら悲しまず、怒らず、最後まで読んでくれたら嬉しい。 君に会った時、俺は君を妹のようだと言ったね。すまない。あれは、嘘だった。 俺は君を、心から愛していた。 この世界にもしなんて言う世界はありえない。だけど、もし戦争のない時代に生まれていたらと考えてしまう。そうしたらどんなによかっただろうか。君のそばにいられたら。君を守ってあげれたら。君を、愛せたなら。それらはもう、叶わない夢だ。 怖くはないんだ。自然と心は落ち着いている。多分、君の方が怖がっているだろうね。 君のために俺は散る。君という美しい花が咲くために。 どうか泣かないで。俺は君の笑った顔が好きだ。見るもの全てを明るく照らしてくれるような笑顔。 会いたいよ、祈。その笑顔をもう一度だけ見たい。会いたい。
はれ
はれ
Thank you for reading. I hope you enjoy reading my story. 「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら」を元に書いています。