一人旅

一人旅
梅雨に入る前の静かな季節。涼しかった。僕は一人で東京へ一人旅にでた。東京駅に行った。そこは僕があまり感じたことのない晴れやかな世界だった。それと共に全力で働く大人たちの姿もあった。なぜ僕が一人旅をしたか。それは、心をリラックスさせたかったからだ。新しい環境に身を置いた僕は日々ストレスを感じる毎日面白いと言える日常は中々やってこない。いつかこのまま本当に死にたいと思う時が来るんじゃないか、そう思うほどに追い込まれていたと言っても過言ではない。心の拠り所が欲しい、何か落ち着ける所に行きたい、自然や自分の憧れが詰まった場所に行きたい。そう思い続けていた。そこへまるでそれを僕に神様が与えてくれたかのように数日の休みがやってきた。僕はそこがチャンスだと思い、咄嗟に一人で朝から自転車を漕ぎ、電車に乗り、東京駅に降り立った。そこはまるで僕の考えていた世界そのものだった。理解され難い僕の理想郷。まるで夢だった。本当にこんな場所あるんだって初めて感じた。嬉しかったと同時に目標ができたような気がした。ここへいつかまた来たい。そう思った。僕はそこから歩いた。色々なところに視線をやりながら周りの風景を見渡す。至る所に素晴らしい光景が広がっていて、僕の心は踊っていた。まだ経験したことのない自分だけの自分のための物語。心が逃げたいそう思うような毎日に少しの希望。長い1日を頑張り続けた先にある憧れや喜び。何にも変え難い自分だけの世界。最高に楽しかった。僕が初めて世界の広さ知った感動的な瞬間であった。
裕
高校一年生のありのままを描いてみました。ぜひ暇な時間に見ていってください。