日常、非日常
僕は天体観測が好きだ。今日も望遠鏡の中を覗く。覗いた瞬間から僕の居場所が広がる気がした。前に何回か友人に見せた時は1回目には「凄い綺麗!」2回目は「1回目と同じに見えるけど綺麗だね。」3回目も2回目の反応と同じだった。仕方ない、星や月に詳しくない人はこうなるだろうと思った。まぁ、大きな星があって細々と月が散らばってるのはいつも同じだ。今日、夢を見た。大きな月が辺りを照らし、細々とした星が散らばっていた。今は梅雨だ。朝起きたら太陽が降っていた。憂鬱になる位に眩しい火種が降り注ぐ。耐熱の傘とサングラス。今日は土砂降りだ。少しサングラスがズレると眼が焼けるように痛い。ああ、今日が雨だったら良いのに。天気予報が流れる。今週は今日以降雨らしい。いい天気で良かった。今日は学校が休み。学校が休みの日はする事が無く、無心でゲームをする。学校でクソゲーと騒がれたゲームだ。ゲームというか、ほぼテロだ。チュートリアルで電子音がなる。メロディーが鳴り終わると音声が流れた。「私は、未来から来た。この世界は間違っている。真の世界の常識を教えて欲しければゲームをスタートしろ。」チュートリアルが少し不気味な事でスタートをしない人が続出したそう。ゲームを発売日に買った僕はチュートリアルが不気味な事など全く気づかずスタートをした。スタートをすると全然怖くない。だが内容が面白くもない。ゲームの内容は毎日毎日天気が変わる日々を過ごすだけのゲームだ。でも何かがおかしい。星と月が反転してたり、天気が変わる日々を過ごす主人公の家で流れるニュースに梅雨到来と表示されているのに雨が降っている。家からは出れなくて、外を見るには窓をタップしてアップで見るしかない。でも謎が隠されている気がしてずっとやっている。いつの間にか深夜だ。星が出ているので眠たいが少しの時間天体観測をした。あれ?ゲームの通りに月が大きく、星が細かくなっていた。目がおかしくなったのか?ゲームのやりすぎなのか?脳内がハテナマークに包まれて、混乱している。その時ゲームに通知が来た。「あなたは進行率1位です。1位の方には真実を伝えます。」このゲームに進行率などあったのか?あまりにも変化が無かったので驚いた。「ゲームのソフトが入っている箱にはカメラがある。ゲームのプレイヤーの現実の部屋と同じ部屋の内装にしてある。」鳥肌が立つだけでは抑えきれない。全身が震え上がった。「そして、あなたが天体観測した時、この部屋の時空を歪ませて未来にタイムスリップさせた。近い未来、現実に同じことが起こる。それでは、また。」そうか、僕は勘違いしていた。皆はスタートして気づいたんだ。部屋の内装が同じ事に。僕が進行率1位なのではなくて、僕しかプレイヤーがいなかったんだ。
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カテゴリー: ミステリー
投稿日時: 2024/1/8 13:36
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連載はほぼしません。短いです。