いたい

いたい
嘘つきなあんたが嫌いだった。 でも今は好きなんだ。 嫌がられようとも、愛したいと思うほどに。ブランコで揺れる君を見つめていると、まるで糸が解けたように言葉を紡ぎ始める。 「…昔話をひとつ、してあげましょう。私は捨て子で、独りぼっちで、寒空の下凍える身体をカタカタと震わせながらただただ遠くの温かそうな灯りを見つめてた。そんな時、不意に声をかけてくれた夫婦がいた。彼らは皺だらけの手を私に差し出してくれて、握ったその手はとてもとても温かかったよ。」 俯いたまま言葉を繋ぐ。
トソプタ
心がいたくなるほどに。 表紙はpixivから https://www.pixiv.net/users/90151359 (ひが様)よりお借りしております。